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SAO ~青の剣士達~

作者:ルチル
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第2部 ALO
  33話 ALO最強vsSAO最強

僕達は現在、領主会議の場である蝶の谷へ向かっている最中である
きっかけは、サラマンダーから聞き出した情報
その情報によればサラマンダーが領主会議に乗り込むらしいのだ
それを止めるため僕達は全速力で走っている
途中でモンスターがポップするが無視する
これは思いっきりマナー違反であるが、今は緊急事態のためそんなことはお構いなしだ
リーファは僕達よりも敏捷度が低いので兄さんが手を引っ張っている

「お、お兄ちゃん!速すぎ!」

「面白いだろ?」

「面白くなんか無い!」

これはスピードホリックといわれるリーファでも無理だったようだ

「兄さん!前!」

僕は兄さんに注意を促し、羽を広げる
兄さんもその言葉に従い、羽を広げ、リーファの手を離す

「し、死ぬかと思った.....」

「こんなの序の口だと思うけどね......」

「う、うそでしょ?」

「ほんと」

僕の言葉にリーファは絶句する
兄さんはなにやらユイちゃんに話しかけていた
僕はその様子をちらりと見てスピードを上げる
兄さんもリーファも同じようにスピードを上げて飛び始める

しばらく飛んでユイちゃんが声を上げる

「前方に大量のプレイヤー反応があります!接触まで後五十秒です!」

「げ!そんなに時間無いのかよ......タクヤ、リーファ、先行く」

それだけ言い残してスピードをさらに上げる
僕達も置いて行かれまいとスピードを上げる
兄さんは僕達の先を行き、地面に降り立った
次の瞬間、大きな声が響き渡る

「双方、剣を抜け!」

その声はよく通り、場を通り抜ける
僕達も続いて地面に降り立つとサクヤさんが近づいてくる

「リーファ、タクヤ!」

「サクヤ!」

「これは一体.......」

「「すべては、兄さん(お兄ちゃん)しだいです(ね)」」

「に、兄さん?」

「リアルで兄なんです」

「指揮官に話がある」

その言葉に促されるように一人の男が姿を現す
その男は<<魔剣グラム>>をもつユージーンだった

「お前は?」

「俺の名はキリト。スプリガン・ウンディーネ同盟の大使だ」

その言葉に周りがざわつく

「兄さんらしいや......」

「なに、うそついてるの.....」

僕達はあきれ返るが、それもいつもの事

「護衛もつけていないおまえが大使だと?」

ココまで来たら僕達がとる行動はひとつ
兄さんの手助けをする事
僕達は顔を見合わせて前へ出る

「護衛は僕達です」

「リーファ?!タクヤ?!」

「そのスプリガンに頼まれ、あたし達が護衛と案内をしました」

「ほう.....シルフで有名な君達がこのスプリガンの護衛をするとは.....いいだろう。
貴様が俺の攻撃を三十秒耐えたら貴様を大使と認めてやろう」

「ユージーンさん、それでいいんですか?言っておきますけど、彼は――兄さんは僕達より強い」

「そうよ!お兄ちゃんのほうが何倍も強いんだから!」

「あの.....タクヤ....リーファ.....そこまで言わなくとも.....」

「「兄さん(お兄ちゃん)を侮辱されるのは弟(妹)としてむかつく!」」

「な、なんとも息の合った発想で.....」

僕達の会話に周りが静かになる

「に、兄さん?」

「まあ、リアルで弟と妹だ。大変、サラマンダーにはお世話になったようで......」

そういう兄さんは笑ってはいない

「君達より強いとは......面白いな......首を取る事にするよ」

「タクヤ、リーファ、余計な事を」

「大丈夫!一万人の頂点である兄さんが負けるはず無い!」

「その自信はどこからです?」

「分からない!」

僕の答えに兄さんがずっこける

「ま、まあいいや。それじゃ、やろうか」

ユージーンさんは魔剣グラムを抜き、構える
兄さんもエリュシデータを抜き、いつもの体制へ

「そんな剣見たこと無いな......」

「当たり前だ。これは俺の愛剣だからな......しばらくは様子見させてもらう」

「ずいぶんとなめられたものだな....行くぞ!」

黒と赤...........二つの色が混じる

「なにあれ......すごすぎ......」

隣のリーファがつぶやく

「まだ、兄さんは本気出してない.....その証拠に兄さんはまだあの剣を抜いてない」

「あの剣?」

「そのうち分かるよ」

魔剣グラムの特性が発動し、エリュシデータをすり抜ける
兄さんは驚き、ダメージが入る

「何だよ?その能力......」

「この剣の実力を見てもなお本気を出さないつもりか?」

「いや.....そろそろ、行かせて貰うよ」

そう言った兄さんの気配ががらりと変わる
周りはその気配に圧倒され、一歩下がる
もちろん、ユージーンもだ

「これからが、兄さんの本当の実力」

僕の言葉に押されるように兄さんは駆け出す
ユージーンさんはそのスピードに驚きつつも剣を止める
二人はいったん離れる
兄さんは魔法を発動させ、周りが黒い靄に覆われる
その時かすかに見えた
兄さんがあの剣を取り出しているのを
ユージーンさんは魔法で靄を切り払い兄さんがいた場所へ駆け出すが兄さんはそこにはいない

「逃げたのか!」

誰かが叫んだが僕達は否定する

「「兄さん(お兄ちゃん)が逃げるはず無い!」」

僕はふと思いついて上を見る
リーファもそれにつられて上を見る
太陽に重なるように一人の人物
その手には二振りの剣を持ち飛ぶ黒い影
姿は違えども、その姿はかつての面影を連想させる

「リーファ、よく見ておきなよ。あれが兄さんの本当の実力。
SAOで名をはせた最強のソロプレイヤー<<黒の剣士>>キリトだ。
そしてSAOプレイヤーの頂点に君臨する剣士の姿を」

「お兄ちゃんがSAOの頂点?」

「そう。SAOをクリアした張本人」

兄さんは真っ直ぐ降下してくる
ユージーンさんが気がついたときにはもう遅い
ここからは兄さんの独壇場だ
あの剣達を手にした兄さんに勝てるのはもう誰もいない
ALO最強など兄さんの足元にも及ばない事を思い知らせてやれ!
と普段考えない事を考えてしまった

兄さんの剣は速度を増す
ソードスキルは無くとも、あの速度を出せる兄さんに感心する

「あの軌道だと、スターバースト・ストリームかな」

兄さんの十八番
二刀流の中でもっとも多く使っていた技
そして時々織り交ぜられる数々の片手剣のスキル
アシスト無しでも体に染み付いているんだろうな......
と感心せざるを得ない


「すごい.....」

周りもその圧倒的な剣術に声も出ない
ユージーンさんはそれをだんだんと防げなくなってきた
時々、魔剣グラムの特性が発動するが、それも一本目をすり抜けた事で二本目はすり抜けられない
どんどんと、ユージーンさんが追い詰められ、ついにHPはゼロとなり、リメインライトと化す
兄さんはいつもの通りに左右に剣を振り払い、背中に収めていく

「えっと......だれか蘇生頼む」

兄さんの声に我に返り、ユージーンさんは蘇生された
周りは歓声を上げる
ユージーンさんは立ち上がり兄さんと握手する

「見事だった。貴様は俺が見た中でも最強の剣士だ」

「そりゃどーも。それで認めてくれた?」

「ああ。こちらにしても四種族とは事を荒立てる気は無い。帰るぞお前ら」

ユージーンさんはサラマンダーの人たちを連れて帰って行く
兄さんはこちらに向かってきた

「ふう。意外と疲れたな」

「でも、楽しそうだったね」

「まあな.....タクヤ、リーファ.....さっきのはどういう事かな?」

「あ......えっと......」

「まったく......事を荒立てて......」

「でも、そのうちああなることは分かってたでしょ......」

「確かにな」

僕達は笑い始める

「えっと.....どういうことだか説明してもらいたいんだが......」

僕達はサクヤさんに事情を話す
サクヤさんは驚きつつも力を貸してくれると言ってくれた
もちろんアリシャさんも手助けしてくれると
その時、気になる子を発見した
その子は僕達の事をじっと見ていた
そして近づくなりこう言った

「タクヤ、キリトさん。お久しぶりです」

その言葉に僕達は固まる

「えっと....君は?」

「ああ。こっちじゃ姿違うんでしたっけ。私はあの剣技を見てすぐに分かりましたよ?キリトさん。
アイリです。」

「あ、アイリ?!まさか、ケットシーだなんて......」

「こっちはサブアカ。本当はプーカだよ。」

「そういえばアイリ、音楽好きなんだっけ」

「うん。でもテイムもしてみたかったからケットシーの方も作ってみた」

「なるほどね。アイリらしいや」

僕とアイリで盛り上がる
兄さんとリーファは戸惑いを隠せない

「タク兄?こちらは?」

「リーファ.....こっちはアイリで。タクヤの恋人」

「......タク兄に恋人?!あ!初めまして!タク兄の妹のリーファです!」

「ふふ.....話には聞いてたよ?アイリです。よろしく」

アイリとリーファが握手する
女の子ってすぐに仲良くなるから不思議
兄さんは資金の足しにしてほしいとサクヤさん達にユドルを渡していたが、その量が半端じゃなかった

「「「ドンだけあるの!?」」」

「多分、アスナと足した分だろうなあ.....まったく.....アイテムとお金まで無くしたら
アスナになんて言われるか......」

いやいや.......アスナさんと足した分だとしてもそこまで普通は無いよ!

「さて、私もいるんだから、一緒に行くよ」

「うん。ありがと。アイリ」

「き、気にしなくていいよ!」

久々にアイリのこの性格見た気がする

「それじゃ、出発!」

こうして無事に領主会談は終了した
僕達は仲間にアイリを加え、再び世界樹を目指した 
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