不思議なスライム
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スラ吉の失念
「ギュー、ギュギュ(それでな・・・って、聞いてるのか)?」
スラ吉が後ろを振り向くと、スラ子は居なかった。
「ギュ、ギュー(ど、どこにいった)!?」
辺りを見回すが、姿は見えない。
「ギュー(困った奴め)!」
来た道を戻るスラ吉。
ぶつぶつと文句を言いながら、お仕置きを考え始める。
「ギューギュー(ワカメでグルグル巻きにして、舐めまわしの刑にするか)?」
やめとけ。
スライム流のお仕置きかもしれないが、他種族からすればアウトだ!
何せスラ子の外見は、人間そっくりの美少女。
犯罪者扱いか、変態魔物と呼ばれるぞ!
「ギュー、ギュギュー(動けなくして、目の前でワカメを全部食べてやろうか)?」
な、なんて、恐ろしい事を!
・・・でもないか。
しかし、スラ子は泣く。
大泣きする!
「ティウティウ(あの子と一緒じゃないの)?」
1匹のプチアーノンが話しかけてきた。
スラ吉は丁度良かったと、スラ子を知らないか聞く。
「ティウ、ティウ(ずっといるけど、見てないよー)。」
「ギュー(なんだと)!?」
信じられない情報だった。
ここを通らないと、コルット地方には戻れない。
忽然と消えたスラ子。
一体どこに!?
・・・いや、知ってるけどね。
「ティウ(どうしたの)?」
別のプチアーノンがやってきた。
「ティウ(なになに)?」
「ティウティウ(事件でも起きた)?」
「ティウ、ティウ(あー、スラ吉がいるー)。」
「ティウティウ(またワカメを食べに来たのかい)?」
「ティウ(暇だし遊ぼう)。」
え、えーと。
プチアーノンAが現れた!
プチアーノンBが現れた!
プチアーノンCが現れた!
プチアーノンDが現れた!
プチアーノンEが現れた!
プチアーノンFが現れた!
プチアーノンGが現れた!
「ギュー、ギュギュー(あっち行け、俺は急いでるんだ)!」
スラ吉は逃げ出した。
しかし、プチアーノン達に囲まれて逃げれない!
と・・・いう具合だ。
頑張れ!
私は応援しか出来ない。
さて、肝心のスラ子の行方だが・・・。
洞くつから出たわけでも、隠れているわけでも、消滅したわけでもない。
ちゃんと洞くつにいる。
ある重要な事を、スラ吉は失念していた。
途中でY字路があった事に!
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