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美しき異形達

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第六話 水と氷その七

 二人は携帯のメールアドレスと電話番号を交換し合った、そしてだった。
 まずは怪人が来るのを待った、今はそれしかなかった。
 そしてだ、お互いの携帯のメールアドレスと電話番号を交換した次の日にだった。薊が授業を終えてモトクロス部に向かおうとするところで。
 その怪人が出て来た、今度の怪人はというと。
 蛇だった、青黒い鱗で全身が覆われ長い首とのっぺりとした感じの頭に横についている小さな目、それに牙と長い赤い舌がちろちろと出ている。
 尾は長く手足は人間のものだ、肌の鱗は白い。
 その蛇怪人が出て来てだ、薊に言ってきたのだ。
「さて、言いたいことはわかるな」
「ああ、待ってたぜ」
「待っていただと?」
「怪人、あんたじゃなくてもな」
 とにかく怪人が来ることをとだ、薊は蛇怪人を見つつ笑って言うのだった。
「怪人が出てくれてよかったよ」
「それはどういう意味だ」
「こっちの事情さ、さて」
 ここでだ、薊はというと。
 携帯を取り出した、そのうえで菖蒲に連絡をした。
「あたしだよ、場所はね」
「何処かしら」
「ええと、ここは」
 電話の向こうの菖蒲に応えて今自分がいる場所の周りを見回す、そこはというと。
 チューリップが咲き誇っている、赤や白、黄色に紫のだ。青い新しいチューリップもある。
 そのチューリップ達を見つつだ、薊は菖蒲に答えた。
「チューリップの花壇のところだよ」
「わかったわ、あそこね」
「それでわかったんだな」
「今から行くわ」
 こう言ってだ、そのうえでだった。 
 すぐに菖蒲が来た、薊の話を受けてすぐにだった。
「待たせたわね」
「おいおい、言ってすぐかよ」
「たまたま近くにいたから」
 だからすぐに来られたとだ、今もクールに答えた菖蒲だった。
「深く考えることはないわ」
「そうなんだな」
「ええ、それに私もバイクに乗るから」
 菖蒲は薊にこのことも話してきた。
「移動は速いわ」
「菖蒲ちゃんもバイクに乗るのかよ」
「サイドカーにね」
 彼女が乗るバイクはこれだった。
「お家に昔からあるものよ」
「成程ねえ」
「それでは今からね」
 今度は蛇の怪人を見て言う菖蒲だった、そのうえで。
 右手に何かを出してきた、それは西洋の剣だった。その剣を出して右手でサーベルの様に構えてそのうえで怪人に言うのだった。
「いいわね、今から」
「二人で俺と戦うのだな」
「それでいいわね」
「構わない」
 怪人としては、というのだ。
「少なくとも俺は貴様等二人を共に倒せる自信がある」
「その言葉訂正はしないわね」
「しない」
 はっきりと答えた怪人だった。
「二人共来ることだ」
「そうか、まああたしは一対一で闘うのが好きだけれどな」
 だが、だとだ。薊も棒を出しつつ言う。
「あんたがそう言うのならな」
「遠慮は無用だ」
「遠慮なくやらせてもらうな」
 その棒を両手に持って構えての言葉だ、そして。 
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