久遠の神話
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第百一話 託すものその七
「勝つ、それがな」
「自衛官ですよね」
「そして警官だな」
「やっぱり強くないと」
笑ってだ、高橋は工藤に答えた。
「お巡りさんは」
「人を守る仕事だからな」
「そうですよね、自衛官も」
「そういうことだ、ではな」
「勝ちましょう」
「何があろうともな」
こう話してギガンテスを見上げる、確かにとてつもなく巨大だ。その身体の一つ一つのどれもがだ。だがだった。
その中でだ、巨人達は。
彼等からだった、動いてきた。
二人を潰さんと蛇の脚を横に払ってきた、その脚に対して。
二人は跳んだ、上に。
そうして攻撃をかわす、だがここでだった。
怪物はその巨大な手を伸ばしてきた、空中に跳んだ二人を掴み握り潰そうとしてきた。どちらの巨人mもそうしてきた。しかし。
二人はここで自分達の力を使った、空を舞った。それでだった。
手をかわす、そうして二人共宙を漂いつつまた話すのだった。
「さて、まずはな」
「敵の挨拶はかわしましたね」
「挨拶はな」
それはというのだ。
「かわしたな」
「そうですね、それは」
「しかしだ」
「戦いはこれからですね」
「相手も馬鹿じゃない」
ギガンテス、彼等もだというのだ。
「決してな」
「そういうことですね」
「大男何とやらというがな」
ここでだ、工藤はこの言葉を出した。
「しかしそれは小さくても同じだ」
「小男の総身に知恵もですね」
「知れたものだ」
つまり自分達もというのだ、この場合は。
「所詮な」
「人間も巨人もですね」
「そんなに知恵は変わらないだろうな」
だからだ、ギガンテス達もというのだ。
「馬鹿じゃない」
「そういうことですね」
「ましてや相手は神様だ」
タンタロスとガイアの間に生まれた、というのだ。
「レプリカであってもな」
「それでもですね」
「そうだ、神様だからな」
それでだというのだ。
「愚かな筈もない」
「魔法は使わないですよね」
「そうした力はなくともな」
「むしろ賢いですね」
「そうした相手だ」
だからだというのだ、工藤は。
「油断出来ない」
「じゃあ今も」
「動くぞ」
今浮かんでいるその場からというのだ、そしてこう言ったところで実際にだった。
巨人達は槍を繰り出してきた、槍で二人を突き払ってそのうえで攻撃を繰り出してきた。二人が上にいてもだった。
彼等は攻撃する手段を見付けてそれを使ってきた、二人は飛びその攻撃をかわす。
そのうえで怪物の懐に飛び込もうとする、だが。
それは脚、巨人達は蛇の脚をここでも使い二人をそれで払おうとしてくる。それで二人を懐には近付けさせなかった。
こうなっては二人も間合いを離すしかなかった、また槍が来るのをかわしながら。
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