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外から来た邪

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第十章

 フェリペは深く考える顔でだ、神父に顔を向けて述べた。
「いい経験になりました」
「そういうですね、今回のことは忘れられないです」
 エンリコもだった、その若々しい顔立ちに深い思索を入れて話す。
「本当に」
「そうだな、けれどな」
 フェリペはエンリコにも応えて述べる。
「今回の仕事は終わった、それならな」
「次の仕事ですね」
「次の仕事はな」
 妖怪退治になった今の仕事の次の話になる、その仕事はというと。
「ゴミ掃除だよ」
「スモーキータウンの」
「ああ、それになるからな」
「じゃあ次はあそこに行って」
「掃除だ、いいな」
「わかりました」
 こう話すのだった、そのうえで。
 彼等は今度はそちらに向かうことにした、その彼に神父が言って来た。
「では私もスモーキータウンに」
「あれっ、今回は依頼していないですけれど」
「ボランティアです」
 にこりと笑っての言葉だった、聖職者として赴くというのだ。
「そちらに向かいますので」
「そうですか、じゃあ今回も」
「そちらの清掃は僕も行くからね」
 役人も言う、そして。
 彼も笑顔でだ、スーツの袖をまくる動作をして述べた。
「作業服に着替えて」
「またこの顔触れか。けれど今度は妖怪も出ないだろうしな」
「仲良くやっていくか」
「ああ、それじゃあな」
 こう話してだ、そのうえで。
 四人で席を立ってだ、今度はスモーキータウンに赴くのだった。妖怪退治の後もマニラの何でも屋は多忙だった。


外から来た邪   完


                             2013・12・27 
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