【完結】剣製の魔法少女戦記
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第五章 StrikerS編
第百六十四話 『決戦(8) 星の目覚め、暴走するゆりかご』
前書き
更新します。
今回はなのはが目覚めます。
そして最後には…。
ではどうぞー。
グラーフアイゼンのセリフを敬語から平語にしました。
クアットロはシホ達から隠れている下層のエリアで次々と消えていくモニターを見ながらため息をついた。
「…トレディちゃんやチンクちゃん、ルーテシアお嬢様もみんな、つまらないわね~。私の教えがあればもっと粘れたでしょうにね」
それでクアットロは眼鏡を取り外し、髪を降ろした。
そしてまさしく悪の笑みを浮かべて、
「ま…私がいればなんとでもなるでしょうね」
それでお腹をさすりながら「…そうですよね、ドクター♪」と呟くのだった。
そして数少ないモニターの向こう側では今も尚激闘が繰り広げられていた。
「いいわ。いいわよ、高町なのは。もっとその生意気な女を苦しめちゃいなさい!」
モニターの監視に夢中になり、クアットロは自分の周辺は絶対に安全だと過信し、警戒を怠っていた。
いままさに赤い皇帝が迫っていることもつゆ知らずに…。
◆◇―――――――――◇◆
シホとなのはの戦いは完全に殺し合いと言っても過言ではない状態にまで陥っていた。
「…アクセルシューター、ファランクスシフト…」
「ッ!」
なのはの周りに虹色のアクセルシューターが通常のなのはの限界以上の数を散りばめられていた。
さながらそれは綺麗な弾幕のようでシホは思わず舌打ちをする。
「(殺傷設定なのは当たり前、数も威力も当たったらただでは済まない。さらには冷徹に、冷酷になのはは私を殲滅しようと仕掛けてきている…! このままじゃ…!)」
目視できる範囲でシホはアルトリアとユニゾンしたことにより会得しているその機動力をバネにアクセルシューターの嵐を時には避け、エクスカリバーで切り裂き、防御する事を繰り返す。
そしてユニゾン時にセイバーのクラススキルである『対魔力』を纏っているのにも関わらず、当たってしまうアクセルシューターはシホの体を少しづつ傷つけていく。
「(防ぎきれない!?)」
《私の対魔力を越える威力をナノハは持っているということですか…!》
シホはその事実になのはは英霊級の力を手にしていることを悟る。
アルトリアも純粋になのはの力の向上に驚いていた。
それで防戦一方になりつつある戦況。
手加減をしている場合ではないが、本気を出したらなのはを最悪殺してしまうかもしれないから奥の手も使えない。
いや、純粋魔力攻撃に変換すればできないこともないのだが、チャージに時間を有してしまうから、現状チャージの時間も許してくれないなのはには手詰まりな状況である。
それでアクセルシューターの嵐に囲まれている中で、シホはふと悪寒を感じ咄嗟になのはの方へと顔を向ける。
そこではレイジングハート・プルートを構えてチャージを完了しているなのはの姿があった。
「チィッ!?」
「―――ディバインバスターッ!!」
虹色の砲撃がシホに向けて迫ってくる。
それで防ぐためには瞬時に詠唱を終えなければいけない。
「I am the bone of my sword…!!」
手を掲げて即座に詠唱を完了させるシホ。
胸の内では(間に合え…!)と叫びながら、
「熾天覆う七つの円環ーーー!!」
七つの花弁が咲き誇り、そこにはシホの防御の数少ない手であるロー・アイアスが出現した。
そしてなのはのディバインバスターと衝突する。
それによって攻撃は拡散して様々な場所に散っていく。
玉座の間が狭い場所ともありそれは室内を次々と破壊していく。
それは天井にもおよんで運悪くシホの頭上の天井が崩れてきてシホに降り注いだ。
「ッ!?」
そして、シホは瓦礫に晒される…。
……………
「ッ! お姉様!?」
「フィアット! どうした!? 駆動炉まであと少しだぜ!」
「は、はい…(お姉様、無事でいてください…)」
フィアットはそう祈った。
そしてフィアットとヴィータの二人はついに駆動炉の部屋まで到着する。
「ついに、到着しましたね…」
「ああ。お前がいなかったらもっと苦戦したろうな…。ありがとな、フィアット」
「ありがとうございます。でも、ここでの仕事はヴィータの出番ですよ」
「おうよ! いくぞ、グラーフアイゼン!」
《応ッ!》
「リミットブレイク!!」
《ツェアシュテールングスフォルム、起動》
それによってグラーフアイゼンはその形状をまるで掘削機のようにドリルが先端に出現した。
「いくぞ! おおおおおーーーーー!! 貫けー!!」
《ツェアシュテールングスハンマー!》
ドリルが高速回転し、それを駆動炉の防御結界へとぶつける。
削られるような音がしだして、しかし弾き飛ばされてしまった。
「うあっ!?」
「ヴィータ!」
フィアットがヴィータを受け止める。
それだけならよかったのだが、センサーが反応を示したのか、
『駆動炉への侵入者の存在を感知しました。危険な攻撃をしたため、排除します』
「「ッ!!」」
それによって様々な方向からビームが射出されて二人を襲う。
だが咄嗟にフィアットがプロテクションを展開してヴィータを守った。
「ヴィータ! あなたは気にせずに駆動炉の破壊に専念してください! 防御は私が専念します!」
「おう! すまねぇ!」
それでヴィータはグラーフアイゼンを握り締めながら、
「…あたしとお前で砕けないものなんてないんだ。そうだよな、アイゼン?」
《当然だ。我らならどんなものでも砕けるだろう》
「そうだな…。いくぞ! アイゼン!!」
《任された!》
それでヴィータはまた駆動炉へとツェアシュテールングスハンマーをぶつけていく。
今度こそ砕いてやるという意気込みで、
「アイゼン! 今こそ全カートリッジを注ぎ込む時だ!!」
《おう! カートリッジ全ロード!》
それによってフィアットからも受け取ったカートリッジで威力を何倍にも膨れ上がらせて握る手に力を込める。
それによって、ビシッ!という音を上げて駆動炉にヒビが入る。
だが、同時にグラーフアイゼンにも少しずつであるがヒビが入っていく。
「アイゼン! こんなところでくたばるあたし達じゃねー! 破壊と粉砕はあたし達の領分だったじゃねーか! 気合を入れるぞ!!」
《あぁ! 死ぬ気でやるぞ!》
「上等だ!! いっくぞーーー!!」
後部の噴射口からさらに火が吹き上がり威力を上げていく。
ギシギシと破壊音が響いていって、ついに、
ガシャーーーーーンッ!!
駆動炉はものの見事に破壊された。
「やったぜ! これであたし達の勝利は間際だぜ!!」
《やったな、マスター!》
「おうよ! お前も頑張ったな、アイゼン!」
そこにプロテクションを解いて近寄ってきたフィアットが、
「さ、早くお姉様達の元へと向かいましょう!」
「おう!」
それで二人はシホ達のいる玉座の間へと向かっていくのだった。
◆◇―――――――――◇◆
Side シホ・E・S・高町
…くっ。
体中が痛い…。
天井が崩れてきて私は間に合わずに下敷きになってしまった。
なんとか魔力放出で瓦礫を吹き飛ばす。
吹き飛ばして辺りを見れば、いまだに涙を流しながら玉座に座らされているオリヴィエ陛下の姿があり、その傍らには無表情のなのはが杖を構えている。
「…ままならないわね」
あちらは私が攻撃をあまりしなかったためにほぼ無傷な状態。
比べてこちらは体中から血が流れてきていてアルトリア自慢の青いドレスも赤く染め上げている。
《シホ…。大丈夫ですか?》
「ええ…。なんとかまだ無事よ、アルトリア」
アルトリアが心配そうに話しかけてきてくれるのが幸いだ。
そこに、
《シホ! ナノハを助けたいんならもっと本気で倒さなきゃダメよ!》
「まぁ、ね…」
イリヤも目を覚ましてそう言ってきた。
しかし、見ればいまだにアクセルシューターの弾幕がなのはの周りを巡っていて守っている。
玉砕覚悟で突っ込めばなんとかなるだろうけど、
《アルトリア! アヴァロンを起動してシホの傷を癒して! 私達はこんなところで終わるわけにはいかないのよ!》
《はい! イリヤスフィール!》
それで体中の傷が治っていく感覚に入る。
それで幾分痛みも抜けてきたのか体が軽くなってきた。
これなら、いける!
「…アルトリア。イリヤ。今から攻めていくわよ? なのはには少し痛い目にあってもらうかもしれないけど…」
《その意気です、シホ。ここできつい一撃をナノハに叩き込んで目を覚まさせてあげなさい!》
《うん! いつまでもあんなんじゃナノハも可哀想だからね!》
意見は全員一致。
レイジングハートも声を上げて、
《シホ…。マスターのもとに私を届けてください》
「でも、危険よ?」
《それは百も承知です。ですが、なんとかします!》
「わかったわ。あなたを信じるわよ? レイジングハート?」
《お任せ下さい》
おそらくなのはにヴィヴィオの言葉を届けたいんだろうな。
なら、架け橋くらいにはならないといけないわ。
「いくわよ!」
《はい!》
《いつでもいいわよ!》
《お願いします、シホ! マスターのもとへ…!》
それで私はエクスカリバーフォルムを構えて、魔力放出で一気になのはの距離を詰める。
当然、なのははアクセルシューターを放ってくるが私はそれを対魔力で防いで一気に詰め寄る。
そして剣を振り上げる。
するとなのはは防御でもするだろうプルートを盾にする。
剣と杖が衝突する。
だがあちらも頑丈なのか「ギリギリ!」と受け止められた。
「ッ!」
「さすが、スカリエッティ謹製の杖ね。でも、この一瞬が欲しかったのよ! レイジングハート!!」
《はい!》
それで私の懐からレイジングハートが勢いよく飛び出してなのはの目の前に浮かぶ。
《マスター!》
「ッ!?」
レイジングハートの呼びかけになのはの表情が強ばる。
おそらくなのはの意識がまだ残っている証拠だろう。
《マスター! 目を覚ましてください! あなたはこんなところで倒れる人ではないでしょう!》
「………」
それでなのはの動きが停止する。
多分意識が抗っているのか、洗脳力が揺らいでいるんだろう。
その証拠に先程まで常時展開されていたアクセルシューターがすべて消えていたからだ。
《私は、あなたがまた自由に大空を飛ぶ姿を共に共有したい…。私はあなたの相棒なのですから!》
「レイジング、ハート…」
《そして、ヴィヴィオの言葉をあなたに贈ります!》
それでレイジングハートから光が照射されてモニターが浮かび上がる。
私も初めて見るヴィヴィオの映像だがそこには泣きそうな顔をしたヴィヴィオの姿が映し出されていた。
『なのはママ…! ヴィヴィオだよ? 見えているかな?』
「…ッ、……」
『なのはママ…帰ってきて。ヴィヴィオはあの日に約束したキャラメルミルクの約束をまだ諦めてないよ! なのはママの作ったキャラメルミルクが飲みたい!』
「…ヴィヴィ、オ……ッウ!?」
それを聞いて効果があったのかなのはは頭を押さえだして苦しみ出す。
それでも映像は録画なために続いていく。
『私、いい子になるから…! なのはママの誇れる自慢の娘になるから! だから帰ってきて、なのはママ!!』
「ヴィヴィオ…!」
なのはの叫びが玉座の間に轟く。
瞳にも光が戻ってきたのか目から大量に涙を流している。
これなら…!
それで映像は途切れる。
ヴィヴィオ…! あなたの思いは無駄にはしない! 引き継ぐわ!
「なのは! 正気に戻りなさい! みんな、あなたの帰りを待っている! フェイトやアリシア、はやて、すずかにアリサ、フィアットにユーノ…! 他にもたくさんの人が!!」
「シホ、ちゃん…」
「それに、私もあなたの事を大切に思っているわ。だって、あなたは私の家族なんだから!」
「シホちゃん…!」
「だから、戻ってきなさい! なのは!!」
最後のひと押しとも言う私の叫びになのはは私に涙を流しながら抱きついてきた。
「ごめん、ごめんね、シホちゃん…! いっぱい傷つけちゃったよね?! いっぱい辛い思いをさせちゃったよね?!」
「いいのよ、なのは…。あなたが無事ならそれでいいのよ。…さ、オリヴィエ陛下と一緒に機動六課へ帰りましょう…? ヴィヴィオや、みんなが待っているわ…」
「うん!」
これでなのはは取り戻した。
だけどそこでモニターが開いてクアットロとかいう戦闘機人が写り出す。
その表情には焦りが浮かんでいる。
『なにをしているの! 高町なのは! そいつを殺しなさい!』
「もう、あなたの言うことなんて聞かない…! 残念だったね」
『そ、そう…。フンッ…でも、私を見つけて倒さない以上はゆりかごやオリヴィエ陛下は止められな『ほう…こんなところにいたか。探したぞ』…へ?』
そこに私の頼りになる皇帝の声が聞こえてきた。
ネロは霊体化してゆりかご内をクアットロを探すためにくまなくしらみつぶしになって探していた。
そしてあらかた通常の通路は調べ終わり、最後に深部へと続く道を発見したのだ。
後はここくらいだろうな…、とネロはほくそ笑み、ついにクアットロを発見したのだ。
クアットロの表示しているモニターの先ではシホがなのはの洗脳を解いた光景が映りだしていて、それをネロは見て、
(さすが奏者だな!)
と、シホを褒め称えていた。
それで後はこいつを倒すだけだな…と実体化してクアットロの背後に立つ。
そして声を発する。
「ほう…こんなところにいたか。探したぞ」
そう声をかけるとクアットロは間抜けな表情をしてこちらへと振り向く。
ネロはそれでなんとも間抜けな表情だと思った。
だが仕事はしないとな…と、シホに念話を繋げる。
《奏者よ! 余の場所を辿れ! さすればおのずとこやつの位置を特定できるだろう! 余は奏者の魔力温存のために攻撃はしないことにする。だから止めは任せるぞ!》
《ええ! 任せて、ネロ!》
それにシホは強く返事を返す。
場所は玉座の間に戻り、
「位置、特定…。後は、振り下ろすのみ!」
『まさか、壁抜き…!?』
クアットロが通信越しに叫んでいるが、構わずシホはエクスカリバーフォルムを構えて魔力を充填させていく。
そこになのはもレイジングハート・プルートを持って、
「シホちゃん! 私にも手伝わせて!」
「でも。レイジングハート・プルートは使えるの…?」
「大丈夫。私の言うこと、聞いてくれるよね? プルート?」
《…了承。私はあなたに使われるために生み出されました。ならば異議はありません…》
「ありがとう…プルート」
それでなのはもプルートを構えて、レリックによる恩恵で一瞬でチャージを完了させる。
「シホちゃん! やろう!!」
「ええ、なのは!!」
そして二人はその真名を紡ぐ。
「約束された―――……!」
「全力全開! スターライト―――……!」
エクスカリバーフォルムが黄金に輝き、プルートの尖端には極大な虹色の魔法陣が描かれる。
「勝利の剣ーーー!!」
「ブレイカーーー!!」
真名開放とともに黄金と虹色の極光が交わり合いながら螺旋を描き、クアットロのいる空間へと迫っていく。
壁など関係なしと言わんばかりの暴力の権化の二つの攻撃。
「いやぁああああああーーーーー!!?」
クアットロの心からの叫びが響き渡るが、極光は関係なしにすべてを飲み込んでいく。
それで叫びも極光の中へと溶けて消えていった。
その威力はクアットロを飲み込んだ後も継続して続いていき、ついにはゆりかごの深部を貫通して大穴を開けて空へと消えていった。
「…ちょっと、やりすぎたかな?」
なのはがそれでどこか懐かしいセリフを吐く。
それに対してプルートとレイジングハートは二機揃って、
《いいんじゃないでしょうか?》
《同意。いいと思います》
…なかなかに息のあった掛け合いだった。
さすが姉妹機なだけはある。
「ッ…!」
だが、そこでシホが苦悶の表情をしてエクスカリバーフォルムを地面に刺して膝をつく。
「シホちゃん!?」
「ごめん、なのは…。ちょっと無理が祟ったみたい…アヴァロンを連続で使用したのも相乗しているみたいで…。でも、あと少し。オリヴィエ陛下を助け出せばゆりかごは停止する…」
それでなのははシホを肩を貸し立たせてオリヴィエの元へと向かう。
「オリヴィエさん…、今助けるからね…」
「オリヴィエ陛下、今助けます…」
二人がオリヴィエのもとにあと少しでたどり着くというところで、瞬間、目の前の空間が歪み出す。
「「!?」」
二人はそれで動きを止める。
それで歪みからフードを着たガタイのいい男性が出現する。
みればそいつは右目に線が入っていた。
そして思わず叫ぶ。
「隻眼の魔術師!?」
「フフフ…よくぞここまでたどり着いたものだな。シホ・E・S・高町よ」
「…今更、何をしに現れたのよ…? やろうと思えばあなたをこの場で倒すことも可能よ」
「その体でよく言う…。まぁ、いい。スカリエッティからはもう引き出す情報は引き出したからな。奴はもう私にとって不要なのだよ。後は、仕上げだ」
それで隻眼の魔術師は右手を掲げる。
その手にある最後の一画を残す令呪が輝き、
「さぁ、最後の令呪に命じる! オリヴィエ・ゼーケブレヒトよ! ゆりかごを最高速度で上昇させ地上を焦土と化せ!!」
「「なっ!?」」
シホとなのははその内容に思わず絶句する。
「うっ!? あああああーーー!!?」
そこにオリヴィエの叫びが響き渡り、次いで船体が急激に揺れだして、急な上昇に伴いシホとなのはは思わず体にかかるGに耐えられずに両手を地面につく。
「ハハハハハハッ! さぁ、シホ・E・S・高町よ! 止められるものなら止めてみろ!」
「貴、様…ッ!」
「まぁ、ここまで来れたご褒美として私の名前を教えてやろう。私の名は“ヴォルフ・イェーガー”だ。生きていたらまた会おう。さらばだ」
それで隻眼の魔術師…いや、ヴォルフ・イェーガーはまた歪みの中に消えていった。
「ここまで、来て…!」
シホはこの事態をどうにかしないと地上、ミットチルダが焦土を化してしまう。
そしてなんとか力を込めて立ち上がり、どうにかしようと思考を巡らせるがなかなかいい案が浮かんでこない。
(ここまでなの…?)
つい、そんな事を考えてしまったその時だった。
シホの周りの景色が急に色褪せて、ゆりかごの揺れも止まり、なのはやオリヴィエの姿も時間が停止したかのように止まってしまっている。
「これは…!?」
シホにはこの現象は覚えがあった。
過去に一度体験した語りかけの言葉。
【…我を求めよ】
脳に直接干渉してくる様なそんな声が聞こえてきた。
「世界…! 抑止力の声!!」
シホは、再度世界に試されることになる…。
後書き
やっと決着がついたと思った矢先に隻眼の魔術師、いえ、ヴォルフ・イェーガーが令呪を発動。
クラウディア艦隊の到着予定時間には間に合わないそんな危機的な状況。
そして語りかけてくる抑止力…。
シホはどういう選択をするのか…?
それではご意見・ご感想・誤字脱字報告をお待ちしております。
では。
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