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久遠の神話

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第九十九話 四人の決断その二

「貴方達にはもう降りてもらいます」
「強引に決められましたね」
 大石は声の方を見て言った。
「今回は」
「それでもです」
 強引であることは自覚している、だがそれでもだというのだ。
「私は力を手に入れたいのです」
「だからこそですか」
「ここでは」
「そうです、貴方達には最後の闘いをしてもらいます」
 そしてそのうえでだというのだ。
「勝てば貴方達には降りてもらいます」
「そうですか、そう仰いますか」
「その様に」
「貴方達に選択肢はありません」
 ここでもこう言った声だった。
「では宜しいですね」
「拒否権がないのなら何とも言えません」
 これが大石の返答だ、それはマガバーンも同じだ。
「では」
「それではです」
「それで私達の闘いは何時でしょうか」
「その最後の闘いは」
「六日後に」
 その時にというのだった。
「闘ってもらいます。貴方達全員がです」
「私達四人がですか」
「全員でか」
「はい、その場に来てもらい」
 最後の戦場にというのだ。
「闘ってもらい勝てればです」
「闘いから降りてもらい」
「最後は彼がか」
「闘ってもらいます」
 上城のことも言うのだった。
「そう考えています」
「そうですか」
 ここまで聞いて頷いた大石だった。
「では」
「もう戦いはです」
 それはというと。
「終わります」
「力を集め終えるのですね」
「そうです」
 愛する彼を神にするだけの力が集まろうとしているというのだ、声には今は喜びの色も宿ろうとしていた。
「ですから」
「成程な、だがいい」
 マガバーンはここでこう言った。
「彼と闘うのは一人で十分だ」
「では貴方達はですね」
「降りても構わない」
 上城に任せられるというのだ、今の彼なら。
「それならだ」
「ではその様に」
「さて、次はだ」
 さらに言うマガバーンだった、今度言うことはというと。
「私達が闘う相手だが」
「怪物のことですね」
「一体誰かだ」
 その怪物が、というのだ。
「それが気になるがな」
「はい、そのことは」
 この問いにもだ、声は答えた。
「貴方達それぞれで、です」
「決めているのだな」
「その時にお見せします」
「では今はか」
「今お話しましょうか」
「いや、いい」
「私もです」
 マガバーンと共に大石もこう声に答えた。 
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