チートな転生者の奏でる『俺の転生物語』原作どこいった!?
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『別荘』
前書き
遅くなってしまってすみません
二人の魔法少女達の激闘の日から1日明け、別荘は朝を迎える。
「くぁ~……流石にまだ眠いな~」
早めに寝たとはいえ外はまだ暗さを残しており今の時間がまだ早朝である事がわかる。
日も上りきらぬ暁の空を眺めつつ体を伸ばし、その身に纏う服を脱ぎ捨て動きやすい服装へと着替える。
「さて……朝の散歩にでも行くか」
部屋の扉を開け外にでると朝の少し冷えた空気を感じる。
部屋を出て周りを見渡すとあくびをしながらも箒などの掃除用具をもって辺りを掃除する猫の姿をちらほらと見かける。
「おはよう」
俺が声をかけると、
「ニャニャ! ご主人ですかにゃ!」
「あぁ…昨日早めに寝たせいかついさっき目が覚めてね」
「そうですかにゃ」
「とりあえず散歩でもして暇を潰すさ」
「わかりましたにゃ」
俺はアイルーと別れて中央広場で足を運ぶ。
「さてと……とりあえず練習中の『波紋の呼吸』をするか……」
俺はゆっくりと深呼吸をして体内に空気を取り込み、それと並行して体内の『気』の動きも感じる。
最近わかった事だが人間の『気』には一定のリズムがあり、そのリズムに合わせて呼吸する事によって体内に力を発生させる事ができるようだ。
「スゥ……ハァ……スゥ」
身体の中を廻る血液や心臓と気の動きのリズムを感じそれに合わせて呼吸する事によって体内に波紋が生まれる。
両手に波紋の力を集めるが、
「アイタッ!」
バチッ!と電気がスパークするような音と共に両手が弾かれる。
「いたぁ~……また失敗かよ」
波紋を発生させるまではできたけどそれを維持して放出させるのが上手くいかない。
「とりあえずは要練習ってとこだな」
引き出しが多い方が戦闘や他のところでも有利になるから使えるものは増やしておくに越したことはないな。
最初から波紋の呼吸が出来るジョセフはすごいな。
「さてと後は瞬動の練習と技の練習だな」
それからしばらくの間瞬動と技の練習に時間を費やし日も昇ってきたところで一度練習を切り上げる。
そして最後の締めに、
「朝のジョジョ体操で終わるか」
それからしばらくの間ジョジョ体操を続けると、
「ゼェ……ゼェ……かなりしんどい」
普通のラジオ体操でも最後までやるとしんどいのに波紋の呼吸も使ったジョジョ体操は俺でも体力が切れるぞ。
「とりあえず戻ってシャワーを浴びよう」
一度自分の部屋へと戻るべく歩いていくと、
「あら? 早いのね」
廊下でプレシアと会う。
「プレシアこそ早いな 昨日あんだけ飲んだのに大丈夫なのか?」
しかもかなり度数の高い(値段も)酒ばっかり飲んでいたけど大丈夫なのか?
「朝起きた時はちょっと危なかったけど置いてあった薬を飲んだらすぐ治ったわ」
あぁ……そういや念のために渦巻きウコンの漢方薬を置いといたな。
アレを飲めば物凄いスピードでアルコールを分解してくれるから飲み過ぎても大丈夫か。
「そうか……」
「ところでアナタは朝から何をしていたの? そんなに汗だくになって?」
「ん? あぁ……ちょっとね」
俺は朝にやっていた行動を教える、
「ふう~ん 波紋ねぇ~」
「治癒力や身体の強化や特定の敵との戦いでは強いぞ」
まぁ こっちの世界の吸血鬼に効くかどうかはわからんが。
少なくとも魔力だけに頼らない独自の身体機能強化はかなり便利だ。
「あとは波紋の呼吸を極めると極端に老化が遅くなる」
零の一言で突如空気が変わる。
「今……何て……」
「いやだから治癒能力やしんた「その後よ!」ほぇ?」
何故か物凄い勢いで零に迫るプレシア。
「その後よ!」
「老化が極端に遅くなる?」
「それよ!」
「ファッ!?」
今のアナタ物凄く若いのにまだ若さを求めるの!?
「女ってのはね何時だって輝いていたい生き物なのよ!」
「さいですか……」
まぁ……普通はどんなに金を払っても若さは手に入らないからなぁ……。
「まぁ 教えるのは構わないが俺もまだ完全にマスターしてないからね」
「それでもいいわ」
プレシアと波紋の修行をする事を約束し汗を流すために自分の部屋を目指す。
ちなみにその後波紋の呼吸を会得したプレシアの姿を見たなのはを経由して高町家にまで広がる事になるのをこの時の俺は全く想像すらしていなかった。
それからしばらくしてから食堂に足を運ぶと
「零君おはよ~」
「おはよう」
「おふぁよ~」
「おはようございます」
何時もの着物とは違う薄手の洋服を着た千歳と、
薄い半袖半ズボンの服を着たなのはとフェイトが挨拶を言い。
未だ寝ぼけ眼のアリシアは若干はだけた寝巻き姿だった。
「おはよう」
「あらあら アリシアったら、だらしないわよ」
そう言って彼女はアリシアに近づきはだけた服をきれいに整える。
「ふにゃ~まだねみゅい~」
まるで猫が顔を洗うかのようにアリシアは顔を擦る。
「あらあら…困ったネコさんね」
アリシアの行動に微笑みながらも彼女は自分の膝へとアリシアを乗せ、
その柔らかな金糸の髪を櫛で優しく梳いて整える。
その姿はまさに理想的な慈母の姿と言っても良いだろう。
「良いなぁ…」
それを羨ましそうに見つめるフェイトの姿に苦笑しながら、
「あらあら…フェイトもこっちに来なさい」
「うん!」
手招きすると、嬉しそうにトコトコと歩み寄る姿はまるで子犬の様に見える。
そして彼女もアリシアと同じ様に自らの膝の上に乗せ優しく髪を梳いていく。
そんな三人の姿を微笑ましげに見ていると、
「ごはんですよ~」
食事を乗せたお盆を持った千歳が現れた。
「ごっはん~」
解き放たれた猟犬の如きスピードで真っ先に席につくアリシア。
プレシアはそんな娘の姿を苦笑混じりに見ながらもフェイトと共に席につく。
「さて…今日の朝飯は何かな?」
「お腹すいたの~」
昨日の料理を食べたせいかなのはもツインテールをピコピコと動かしながら席につく。
「朝のメニューは黄金ブレットに十黄卵の目玉焼き、カニ豚のベーコン、BBコーンスープ、シーザーサラダですよ」
千歳が朝食のメニューを告げる。
昨日の料理ほどの派手さ事態は無いがそれでも普通の食材とは一線を隔す存在感を机の上にある料理が放つ。
「さぁ いただきましょうか」
千歳の合図と共に全員が食べ始める。
「この苺ジャムおいし~い」
「それは最近別荘でつくったレッドクイーンって言う苺からつくったジャムだよ」
この別荘では特殊な進化を遂げた様々な食材の調理だけでなく既存の物を品種改良したものも作っているのだ。
「ほんと貴方って多芸ね」
プレシアは呆れたように苦笑混じりな顔で呟く。
「別に俺だけでやっているわけじゃないし 俺にだって出来ない事は多くあるさ」
まぁ 出来る事が多いに越した事はないし、力が無ければ生きる事に苦労するのだから。
「まぁ それはさておき朝食が終わったら別荘内の案内でもするよ」
「楽しみにしているわね」
この別荘の本当の広さを知らないプレシアは気楽にしているが、彼女が本当の広さを知ったらどんな顔をするかが見物だ。
そんな事を考えながら徐に近くのパンに手を伸ばしかじる、
口に含んだ瞬間に小麦本来の力強い香りとふわりとした軟らかな食感に優しい甘味が口内を満たすのを感じる。
「うん 旨い」
次々と料理を平らげ食後のデザートの中身がシャーベットになっているシャーベリンゴに舌鼓を打ち終えてから、
「さて 行きますか」
席を立ち全員を誘導し、
前回使用した転送装置を起動させる。
すると装置の上に空間ディスプレイが投影され別荘の地図が表示される。
「これが『今』の別荘の地図だ」
その地図は中央部分に今いる島を示すように赤い光を灯り、
四方に大きな4つの島が存在し、さらにその島を囲うようにいくつもの島が存在した。
「え…うそ…こんな密閉された空間にこんな巨大な世界なんて…」
茫然自失になり虚ろな目でブツブツと何かを呟きながらあり得ないもの見たという表情のプレシアと、
「うわ~ひっろ~い!」
それとは対照的に目を輝かせながら地図を見上げるアリシア。
「この世界は常に変化を続けていてな、入る度にどっかに新しい島が出来たり、無くなったりしているんだ」
まるでどっかの不思議のダンジョンだな。
「ちなみにこの島を中心に四方を囲う島は上の島から時計回りに春島 夏島 秋島 冬島って呼んでいるだ、文字通り一年中名前通りの季節なんだ」
「凄いね! 一年中同じ季節なの!?」
俺のセリフになのはが反応する。
「あぁ そうだよ、今日は軽く4つの島を回って見るつもりだよ」
まぁ さすがに水着とかはないから泳いだりはしないけどね。
「とりあえず…起きろ~プレシア」
機能停止寸前のプレシアに声をかけ再起動させる。
「ハッ!?」
再起動するなり強い視線で此方を見抜くプレシア。
「言いたい事はわかるがとりあえずはあと回しにして移動するぞ」
何かを言いたげなプレシアを制止させつつ全員を転送装置の魔方陣に移動させる。
「じゃあ 転送するぞ」
「は~い」
装置が起動し転送が開始され、
「最初は春島からだな」
零のセリフと共に全員の姿が光と共に消える。
後書き
遅くなってしまってすみません、
次はもう少し速くだせるようにがんばります
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