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働かねば。

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辞めねば。

僕の名前は佐々木 紬。若いながらも、とある会社の幹部をやっている。
父親はその会社の社長で母は政治家、政略結婚だが、妻もいる。
そんなエリートの家系で生まれた僕は、その血筋に泥を塗らないように頑張ってきた。親の七光りだと蔑まれても日々努力我慢を続けてきた。
逃げない、しょげない、泣いちゃダメ。
それが僕の座右の銘だ。

そんな会社に奉仕してきた僕だけど、今、僕は人生最大の危機を迎えている。
何故か?それは簡単に説明できる。


親が夜逃げしたのである。

理由は不明。会社の業績が低迷していたわけでもない。母親も政治関係で何かスキャンダルがあったわけでもない。なのに何故か二人は会社と息子を残して消えてしまったのだ。

結局、親父の後を、継いだのは僕だった。幾つか社長に立候補していた社員の人は何人かいたけど
社長の息子という理由で結局僕になった。
んで、いきなり社長になったわけだが、僕は死ぬほどがんばった。仕事でお世話になった先輩や慕ってくれる後輩のおかげで、なんとか前よりも業績は徐々に上がっていき、これからだ!という矢先に。

僕の元に一通の封筒が送られてきた。

封筒の中には一枚の写真と手紙が入っていた。

そしてその写真に写っていたのは。






薙刀を担いだ虚無僧とアロハシャツを着た両親の姿。
そして背景には海と夕日とココナッツの木。

そして手紙にはこう書かれていた。


「敗北を知りたい」



私は退職届けを出しました。

あんなろくでもない親の作った会社で働けるか、ボケ!とおもいました。
しかし、会社をやめてしまってはまずい。僕は何よりも仕事が生きがいでしたから仕事のない生活など、ご飯のない食事のようなものです。じゃあ何故、会社をやめたのかって?親がクズだからです。
ですが現実は厳しい。今日もまた一件行きましたが、手応えがありません。
やはりこの不景気のなか、定職に着くことは何よりも難しいようです。

そして、今日もまた一件、これから面接に向かいます。
もうなんでもいいです。働ければなんでもいいです。バイトでもパートでも定職じゃなくてもいいです。本当にお願いだから働かせてくれ••••••働きたい••••••働きたい••••••


「働きたいぃぃぃぃ••••••」

あ、そんなこんなで着きましたね。

えっと••••••名前はたしか••••••ファミリーレストラン「ワグナリア」

どうか、お願いします。バイトでもパートでもいいですから、働けますように••••••

例えそこが変人ばかりの職場でも僕は••••••



「んで••••••お前が、うちに入りたいバイト希望の奴か」


目の前の目つきの悪い女性に言われ、僕は若干ひるみながらも返事を返す。

「は、はい!佐々木紬です!よろしくお願いします!!」
彼女は店長なのか?確かに店の店員さんと衣装ちがうし、なんか偉そうだしそうなのかなぁ••••••
そんなことを考えていると 店長(?)は僕が渡した履歴書に目を通しながら口を開いた。

「お前••••••」

な、何を聞いて来るんだ?前の会社では何をしていたか?どうしてここを希望したのか?自分の長所と短所を教えてください。
どれだ••••••どれでくるんだ?まずい、緊張してきた••••••トイレ行きたいよぉ••••••


「あー、めんどくさい。いいや、採用で」


•••••••ファッ?

「えっと••••••へ?」

「採用。担当はホール。週5で入ってもらうけどいいな?」


採用。その言葉聞いて僕は唖然としていた。
採用?僕が?やった••••••やった••••••

「やったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


苦節20年。佐々木紬、にもついに春が来ました。
ファミリーレストラン「ワグナリア」
こうして僕の新しい日常がはじまったのです。
そう••••••これが激動の始まりだということは今はまだ知らなかったのです。 
 

 
後書き
プロローグということもあり、難しかったです。
さて、あとがきということもあり、これから先は私の駄文に付き合っていただきますがご了承ください。
まずですね 
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