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外から来た邪

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第七章

 彼等は敵が来るのを待った、すると。
 役人の後ろ、彼は今は隠れている三人の方に向かって歩いていたがここでだった。不意に彼の後ろに何かが出て来た。
 それは実に武器だった、大きさは人間程だが。
 服を着ていないのが闇夜の中でもわかった、不気味な緑色の肌に茶色の長い髪、嘴の口に顔の両目のある部分には巨大な単眼しかない。
 その不気味なものがすうっと役人の後ろに出て来た、それを見てだった。
 神父はまずフェリペにだ、こう言った。
「お願いします」
「ああ、いいぜ」
 すぐにだった、フェリペも本能的に反応して。
 銃を放った、銀の拳銃で銀の弾丸を。それはその何者かの胸を撃ち。
 動きを止めた、役人は銃声を自分の背中からの呻き声に驚きようやく気付いた。それで後ろを振り返って叫んだ。
「な、こいつは!」
「下がって下さい!」
 神父はもう飛び出していた、そのうえで。
 それに向かって賭けている、フェりペとエンリコも続く。三人共その手には銀の拳銃や剣、ナイフがある。
 フェリペは駆けながら射撃を続ける、そうしながらエンリコにも言う。
「おい、今はな」
「はい、あいつにですね」
「撃て、とにかくな」
「当てないと駄目ですね」
「当たり前だ、とにかく相手の胸を狙え」
「的が大きいからですか」
「そうだ」
 まさにその通りだとだ、フェリペは前を見て駆けて右手に持っている拳銃を次々に放ちながら言うのだった。
「そうしろ、俺みたいにな」
「わかりました」
「そしてだ」
 そうしてだというのだ。
「後はだ」
「後はですね」
「接近してからだ」
 それからのこともだ、彼は言うのだった。
「ナイフで切れ、とにかく切りまくれ」
「そうしてですね」
「あの化けものを倒せ、いいな」
「何か尋常じゃないですね」
「尋常じゃないのは当たり前だ」
 相手が人間ではない、それなら当然だというのだ。
「だから今はな」
「撃ってですね」
「あいつにダメージを与えろ、いいな」
「はい!」
 エンリコもフェリペの言葉に強く頷いてだった。そうして。
 彼もまた駆けながらそれに対して狙撃をする、彼の射撃は当たらないが相手を掠めてはいた。
 フェリペの射撃は当たっている、神父のものも。そしてその射撃がそれにかなりのダメージを与えていた。
 三人で怯むそれに接近すると詳しい姿がわかった、手の指は三本で爪が禍々しく伸びている。それが武器なのは明らかだ。
 しかし三人はそれが反撃する間は与えなかった、接近すると今度は銀のナイフや剣で散々に斬りつけて。
 最後は神父が相手の心臓に剣を深々と突き刺した、それが止めとなって相手は遂に身体がどろどろと溶けだして最後は泥の様になった。
 それで全ては終わった、だが。
 フェりペは眉を顰めさせて汚い緑の泥の様になったそれを見ている神父に顔を向けて問うた。場にはエンリコと一旦は安全な場所まで逃げたが戻って来た役人もいる。
「こいつは何ですか?」
「はい、まずは私の予想通りだったと申し上げておきます」
「予想通りとは」
「まずは私達がィま戦ったものが何かをお話します」
 それからだというのだ、話は。
「これは影喰らいといいます」
「影喰らい!?」
「文字通り人の影を喰らう妖怪です」
 それがその妖怪だというのだ。
「影を食われた人は」
「死ぬんですね」
「これまでの事件がそうであった様に」
 まさにそうなるというのだ。 
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