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久遠の神話

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第百一話 託すものその十

 その落雷と共にだった、工藤の出したダイアもまた。
 巨人達の身体を締めつけていく、そうしてそこからもダメージを与え。
 巨人達をだった、遂に。
 倒した、彼等は苦しむ中で動きを完全に止めてそれから消え去った。
 彼等の巨体が消え去ったのを見てだ、二人は着地して互いに顔を見合わせ会心の笑みを浮かべた。そのうえで。
 工藤は高橋にだ、こう言った。
「やったな」
「はい、勝ちましたね」
「そうだな、俺達は勝った」
「これで、ですね」
「俺達の戦いは終わったな」
「そうなりますね」
「そうです」
 その通りだとだった、ここで。
 声が二人にだ、確かな声で言ってきたのだった。
「貴方達は勝ちました」
「そしてだな」
「もうこれで」
「お二人の剣をそれぞれ足元に置いて下さい」
 二人にもこのことを告げた。剣士が戦いを降りる儀式のことを。
「そうして戦いから降りられることを宣言されれば」
「それでか」
「俺達はこれで」
「戦いから降りることになります」
 そうなるというのだ。
「文字通り」
「そうか、じゃあな」
「今から」
 二人も声の言葉を聞いてだ、そしてだった。
 声が言った通りそれぞれの剣を足元に自分達から見て水平に置いた、そうしてから二人は同時に戦いから降りるlことを宣言した、すると。
 工藤の剣も高橋の剣も消え去った、まるで煙の様に。その全てを見届けてからだった。
 工藤は微笑みだ、高橋に言った。
「終わったな」
「はい、後はですね」
「神父さんとマガバーンさんだな」
「お二人ですね」
「あの人達なら大丈夫だ」
 工藤は信頼している顔で高橋にまた述べた。
「丁度今あの人達も戦っているだろうがな」
「もうちょっとしたらですね」
「吉報が届く」
 二人のところにだというのだ。
「そうなる」
「そうですね、じゃあ俺達は」
「今は待とう」
「そうですね、それじゃあ後は」
「これをどうするかだな」
 工藤は先程まで巨人達がいた場所を見た、そこには。
 山の様な金塊があった、その金塊を見つつ高橋にこの金塊のことについても言うのだった。
「収められてもな」
「凄い量ですね」
「何億円分あると思う」
「何億じゃきかないでしょ」
 高橋は少し苦笑いになって工藤に言葉を返した。
「何十億、いえ」
「何百億か」
「それだけありますよ」
「そうだな、多いな」
「はい、ですから」
 それでだというのだ。
「ちょっとこれは」
「とりあえず収めてだ」
「預金通帳にでも」
「国家予算に入れるか」
「臨時収入ですね」
「俺達は別に金はな」
「はい、必要なだけありますから」
 彼等は金については特にこだわっていない、必要なものだけあればそれでいいという考えなのだ。彼等もまた。
「別にこれだけあってもな」
「使えないですからね」
「何億なら使えるが」
 それだけの額ならというのだ、まだ。 
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