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孤独の水の支配者

作者:Naho
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花咲学園
不思議な都市
  ―隠される力 2―

朝ごはんも食べ終え、


必要な物も全て持つとお祖母ちゃんに別れを告げて


あたしたち〝三人〟は仲良く?これから通い始める学校に向かい始めた


グラン「今度ばかりは私も楽しみだな~♪」


萌依「人間界の勉強はどうでもいいとか言ってたくせにね」


グラン「萌依静かに」


あたしがいつも部屋で頑張って勉強してると、


そんなのやんなくたっていいじゃんとか悪魔みたいに囁くくせに・・・


・・・どうせコイツ、真面目に授業を受けようとか思ってないのに


雪斗「ていうか姉ちゃんさ、グランをこっちに出してて大丈夫なの?」


萌依「逆にぶっ倒れたいぐらい。


何年もこっちに出したままなのに力はなーんにも変わらないし、


姿を変えてもどうってことない」


少しは変わるかと思ったんだけどなぁ


・・・やっぱそう簡単にこの体から能力を取る事は出来ないのかなぁ


能力が取れればそれはそれで嬉しいけど、


アリゼウスみたいなクソ野郎達だけには渡したくないわ


まぁ・・・どうせ14の力が揃ったとこでアイツらにどうこう出来るとは思わないけど


グラン「けどさ~・・・不思議よね。


私も少しは萌依の身体に負担が掛かるんじゃないかって思ってたんだけど・・・」


萌依「全然、ピンピンしてるよ」


雪斗「だろうね。今日の朝も嫌味言ってきたし」


萌依「え、待って。嫌味とこれは違うでしょ」


雪斗「いいや違わない!」


萌依「はあ・・・?」


嫌な程ピンピンしてるけどさ、


今朝の嫌味とこれはどう関係してるっていうの・・・?汗


グラン「あーはいはい、喧嘩しないのー」


萌依「喧嘩してるつもりはないんだけどなぁ」


雪斗「別にいいし。料理出来なくたって他に出来る事はある!!((キリッ」


・・・いいや、雪斗は放っておこ←


こいつが何か一人でぶつぶつ言ってる時は放置が一番(笑)


グラン「それで私は萌依と同じクラスなんでしょ?」


萌依「分かれたとしても超能力で勝手に変えるくせに」


グラン「あったりまえじゃない!何かあった時どうするの!?」


・・・ほらね←


ただたんに何かあった時とかじゃなくて、


私と一緒にいればあんまり話しかけて来ないとか思ってるんだよコイツは←


前にコイツが独り言でブツブツ言ってた時に盗み聞きしてたもん←


そして私はばっちりとこの耳で聞いたよ←


萌依「はいはい」


雪斗「あ~あ・・・いいなあー!


姉ちゃんとグランは一緒のクラスで、俺だけ一人・・・悲しいわ」


グラン「それだったら昼休みとか、三人で集まればいいじゃん」


萌依「えええー・・・昼休み寝たい・・・」


雪斗「えええ!?姉ちゃん一日10時間も寝れれば十分だろ!?」


萌依「十分じゃないし!!」


10時間寝てもそれでも眠いんだよ!?


どうしてかは分からないけど!!!!


あたしも理由が知りたいぐらいなんだけど!!!


グラン「萌依、本当病院行って看てもらいなよ?」


萌依「何科?」


グラン「不眠科」


雪斗「ないわ」


・・・なんか今日は、天気が気持ちいいなぁ←←



雪斗「あ~着いたー」


その後も一向に止まらない雪斗とグランのボケツッコミを軽く流して


なんとか学校に到着すると門を潜った時点で、


グランディーネと目を見合わせた


グラン「・・・わお・・・」


雪斗「?」


萌依「・・・・」


何かこの学校、変


門を潜った時、結界かバリアのような物が貼られていた気がするんだけど・・・


・・・あたしの気のせいってわけじゃないよね。


グランディーネも気付いたって事は・・・結界が貼られてるって事?


雪斗「どうした?」


グラン「雪斗は気にしないで」


雪斗「?・・・変なの」


・・・雪斗は何も感じなかったって事は、


普通の人間には何も感じなくて・・・


あたしとグランディーネには感じたってことは・・・この学校、何かある


萌依「・・・職員室行くか」


グラン「ここ絶対迷いそうー」


雪斗「俺もー」


・・・この学校に何があるのかは知らないけど、


嫌な予感しかしないのは・・・あたしだけなのかな。



*****



昇降口に立っていた先生に職員室まで案内して貰うと、


あたし達は廊下で担任の先生が出てくるのを待っていた


萌依「グランディーネ、いい?あんたはここではあたし達と同じ『人間』なんだからね?」


グラン「はいはーい!大丈夫ー」


雪斗「大丈夫じゃねーだろ絶対・・・」


グラン「これでもこの姿は慣れてますよ~」


・・・よく言うよ。


前だって水泳の授業があった時、


勝手にプールの中に飛び込んで・・・プールの水で色んな事してたくせに・・・。


水で作った幽霊を作ったりして皆を怖がらせて・・・。


もう本当・・・その後のお祖母ちゃんの怒りは凄かったけどもうあの時は本当最悪だったわ・・・。


萌依「いい?あたしは二度と使わない気でいるから。」


グラン「はぁ・・・。制御が強くなった今、あんたが封印を解かなきゃ私は使えないってのに・・・」


萌依「へえそう。それは良かった」


いくら聖獣だとしてもやりたい放題だと逆にこっちが困る


その内・・・アリゼウスにも居場所を感知されそうだし・・・


雪斗「にしても先生、遅いなぁ」


グラン「何かあったみたいだしね」


萌依「ふ~ん」


「「ガラッ」」


いきなり勢いよく開いたドアから一人は多分、三十歳前半の先生と


もう一人髭を少しだけ生やした赤髪の先生が出てきた


1「待たせてごめんね~えっとー・・・雪斗君、っていうのは君かな?」


雪斗「はい」


1「それじゃあもう少しでホームルームも始まるだろうから行こうか」


雪斗「はい。・・・それじゃあ二人とも後で」


グラン「ファイト~」


萌依「後で」


礼儀正しくペコっとお辞儀をした一人目の先生が雪斗を連れて行くと、


赤髪の先生があたしたちを見た


2「え~っと・・・水蓮寺萌依さん、はどっちかな?」


萌依「・・・」


グラン「あーえっと・・・この子です。そして私が『ラン』です」


2「あーなるほど」


何も答えなかったあたしを二度見した先生が生徒簿に目を向けると、


グランディーネが肘で突っついた


・・・あたしが自分からは話さないって事、知ってるくせに


御門「俺は御門総司(みかど そうし)、俺の受け持つクラスは運動クラスだ。よろしく」


グラン「よろしくお願いします」


萌依「・・・・」


・・・運動クラスって何、どういう事?


普通はどのクラスも均等になるように編成されるんじゃないの?!


御門「それじゃあ行こうか」


優しく微笑んだ御門先生の後ろを着いて行くと、


階段を上がったりそのまま真っ直ぐ歩いたりまた階段を登ったりで


この時、あたしは確信した


こ の 学 園 で 迷 う は ず が な い と!!!!!


御門「君たちには後でこの学園の地図を渡さなくちゃね」


グラン「あはは・・・け、結構・・・広いですね」


御門「まあ・・・一年、二年経てば何処に何があるか分かるよ・・・」


・・・御門先生、はっきり言うけど全然説得力ないよ?!


先生も絶対、何度か迷ったでしょ!?


二年経っても絶対に迷ってたでしょ!?


語尾がだんだん小さくなってたよ?!


御門「それじゃあ・・・皆集まってるみたいだから、そのまま行こうか」


・・・まじですか。


出来れば心臓だけでも静かにさせたいんですけど←


グラン「あ、はい」


合図とか「開けるよ」とかそういう事を言わなかった御門先生の後を追ってグランディーネがあたしの手を引っ張ると、


逃げる事も出来なくてちゃんとドアを閉めると嫌な視線を無視してグランディーネの横に立った


御門「お~い、ホームルーム始めるぞー。


まずは転入生を紹介する」


チョークを持った先生が黒板にあたしとグランディーネの名前を書いていく


御門「はい、右がランさんで左が水蓮寺萌依さんだ。」


・・・よし、そのままあたしを椅子に座らせて下さい←


御門「それじゃあ・・・自己紹介でもして貰おうかな」


・・・先生、呪うよ?


まじで先生呪うよ?


先生が水飲んでる時にでも水の飲みすぎて殺すよ??!


御門「どっちからでもいいからどうぞ」


萌依『先言え』


グラン『うっわあ・・・普通はそっちからでしょ!?』


萌依『先・言・え』


ニコッと微笑んだまま頭の中で言うと眉間に皺を寄せたグランディーネが小さく溜息をついて言った


グラン「えっと・・・初めましてランって言います、早く馴染めるように頑張りますのでよろしくお願いします」


グランディーネが軽くお辞儀をするとクラス中から拍手が起こると、小さく肘で突っついたグランディーネに頭の中で嫌味を言いまくると一つ溜息をついてから静かに顔をあげた


萌依「水蓮寺萌依です。」


あたしが自分の名前だけを言うと、


クラス中が一気にシーンと静かになってあたしの隣にいたグランディーネがひたすら笑いを堪えていた


御門「・・・えと、はい、拍手」


先生の声でようやく拍手が起こると


声からして焦っている御門先生が生徒簿を見ながら言った


御門「えっとー・・・二人の席だけど・・・窓側の一番後ろとその前が空いてるんだけど、どっちがいいかな?」


グラン「どt((「後ろ」・・・ですよねー」


そう言って教卓の横から空いた席に向かって歩き出すと、


あたしの後ろで苦笑いをするグランディーネが分かってたように前の席に座る


御門「・・・あ、えと・・・まあこれで紹介も終わって次は連絡事項だ」


「なあにあの子・・・感じワル~」


「上から目線って感じー」


「性格さえどうにかなればいいんだけどな~」


「一緒にいるやつが可哀想とか思わねーのか?」


「さあな」


周りから聞こえ始めるうざい声に、


あたしはひたすら無視した


こんなのもう慣れたから。


この世界で期待するあたしがバカだなって思えば


どんな嫌な言葉でも簡単に無視する事が出来た


御門「――――以上だ」


先生が最後に「解散」と言うと、


早速前に座ってるグランディーネが体全部を後ろに向けた


・・・この学園、あたしは絶対好きにはなれないわ 
 

 
後書き
グランディーネ

人間界では『ラン』

・萌依の聖獣で、萌依が力を無くす為に本来ならばグランディーネがいるはずの世界からこっちの世界(人間界)に呼んで、姿・形を変えて萌依の傍にいる 
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