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進撃の巨人〜緋色の翼〜

作者:BlueBull
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第十話:訓練生活Ⅱ

「エレン、落ち着いて重心を安定させろるんだ。それさえできれば絶対合格出来るから」


「昨日言ったことを思いだして。頑張ってエレン」


「頑張れよ、エレン。じゃあ、行ってこい!」


「よし!!」



「次!エレン・イェーガー!」


「はい!!」

エレンがベルトにロープを固定し準備が整った。

「エレン・イェーガー、覚悟はいいか?立体起動装置を操ることは兵士の最低条件だ。出来なければ開拓地に戻ってもらう……いいな?」

「はい!」


エレンの顔は既に覚悟が決まっている様に見える。

「始めろ」

エレンを繋いだロープがゆっくりと引き上げられていく。


エレンは身体全体細かな重心の移動をコントロールし、空中で静止した。

「「「おお!」」」

周りから感嘆声が上がった



が、しかし─



グルン



急にエレンがバランスを崩し、頭を地面にぶつけた。

しかし、疑問がある。エレンはバランスを崩すほど身体はぶれてなかったしエレンに問題がないとするとベルトに問題があると言えるが昨日はアルミンも一緒に整備をしてたみたいだし可能性は薄い。

なら、どうして


「ま、まだ」

エレンは足を振り懸命に上体を起こそうとするがそれも虚しく教官に降ろすように後ろの訓練兵に命じた。

降ろされたエレンは手を地面につけ絶望した表情を浮かべている。

「ワグナー」

「ハッ」

「イェーガーとベルトの装備を交換しろ」

「ハッ」

「え?」


「いいからベルトを着けろイェーガー」

「は、はい!」




「着けました!」


「よし、もう一度ベルトにロープを固定しろ」


「はい!」


「上げろ」


ロープがゆっくりと上がっていく

十分な高さまで上がってもエレンの身体は上体を保ったまま。成功だ。


エレンは困惑した表情で教官に尋ねた。


「装備の欠陥だ、貴様が使用していたベルトの金具が破損していた。正常なら腰までういた状態から反転しても地面に頭をぶつけられる訳がない」


「え?」


「ここが破損するなど聞いたことはない。新たに整備項目に加える必要がある」


ベルトを交換した状態で成功。整備不足なら減点対象だが整備項目に載っていないところが破損しての失敗なのでそれは含まれない。

合格だ。



それが分かった時エレンはこちらを向いて俺はやれるぞといった表情を浮かべていた。


しかしミカサは

「これで私と離れずに済んだと思っている」
と言っていた。


………いや、違うだろ

と心の中で突っ込まずにはいられなかった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



午後からは馬術をする。まずは馬のケアからだ。馬のケアすら出来ない者が馬は背中に乗せる訳がないらしい。


「うわっ!?おい!や、やめろって」




ペロペロ




「あはは、くすぐったいって」


どうやら俺はケアが上手い方だったらしく馬に顔をペロペロと舐められて顔がベタベタしている。


漸く離して貰った時には精神的な疲労が溜まりまくっていた。気晴らしに周りを見ると、少し遠くに見える金髪の少女や他数人は馬のケアがしっかりとでいていたが、大多数は完全に無視されている者や頭を振られて地面に尻もちをついている者などがいた。
多くは最終的には疲労困憊といった様子でケアを終わらせていたが少数はまだ嫌がられていた。



一通り終わった後、次は早速試乗だ。
とはいえ、流石にいきなりさあ走れと言われても無理なので担当の兵士が乗るのを見てそれから兵士がひいているゆっくりと歩かせた馬に乗り感覚を覚えるらしい。

因みに兵士が使う馬は早馬といって、専用に品種改良された馬らしく、民間人が使う馬とは少し使い勝手が違うようだ。


「さあ、次はシルヴィオ・クロイツお前だ」


訓練兵が乗る馬は自分がケアした馬で未だ出来ていない者はこの訓練はすることが出来ない。
流石に訓練兵分の馬は用意出来る筈も無くこの訓練のときは三つのグループに分ける。
残り二つは兵站行進と立体起動装置整備の訓練だ。


「よろしくな」


そう俺のパートナーに話しかけながら撫でてやると嬉しそうにブルルッと震えた。


馬は俺が乗っても慌てた様子は無く落ち着いて歩いてくれて非常に乗り心地の良いものだった。


「よし、クロイツ。上出来だ!!

次!!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

食堂へ行くと死にそうな顔をしたエレン、他数十名の訓練兵。それを苦笑いで見る残りの訓練兵がいた。

「お疲れ、エレン、アルミン、ミカサ」


「お、おう」


「どうした?……って、お前は兵站行進だったっけか?」


「ああ、体力には自信があったんだが…なかなかきついな」


「しっかりしろよ。ミカサを見てみろこんなにピンピンしてるじゃないか」


「私はエレンの顔を見ていると体力も回復した」


「「「…………」」」

そんなのありえねえと心の中で思ったのは俺だけじゃ無い筈だ


「で、で?アルミンの方はどうだったんだ?」


「う、うん。こっちは立体起動装置整備。凄かったよ!あんな風になっていたなんて。凄い技術が使われていて正直興奮したよ!!」


「お、おう。そうかそれは良かったな…」

だろうと思ったよあの訓練はアルミンが絶対好きそうだったからな

「こっちは馬のケアをして歩いている馬に乗る訓練だったよ。本格的なのはしなかったな」


「そういや、シルヴィオ、体力は大丈夫なのか?」


「確かに開拓地でも何回か倒れてた」

「ああ、大丈夫だって。五年前とは違う。体力もしっかりとつけた訓練なんて耐え切って見せるさ」


「そうか、無理しないでね?」

「う〜ん。無理はするかもな」

俺は苦笑を浮かべつつさっさと食事を済ませて寮へ戻ることにした。

 
 

 
後書き
読んで下さっている皆さんも思っている人はいるでしょう。この小説……文字数が他の小説と比べると圧倒的に少ないのです。_| ̄|○
しかし、しかぁーーーしこの小説は話数を重ねるごとに(大体は)文字数が増えて行っているのです!皆さんが長く楽しめるよう。精一杯書いていきます!
こんな駄作品を評価してくれると嬉しいです。
これからも応援して下さっているかた、そうで無い方もよろしくお願いします! 
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