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久遠の神話

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第百一話 託すものその六

「貴方達がこの巨人達に勝てれば」
「その時はだな」
「そうです」
 声はこう工藤に答えた。
「貴方達の闘いは終わりです」
「そうだな、それではだ」
「はじめるか」
 工藤だけでなく高橋も言った、声に。
「今からな」
「そして終わらせようか」
「さて、それではだ」
 今度はだ、工藤は高橋に対して言った。常に共に戦ってきた盟友に。
「はじめるか」
「そうしましょう、後は上城君がやってくれます」
 高橋は巨人達を見上げていた、彼等の前に立つ怪物達を。
「絶対に」
「そうだ、だからな」
「俺達はここで、ですね」
「最後の闘いに勝つ」
「そうすることですね」
「勝ったらな」
 その時はだとだ、工藤は高橋にこうも言った。
「一佐に何をご馳走してもらうかだ」
「それが楽しみですね」
「焼き鳥でも串カツxでもな」
「何でも好きなものをですね」
「酒もだ」
 ご馳走してもらうのはこちらもだった。
「いいな」
「楽しみにしましょう」
「その楽しみを味わう為にもな」
「勝って帰りますか」
 生きてだ、こう話してだった。
 二人はそれぞれの剣を手に出した、そうして。
 怪人達と対峙する、だがだった。
 相手は巨大だ、そして強い。そのことがわかっているからこそ。
 迂闊に手は出せなかった、高橋は己の右隣にいる工藤に問うた。
「どうするかですね」
「倒すにしてもな」
「こうしてみると本当にでかいですね」
「ただ大きいだけではない」 
 このことをだ、工藤は高橋に告げた。
「強い」
「オリンポスの神々と戦うだけですね」
「神と考えていい」
 それが彼等が今前にしているギガンテスだというのだ。
「何しろ母はガイアだからな」
「大地の女神ですね」
「父はタルタロスだ」
 無論タルタロスも神だ、即ちギガンテス達の両親はどちらも神なのだ。
「純血の神だ」
「まさにですね」
「そうだ、だからだ」
「強いですね」
「相当にな」
「最後の相手に相応しいだkですね」
「強い」
 またこう言い切った工藤だった。
「気をつけることだ」
「そういうことですね」
「だからな」
 それでだというのだ。
「迂闊には攻められない」
「こちらからは」
「しかしだ」
 攻めることは容易ではない、だがというのだ。
「俺達は勝たないといけない」
「絶対にですね」
「戦うからにはな」
 それこそだというのだ。 
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