オズのモジャボロ
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第五幕その二
「百年以上になるわね」
「そうですよね、その百年以上の間になんです」
「国が出来て名前が変わって」
「はい、凄く変わりました」
「多分ドロシーさんがおられた頃の僕の国は」
神宝もお話します。
「清でしたね」
「チャイナね」
「はい、その頃は清でしたね」
「今は違うのよね」
「昔だったら僕今みたいな髪型じゃないです」
見れば神宝は黒い髪を短くしています、とても清潔そうです。ですが清だった頃は彼の髪型はどうなっていたかといいますと。
「あの辮髪」
「そうそう、私も中国人っていうとね」
「辮髪でしたよね」
「そうしたイメージだったわ。カンサスではお会いしていなかったけれど」
「カルフォルニアに行かれた時にですね」
「お会いしたことがあるわ、中国人にもね」
アメリカは色々な人がいます、中国から来た人も昔からいるのです。
「辮髪だったわ。そうでない人もいたけれど」
「はい、昔は中国は辮髪でしたから」
「今と違って」
「今は他の国と一緒です」
辮髪でないというのです。
「こうして普通の髪型です」
「そうなのね」
「百年の間に本当に変わりますね」
ジョージもしみじみとして言うのでした。
「アメリカにしても」
「ジョージの服だってね」
「百年前の。ドロシーさんの頃のアメリカと随分違いますよね」
「男の子も服もね」
そのジョージのラフな服装を見ての言葉です。
「違ってるわ」
「そうですよね」
「ううん、オズの国は服は変わらないのよ」
それこそオズの国が出来てからです。
「それはね」
「カドリングの国でもですね」
カルロスがこの国のお話をします、今自分達がいる国のです。
「赤い服とズボン、あの鈴のついた三角帽で」
「そうそう、ずっと一緒なのよ」
「オズマ暇も」
「そうよ、オズマもね」
それこそオズマが女の子に戻ってからです、オズマの服はずっと変わりません。
「ズボンとかははかないわよ」
「ドロシーさんも」
「というか女の子がズボンはくなんて」
ドロシーはこのことは驚いた顔で言うのでした、恵梨香とナターシャを見ながら。とはいっても今二人はどちらも膝までのスカートですが。
「考えられなかったわ。それにミニスカート」
「はい、膝より上の丈のスカートです」
「そうしたスカートもありまして」
「ううん、スカートは短くても膝までよ」
オズの国ではというのです。
「カドリングのグリンダの兵隊さん達もね」
「グリンダさんをお守りしているですね」
「あの人達のスカートもですね」
「私は見ていないけれど」
この前置きも置いて言うことはといいますと。
「ジンジャー将軍の兵隊さん達もスカートは膝までだったらしいし」
「そこも変わったんです」
恵梨香がドロシーにお話します。
「スカートの丈も」
「足出して寒くないの?」
「それがファッションでして」
「ううん、私には出来ないわ」
「寒いからですか」
「寒いし危ないから」
このことも理由にあるというのです、ドロシーがミニスカートをはかない理由は。
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