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『曹徳の奮闘記』改訂版

作者:零戦
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第二十四話






「………ねぇ長門、私とクロエを保護してくれてありがとう」

「ん? いきなりどうしたんだロッタ?」

 晩飯も食べた夜、ロッタが急に俺の部屋に尋ねてきたらいきなりに感謝された。

「まだ、私達を助けてもらった事に対しての感謝の言葉を言ってなかったから来たのよ」

「それは別に気にする事ではないんだが……」

「違うわッ!! 本当に感謝しているのよ長門。もし私もクロエも長門に出会わなければ………」

 ……奴隷になっていた可能性があったからな。

「本当に感謝しているわ長門。そ、それだけだからねッ!!」

 ……まぁいいか。

「それと……長門は私達とは違う世界から来たと言っていたけど……私達がゲームのキャラは本当なの?」

「あぁ。お前らがゲームのキャラになっているな」

「それで……私の秘密を知ってる?」

「秘密ぅ? いやロッタは知らんな。てか頭に王冠載せてるからどっかの国のお姫さまとか?」

「………」

「……マジで?」

「……そうよ。小さい国だけど、次女で一応は姫よ」

 ……まさかの新事実発覚やな。

「小さい国だから資金が無いのよ。それで私が内緒でギルドにいたわけよ」

「そうだったのか……」

 これはオリジナル設定みたいだな。

「なら今日は飲もうや。俺もルミナシアの話とか聞きたいからな。それにロッタの姫様生活も聞いてみたいしな」

 俺はテーブルに酒を出す。

「それはいいけど……あまり面白くない姫生活よ」

 ロッタが笑う。

「なら私もいいですか?」

「「ッ!?」」

 急に扉が開いて、七乃が入ってきた。

「な、七乃?」

「はい七乃です。やぁん、やっぱりロッタちゃんは可愛いですねぇ~♪」

「く、苦しいぃ……」

 ロッタが七乃の手に捕まり、頬をグリグリさせられる。

「申し訳ありませんが、私も聞いてしまいました。ロッタさんは国のお姫さまだったんですねぇ」

 美羽や七乃にロッタの事はそれなりの良家の娘としている。

 なお、ロッタのファンクラブが存在している。(理由はツンとした態度が可愛いかららしい)

「七乃。この事は内密にな」

「分かってますよ。その代わり……」

「その代わり?」

「私も飲まして下さいね」

「……いいよ。三人で飲もうか」

 まぁそれくらいだったらいいしな。

 ちなみに七乃にバレたのはロッタの事で、俺の事はバレてなかった。

 それから三人での飲み会が始まった。






「ですからぁ~お嬢様の良さはぁ~」

 七乃が顔を真っ赤にしながら美羽の良さを話している。

「おいロッタ」

「何よ?」

「お前って酒の肴とか作れるか?」

「肴?」

「おぅ。酒とか飲んでいると肴が欲しくてな」

 ちなみにあの書簡には日本酒と濁酒の作り方が書かれていて、南陽の酒屋で作っていたりする。

「チーカマとかは作れないわよ。それに私が作れるのは普通の料理よ」

「マ・ジ・かッ!?」

「マジよ」

 俺は思わず叫んだが気にしない。

「ぬぅ……ビーフジャーキーとか食いたかったけど無理か……」

「スゥ……スゥ……」

 ん? いつの間にか七乃が寝ているな。

「今日は此処までにするか。ロッタ、後片付けはいいよ。俺がしとくし」

 まぁ俺の部屋で飲んでいたからな。

「分かったわ。じゃあね長門、お休み」

「あぁお休み」

 ロッタが俺に頭を下げて部屋を出た。

「ほら七乃。起きて自分の部屋で寝ろよ」

「うぅ~ん。眠たいです~」

「いや俺の部屋だからな」

「私の部屋ですよぉ~」

 七乃はフラフラと立ち上がって俺のベッドに寝転がる。

 ………完璧に泥酔しているな。

「……このまま寝さしてやるか」

 俺は溜め息を吐いて、七乃に毛布をかけようとする。

ガシッ。

「は?」

 いきなり七乃に掴まれた。

ガバッ!!

「うわッ!?」

ボムンッ。

 そして無理矢理七乃に引き寄せられて七乃の胸にダイビングした。

「な……七乃?」

「……長門さぁん……」

 七乃が俺の右腕にしがみつく。

 ……む……胸がぁ……。

「おい……七乃……」

「……長門さん。初めて会った時、覚えていますか?」

「まぁ一応はな」

「あの時、私は貴方が私達の救世主だと思いました」

「それはどうも……」

「その時かもしれません。私は少しずつ、貴方の事を見ていました」

「七乃………」

「貴方を見ていたけど、私の心はもう我慢出来ません。どうやら敵は多いみたいですので、ちゃっちゃとしますね。長門さん、貴方の事が好きです」

 七乃はそう言って俺にキスをしてきた。

 それはただの唇を合わせるだけのキスだった。

「ん……ぷはぁ……」

「七乃………」

「お願いです長門さん。私の初めてを貰って下さい」

 七乃は顔を朱くしている。

「………分かった。正直、俺は欲が深いけどそれでも構わんか?」

「構いません。だって、長門さんは私の好きな人ですから」

 七乃は笑った。

「……………」

 正直、七乃は可愛いです。

 もう少しで鼻血が出そうだしな。

「行くぞ七乃」

「はい♪」

 そしてその夜、俺と七乃は一つになった。








 
 

 
後書き
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