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万華鏡

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第六十五話 ハロウィンに向けてその一

                  第六十五話  ハロウィンに向けて
 阪神は日本一になった、その翌朝。
 琴乃は起きるとベッドの中にいた、そこで五人まとめてまさにゴンズイの様に絡まってそれで寝ていた。その中で起きてだ。
 頭に鈍い激痛を感じた、そのうえで四人に言った。
「生きてる?」
「・・・・・・何とか」
「とりあえずね」
「うう、このままだととても学校行けないから」
 それでだとだ、琴乃は言うのだった。
「ちょっとね」
「ちょっとよね」
「今はね」
「そう、お酒抜いてね」
 そうしてだというのだ。
「お風呂でね」
「そうしないとこれは」
「お風呂場行くだけでも大変だけれど」
「とりあえずお酒抜いて」
「それからだよな」
「うん、学校行こう」
 こう言ってだ、そのうえで。
 琴乃も他の四人もだ、死にそうな顔で何とかベッドから出てだった。
 風呂場に行く、そこで母に会った。母は琴乃達を見て呆れ返りながらもやれやれといった顔でこう言ったのだった。
「お風呂入るわよね」
「入っていい?」
「もうお父さんが入って出たけれど」
「あっ、お父さんもなの」
「実は昨日相当飲んでたのよ」
 何故飲んでいたのかは言うまでもない。
「それでね」
「お風呂入ってるのね」
「だからあんた達もね」
 入ればいいというのだ。
「全く、傍から見ても飲み過ぎよ」
「だって阪神が日本一になったから」
「わかってるわよ、けれどね」
「飲み過ぎっていうのね」
「そう、そこは気をつけなさいよ」
「吐き気はしないけれど」
 それでもだと言う琴乃だった、死にそうな顔で。
「結構以上にね」
「二日酔いがきつくてよね」
「頭がね」
 痛くて仕方がないというのだ。
「割れそうよ」
「馬鹿みたいに飲むからよ」
「その言葉もね」
 頭にだ、響くというのだ。
「うう、何とかお風呂で」
「まだ時間はあるから」
 登校までだ、それでそれまでにというのだ。
「五人共お酒抜いてきなさい」
「あとお酒の匂いもよね」
「そう、身体を洗ってね」
 そうしてだというのだ。
「そっちも何とかしなさい」
「わかったわ」
「とにかくね」
 今はというのだ。
「学校行くまでにお酒抜きなさいよ」
「わかったわ、じゃあね」
 五人で既に湯が入っている風呂に入った、そこでだった。
 身体を洗い水のシャワーも浴びてだった、湯船にも浸かる。ここで彩夏は生き返る顔でこう言うのだった。
「いやあ、琴乃ちゃんのお家のお風呂も広くて」
「いいのね」
「うん、広いから」
 それでだというのだ。
「一度に何人も入られるからね」
「というかね」
 ここでだ、こう言った景子だった。
「無理したら五人でも入られるからね」
「いいよね」
「やっぱり一度に入られるとね」
 湯船の中にだというのだ。
「いいわよね」
「そうよね、お湯の中に入るのがね」
 それがだというのだ。
「一番お酒が抜けるから」
「汗抜けてね」
「まず冷たい水を頭から浴びて」
 里香が言う。
「それで熱いお風呂に入るね」
「お風呂の温度熱くしてるからね」
 琴乃が温度設定を壁についているボタンでしながら言う。
「こうしてね」
「うんと熱くね」
「そうして」
「それが汗をかくし」
 それにだった。
「時間も少なくて済むから」
「時間はあってもね」
 里香もその設定する琴乃に言う。 
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