蒼の使い魔は悪魔で召喚魔剣士
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翼竜人
朝になり、タバサに言ってから俺はいつもの鍛錬をした。
途中からサイトがやってきたので、剣の扱い方を教えることになった。
いくらガンダールヴの力のおかげですばやく動けるといっても素人には変わりないので、剣の持ち方から教えることになった。
「なんか、すみません。俺に教えてるせいでアルさんの鍛錬できなくなって……」
「気にするな。人に教えるおかげで見えてくるものもある」
「なんだか、アルさんって大人びてますね。同い年くらいに見えるけど、なんか敬語使っちゃうし」
「俺はこれでも21だ」
「ええ!21!全然見えませんね」
「ある事情で人より歳を取るのが遅いのでな」
「そうなんですか?なんか聞いてはいけないことだったとか……」
「いや、別に問題ない。さて、そろそろ終わりにするか」
「もうそんな時間ですか。じゃ俺、ルイズのところに戻ります。剣の扱い教えてくれてありがとうございました!」
そういってサイトは走って行った。
俺もタバサのとこに戻るか……
そして俺はタバサの部屋に戻り、それから朝食のために厨房に向かい途中でサイトとあって二人で厨房に行くと……
「おお!「我らが剣」に「我らが盾」が来たぞ!」
マルトーさんがそう叫び厨房全体で俺たちを歓迎した。
「その恥ずかしい呼び名は何だ……」
「気にするな!「我らが盾」よ!お前さん魔法も使わずに拳でメイジに勝ったんだろ?後使い魔も倒したとか、どうやったんだ?」
「使い魔には召喚術と呼ばれる術をつかった。拳は、剣をサイトに貸していたのでな」
「召喚術?」
俺はもう見せた方が早いと思い
「異界のものを呼び出す術だ。こんな風に」
「来い、テテ!」
そうして俺はテテを呼び出した。
テテはテーブルの上にちょこんと乗って周りを見ている。厨房だからおいしそうな匂いするからか、若干わくわくしてるようにも見える。
「こいつが使い魔を倒した召喚獣だ」
「……」
テテは呼ばれたのに反応してこちらに向いて無言で首を傾げた。
その様子に厨房にいた女性陣から黄色い声が飛ぶ。
「驚いたこんなにちっこいやつが貴族の使い魔を倒すなんてな」
マルトーさんたちが驚く。
「こいつ自分より何倍もある牛を頭突き一発で倒してたしすごいやつだよ」
サイトが思い出しながら言う。
「そいつぁすげえや!おいお前ら!この小さな英雄にもうまいもん作るぞ!」
「「「おおー!!」」
「……?」
状況の分かってないテテはさらに首をかしげている。
俺はテテの頭を撫でながら。
「この人たちがお前においしいもの作ってくれるんだ。感謝しておけ」
テテはおいしいものの辺りから目を輝かせコクリと頷いたあと、ペコリとマルトーさんたちに頭を下げた。その様子に女性陣はノックアウトしていたが気にしない。
俺たちはその後、盛大な歓迎を受けた。
その後、俺はサイトと別れ庭に出る。シルフィードのご飯ももらったのでシルフィードのところに行く。
シルフィードはこちらにすぐ気づく。
「あっお兄さま!」
「シルフィード、ご飯もらってきたぞ」
「きゅい!ご飯!」
「人前ではあんまりしゃべるなよ」
「わかってるのね!きゅい」
そうして、シルフィードにご飯を渡した後、そろそろタバサに依頼が来るんだったかな……と原作を思い出す。次々といろんなことが起こるから忘れがちだが……
少しした後
「きゅい!お姉さまが呼んでるのね!」
「そうか、じゃあ行くか」
俺はシルフィードに乗ってタバサの部屋へと向かった。
「どうした、タバサ。なにかあったのか?」
「任務」
「任務?タバサは学生だろう?」
「事情がある」
「そうか、それは目的地に行きながら話してもらおう。今すぐ行くのだろう?」
コクリと頷き、タバサとシルフィードに乗って目的地に向かった。
その途中でタバサの事情を教えてもらいながら、しばらくすると目的地であるプチ・トロワに着いた。
「おかえりなさいませ。シャルロットさま」
そういった衛士をほかの衛士がたしなめる
「おい」
嫌な雰囲気のところだな……そう思っていると
「姫殿下がお待ちだ」
ぞんざいな仕草で一人があごをしゃくりながら言う。その後俺の存在に気づくと警戒し始める。
「む、貴様は何者だ!」
「俺はタバサに雇われたものだ」
訝しげに俺を見てから。
「ふん!まぁいいだろう。ついて来い」
王女の部屋の前に立ったガーゴイルが交差させた杖を解除する。
俺は部屋に入る前に不穏な空気を感じて杖を出しておく。
そして部屋に入った瞬間、気配を感じ
「我を取り巻く六つの星よ、万物を阻む光の盾となれ。バリアブルヘキサ」
俺とタバサの周りに光の壁ができ、その瞬間。
ひゅん!ひゅんひゅん!と言う音とともにタバサに向かって何かが飛んできたが、すべて光の壁に遮られた。
飛んできたのは卵や、泥が詰められた腸詰だった。
投げた侍女たちはすまなさそうにしている。こんなことさせたやつはずいぶんと性質の悪いな……
俺は怒りを感じながらも念のために備えておく。
「な、なんだお前は!」
光の壁とそれを出した俺に驚いてる少女がいる。
あれがイザベラか……
「おい人形娘!こいつはいったい何者だ!」
腹の立つやつだなこいつ……と思う。
タバサはいつもと変わらないように
「私の使い魔」
周りはそれに驚く
「おほ!おほ!おっほっほっほ!こいつが使い魔?じゃあ外にいる風竜はなんなんだい」
「あれも使い魔」
「はぁ!?風竜はともかくそっちまで使い魔だって?」
「召喚のゲートは二つ開いたみたいでな、俺も呼び出されたと言う事だ」
「ふ~ん、あんたも災難ね、呼び出したのがこんな人形娘で……見たところ傭兵メイジのようだけど、どう?お金は出すから私に雇われてみない?」
「断る。俺はすでに契約を交わしている。それに俺はこの主が気に入ってるんでね」
かすかにその言葉にタバサが反応した。だが俺以外気づいていないようだ。
後、こんなやつに仕えるのはいくら金を積まれようとごめんだ。
「そう、変わったやつね。こんな人形娘のどこに気に入る要素があるのか分からないけど。まぁいいわ。本題に入るわよ」
そしてその後、俺たちはアルデラ地方、ゲルマニアの国境沿いにある黒い森の一角にあるエギンハイム村に向かった。
もう少しで村に着きそうになったとき、村の方から音が聞こえた。
何かがあったらしい。俺たちは急いで駆けつけると村人たちが翼人にトドメをさそうとしていた。
その様子を見たタバサが飛び降り魔法を使う。
雪風が翼人を襲う。
その後すぐに翼人が反撃をしてくるが俺はタバサに
「堅牢なる守護を、バリアー」
防御呪文をタバサにかける。タバサの周りに見えない壁ができ翼人たちの攻撃を防ぐ
そして少しの攻防のすえ両者十五メイルほど距離をおいて対峙した。そして睨み合う。
「やめて!あなたたち!森との契約をそんなことに使わないで!」
悲鳴のような声が響く。
翼人たちは、上を見上げる。長い亜麻色の髪をした美しい翼人が上からゆっくり降りてくる。
「アイーシャさま!」
そう叫びうろたえ始める翼人たちの隙をタバサは見逃さない。
呪文を唱えようとした時、唐突に腕を掴まれた。
「お願いです!お願いです!杖を収めてください!」
緑色の胴衣に身を包んだやせっぽっちの少年が震えながらタバサの腕を掴んでいた。
アイーシャと呼ばれた美しい翼人は
「ひいて!ひきなさい!争ってはいけません!」
その声を聞いて翼人たちは森の奥に消えていった。
その場にいた村人たちは呆然としていたがようやく一人が立ち直り。
「も、もしかしてお城の騎士さまで?」
コクリと頷きながら
「ガリア花壇騎士、タバサ」
「皆!騎士さまだ!お城から花壇騎士さまがいらしてくれたぞ!」
「「「「おおーーーー!!!」」」」
それから最初に立ち直った村人がタバサの腕をつかんだ少年を殴り飛ばした。
「この罰当たりが!騎士さまの腕から手を離せ!おまけに魔法の邪魔をするたあなんてことだッ!」
「騎士さま、早速連中をやっつけてくださいってどうなさったんで?」
ぬぼーっと立ち尽くして動かないタバサはゆっくりお腹に手を当て
「空腹」
と言った。
その後タバサは村人に連れられて村に向かった。
その様子をシルフィードとともに上空から見ていた俺はシルフィードに村の近くに降りるように言って降りた先でもらった軽食をシルフィードと半分に分けて食べてから。
「どうやらさっきの様子を見る限りじゃ、今頃タバサは食事中だな」
「きゅい!お姉さまご飯食べてるのね!?じゃあ私も行くのね!」
「待て、お前さっき飯食ったばかりだろ。それに村にいきなり竜が現れたら村は大騒ぎになる」
「きゅいー、でもお姉さまの所に行きたいのね」
「行ったら多分ごまかすためにガーゴイル扱いされると思うぞ」
「きゅい!?それは嫌なのね!」
シルフィードを説得してしまったが、さて、少しかわいそうだがゲルニカにでもがんばってもらおう。
しばらく暇を潰した後。
「そろそろタバサのところに行くか」
「きゅい、やっとなのね」
そして俺たちはタバサのいる部屋に向かい窓をノックする。
「タバサ、今大丈夫か?」
コクリと頷き窓を開ける
そして俺が中に入るとシルフィードが
「お姉さま!私もきたのね!」
と言うシルフィードをゴツンと杖で叩く
「静かに、誰か来た」
「きゅい!?」
そしてドアがノックされ
「誰?」
とタバサが言う。
「ぼ、僕です……。ヨシアです」
昼間、タバサの詠唱の邪魔をした緑の胴衣を着たほそっこい少年だ。
「何のよう?」
「ちょっとお話が……」
「明日にして」
「お願いです。今、話したいんです」
タバサはドアを開け。
「入って」
ヨシアは部屋に入り窓から顔を覗かせてるシルフィードに驚いたあと俺に気づく。
「あの貴方は?」
「タバサの従者、アルだ」
「騎士さまのお供の方でしたか」
「用件は?」
とタバサが聞く
「あ、はい。実は……」
ヨシアの話を簡潔にまとめると
翼人たちは新しい家族が増えたためライカ欅に家を作った。村人たちはライカ欅を切らなくても生きていけるようだが、あそこの欅は高く売れそうだと騒ぎ始め翼人たちを追い出そうとしてるらしい。もともと森に住んでたのは翼人のほうらしいが……
タバサは母親の命がかかってるからそう簡単に頷けないようだ。
話をしてると窓から
「ヨシア」
「アイーシャ!?」
タバサと俺は戦闘態勢になる。
「か、彼女は危害を加えに来た訳じゃないんです!」
「?」
「私、ヨシアに会いに来たんです」
そして俺たちは二人の話を聞くことになった。
二人は恋人でたまたま森で怪我を治したことからきっかけに恋人になっていったようだ。なんともベタな。
そしてアイーシャは今回ヨシアにお別れを言いに来たようだ。
翼人たちは争うくらいなら増えなくていいと、場所を移すことを決定したらしい。
ヨシアはタバサにお引き取りください!と懇願するが、タバサは首を縦に振らない。
そしてタバサは杖を持ち始め。
「ヨシアを殺すなら、私を先に殺してください!」
アイーシャがヨシアをかばう。
タバサは
「それでいく」
「「?」」
二人は突然の言葉にわけが分からないといった様子。
俺はフォローを入れとくことにした。
「タバサは翼人たちとお互い協力しなければできないことがあるのを村の連中に見せつけようと言いたいらしい。それでいいかタバサ?」
俺はタバサのほうに向くとコクリと頷く。
「アル、凶暴そうな召喚獣はいる?」
「ああ、だが今回は誤解を招かないようにシルフィードは隠れてないといけない」
「「?」」
二人はさらに首をかしげることになった。
翌朝……
「迷い込んだ火竜が暴走しているだって?」
村は騒然となった。
今、村ではアルの召喚したゲルニカが村人や建物に被害が出ないように暴れていた。
「ぐおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
と吼え小さくブレスを吐く。村人を驚かすのには十分だ。
村人は急いでタバサの元に向かう
「騎士さま!村に竜が現れ大変なことになっております!」
そしてタバサは竜と対峙する。
ちなみに俺は隠れてこっそりゲルニカに指示をだしてる。
タバサは
「精神集中、一呪入魂、仇敵殲滅、雪風魔法。静まれ!火竜!」
なんだそのセリフ。芝居するにしても何とかならなかったのか……
そして俺は軽めにタバサにブレスを吐くようゲルニカに伝える。
「がぁぁぁぁぁぁぁ!!」
とゲルニカがタバサにブレスを放つ。
「最強呪文!風棍棒!」
いや、ただのエア・ハンマーだし……何?風棍棒って。村人たちも最強なのに棍棒?とか言ってるぞ。
エア・ハンマーはブレスの炎を散らしながらゲルニカの頭に当たる。すまんゲルニカ耐えてくれ。
続けてタバサはウィンディ・アイシクルを放つ。俺はゲルニカに空に逃げるよう指示をだす。
空にとんだゲルニカをタバサは追う
「騎士とて飛ぶ。飛ぶ騎士である」
もう何がなにやらわからないセリフだ。タバサは演技が下手なんだろうか?
だが本人はノリノリである。意外な一面を見た……
だがフライの魔法中は他の魔法が使えないのでゲルニカの攻撃を避けるだけのタバサに村人が
「騎士さま!反撃の呪文を!やられちまいますよ!」
「今はフライの呪文を唱えてる。別の呪文を唱えることはできない」
ならなぜ空に飛んだのかといいたくなるが、まぁ今は芝居だしな……それでも変だが
そしてゲルニカにタバサを軽めに攻撃するよう頼む。ブレス以外の物理攻撃で
ゲルニカはタバサに体当たりしてタバサは吹き飛ばされ地面に落ちていった。
「騎士さま!」
「そんな……」
そして村人が落ちてきたタバサに
「ふ、不覚……。かたじけない……」
「あの火竜に弱点はないんですか?」
「足の裏に矢が刺さっていた……あれのせいで暴走していると思われる……あれを抜けば正常に……なる……はず……ガク」
もうセリフに対してつっこむのはやめよう……
村人はあんなところにある矢をどうやって抜くんだと絶望してると
「罰が当たったんだよ!」
とヨシアが叫ぶ。
「翼人たちを追い出そうとしたから!罰が当たったんだ!これでわかっただろう?住む場所を追い出されるってことが!」
「うるせえ!それとこれとは話が別だ!」
「別じゃないよ!協力し合うって選択肢もあったはずさ!そうすれば、あの火竜だってやっつけられるはずなんだ!こうやって!」
とヨシアが叫んだ瞬間茂みから一斉に翼人が出てきた。
「てめえ……やっぱりその鳥モd「今はそんなことを言ってる場合じゃない!いいから僕たちにまかせて!」っておいそんなんじゃ落とされちまうぞ!」
アイーシャはヨシアを持ち上げ懸命に飛ぶがよろよろとしてしまう。
翼人は矢でゲルニカの注意を引きながら幻惑するかのように飛んだ
「グギャアアアアアア」
と咆哮して暴れるゲルニカの足が、手前に突き出される。まぁそう指示したんだが……
その隙を逃さずアイーシャは近づき、ヨシアは、ゲルニカの足に飛びつく。
矢にぶら下がって矢を抜くがヨシアは地面に落ちていく。そしてアイーシャが空中で受け止めた。
その様子を見ていた村人から歓声が沸いた。
俺はゲルニカに遠くに飛んでいくよう指示をする。
「ぐるるるるるる」
と鳴きながらゲルニカは飛んでいった。すまんゲルニカ、今度マルトーさんにお前の飯作ってもらうよ。
その後、ゲルニカの頭をなでたあと還した。
三日後
アイーシャとヨシアの結婚式が行われた。
今回の一件で村人たちは考えを改め、翼人たちと和解した。
俺はタバサと合流してシルフィードに乗って飛び立つとアイーシャとヨシアが追いかけてきた。
「本当にありがとうございました!!このご恩は一生忘れません!!」
そして二人はしばらくの間お礼を言った後、花束を投げて村に戻った。俺は花束をキャッチした。
一応タバサに渡そうとすると
「いらない」
「じゃあ私の頭に飾って。お兄さま。きゅいきゅい」
俺はシルフィードの頭に花を飾る。
「あの竜は大丈夫?」
「ああ、ゲルニカのことなら心配はいらない。少し不満そうだったけど」
「そう、ならいい。お礼言っておいて」
「わかった」
そう話した後、シルフィードが
「それにしても結婚式とっても綺麗でしたわね!お姉さまも誰かと結婚なさればいいのに!そしたらシルフィードも着飾るの!花でいっぱい着飾るの!きゅいきゅい!ああ、まずは恋人ね!恋人ってすてき!こ!い!び!と!きゅいきゅい!」
まだこの歳で結婚は早いんじゃないか?と思うが……
そしてシルフィードが
「どうせなら、お兄さまと結婚すればいいのね!きゅい!とってもお似合いなのね!」
それを聞いたタバサは少し顔を赤くする。
「まだ幼竜なのにませてるなシルフィード」
「でもお兄さまならお姉さまを幸せにできそうなんですもの!きゅい!」
「まぁまだタバサに結婚は早いだろうし、俺なんかより良いやつが見つかる可能性だってあるさ」
そんな会話をしながら俺たちはトリステイン魔法学校に帰った。
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ワイヴァーンは前に出たので今回はゲルニカになりました。
主人公は裏方?が多い気がします。もっと前に出していこうかと考え中です。
では誤字・脱字・感想・アドバイス等をお待ちしております。
後書き
最初の方は裏方の多い主人公?
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