チートな転生者の奏でる『俺の転生物語』原作どこいった!?
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
『名前を呼んで』
前書き
言葉だけじゃ
伝わらない
届かない
響かない
だから私達は間違っていてもこの方法で私達の意思をぶつけあう!
だから私の声を聞いて!
魔法少女リリカルなのは始まります!
一夜が明け、
「さて……みんな準備はいいか?」
俺は全員に準備は出来ているのかを確認する。
「大丈夫なの!」
手を挙げ返事をするなのは。
「うん 大丈夫だよ」
それに追従するように返事を返すフェイト。
「私達も大丈夫よ」
「大丈夫だよ~」
同じく返事を返すプレシアとアリシアの二人。
「あぁ 大丈夫だよ」
アルフも返事を返す。
「みなさん準備はよろしいみたいですね」
千歳が点呼をとり、
「じゃあ 全員俺について来てくれ……」
俺は全員を本来は物置として使っている部屋へ案内し、
「なんだい? ただの物置部屋じゃないか?」
呆れたようにアルフが言うが、
「まぁ お楽しみはここからだ……」
俺は中央に安置された布が被せられた大きな置物のようなものの布を引っ張る。
ー取ー
布は音を立てて、
ー落ー
床に落ちる。
すると姿を現した物は……、
大きな丸いガラスの中に模型のような物が入った物だった。
「なに? コレ? 大きな丸いガラスの中に入っているのは模型? でも……コレからは魔力を感じる……という事はもしかして魔法具?」
プレシアが興味深くソレを調べようとする。
「ねぇ 零……コレなんなの?」
フェイトが現れた物体が何なのかを零に質問する。
「まぁ すぐわかるさ」
零ははぐらかすように言い、
「とりあえず……プレシア……帰って来~い」
学者気質故にソレを調べようとしているプレシアの肩を叩き思考をコチラへと呼び戻す。
「ハッ!?」
急に肩を叩かれたためか正気に戻るプレシア。
「とりあえずみんなこの物体に触れてくれ」
俺は全員に丸い球体部分に触れるように言い、
「行くぞ『転送』」
俺がそう言った次の瞬間、
ー現ー
全員の足元に魔方陣が現れ全員を包む。
「えっ!? なんなの!?」
ー光ー
そして魔方陣が発光し全員を包む。
「さぁ みんな目を開けてごらん」
「うぅ……」
全員の目に最初に映った光景は、
先ほどの薄暗い物置部屋ではなく……、
「えっ? ウソ……お外?」
上には蒼い空が広がり周囲には白い巨大な建物がひろがる世界だった。
「なによコレ……あり得ないでしょ?」
プレシアがありえないという顔をしながら言葉を言い放つ。
「とりあえず全員俺と千歳の後について来てくれ」
俺と千歳は先頭に立ち全員を案内するべく歩きだす。
「零君待って!」
「零待って!」
慌てて後を追うなのはとフェイト。
「フェイト! 待っておくれよ~」
その後を慌てて追うアルフ。
「お母さん早く行こうよ~」
フリーズしたプレシアの頬をぺちぺちと軽く叩いて移動する事を言うアリシア、
「えぇ……そうね……(あの感覚は普通の転位魔法の感覚とは違う……どちらかといえば次元転位に近かった……)」
プレシアは何かを考え、
「まさかね……」
ボソっと呟く。
「お母さん! フェイト達行っちゃうよ!」
アリシアの声で考える事を中断する。
「ごめんなさい すぐ行くわ」
二人は慌ててフェイト達の後を追う。
「うぅ~ なんでこんな高い橋なのに手すりがないの~」
零の服の裾を握りながら涙目で言うなのは、
「一応この橋には事故防止の魔法術式を刻んであるから落ちても風が元の場所へと押し上げてくれるから大丈夫さ」
「うぅ~」
「というか何時も飛行魔法でこれくらいの高さを飛んでるだろ?」
「自分で飛ぶのとはまた違って怖いの!」
そんなもんか?
それからしばらく歩くと、
「はい 到着」
目的地である建物に着き、
「「お帰りなさいませ! 主様!」」
着いたと同時に誰かの出迎えの言葉を聞く。
「「誰!?」」
零と千歳を除く全員が同じ言葉を言い声のした方を向く。
するとそこに居たものは……、
「人と猫!?」
木々を思わせるような深緑の長い髪と陶磁器のような白い肌をしたどこか無機質な人形を彷彿させる女性と、
幼稚園児と同じ位の背丈で一目でわかるほどに整えられた見事な毛並みを持ち腹に肉きゅうのような模様があり二足歩行する猫であった。
「出迎えご苦労」
そして零はそんな二人(?) に礼をのべる。
「本日はどのようなご予定ですか?」
女性が零に話し掛け予定をたずね、
「いつものように狩りですか? それともバカンスですかにゃ?」
猫(?) は腰のポーチから出したメモ帳とペンを持ち器用に文字を書く。
知らぬ人間から見たこの光景はとても現実とは思えぬだろう。
「ね……猫が喋ってる?」
「使い魔……じゃないよね?」
なのはとフェイトが信じられないものを見たためかお互いに疑問を言い合う。
「わ~! 喋る猫さんだ~!」
ー走ー
そんな二人をよそにアリシアは猫? に近付き、
ー抱ー
猫? の両脇に手を入れ抱き上げ、
「にゃ!? にゃにをするんですかにゃ!?」
ぎゅう~と抱きしめる。
いきなり現れた二足歩行で喋る猫を見ても物怖じせずにこのような行動を起こせる彼女はある意味大物なのかもしれない。
「わ~い すっごく気持ち~!」
抱きしめたまま頬擦りしたり、猫の腹や肉きゅうなどをプニプニと突っつくアリシア。
「当然にゃ! 僕は毛並みに自信があるのにゃ!」
そして猫はじたばたともがきながらも自分の毛並みを自慢する。
「う~ なのはも触らせてほしいの!」
「ね 姉さん私も……」
アリシアに触発されたのか二人も猫を抱きしめる。
触発されたとはいえ躊躇い無しによくわからない生物に抱き付ける彼女達も大物になれるだろう。
「あ~ とりあえずコイツらの紹介に入っていいか?」
一応空気を読んでしばらく待っていたのだが一向に終わる気配がないので俺は話を切り出す。
じゃないと話進まないからね!
「え~もうちょっとさわってたぁ~い」
ぶぅぶぅと文句を言うアリシアを尻目に、
「あ~まずこの二足歩行する猫はアイルーっていう獣人種でな 手先が意外に器用で独自の文化を築いているんだ」
猫もといアイルーの説明を始める。
某ハンティングゲームをプレイした方々にはアイルーという存在はとても馴染み深い存在であろう。
狩人達の生活を支えたり、
戦闘においてはどっから出したのかをツッコミたくなるような小型の爆弾を敵に投げつけたり、
あげくの果てはあきらかに身の長に合わない巨大なタル型の爆弾を抱えて巨大なモンスターに自爆特攻をかますという荒業をこなす猫の存在を!
「コイツらは俺が多次元世界を旅した時に会ってな、安全な住処を提供する代わりにこの別荘の管理や掃除及び手入れをしてもらっているんだ」
そう……以前の能力確認の旅の時に偶々モンハンの世界へたどり着き俺は彼らに出会った。
彼らの集落は飛竜によって被害を受けぼろぼろになってしまっていたので俺の別荘を住処として提供する代わりに猫の隣にいる彼女達の手伝いを頼んだのだ。
「そして隣にいる彼女は俺の所有する自動人形だ」
元々この別荘は『王の財宝』(ゲートオブバビロン)に入っていたものだがどうゆうわけかこの別荘は某魔法先生の話に出てくる真祖の吸血姫の別荘を元に改造された物であったためか何体もの自動人形がしまってあったのだ。
そしてそのうちの何体かを俺が魔改造を施し俺の魔力がなくても動けるように改修したので別荘の管理と維持と調査……etc などを任せている。
「ねぇ 零君……自動人形ってなんなの?」
可愛らしくコテンと首を傾げながら聞いてくるなのは。
それに対し俺は……、
「なのはにもわかりやすく説明すると要はロボットやアンドロイドってところだな」
簡潔に説明する。
「ふぇぇ!? この人ロボットなの!?」
その説明に驚愕するなのはと、
「私の住んでいた次元世界でもここまで性能の良いアンドロイドなんて存在しないわよ!?」
頭を抱えてながら絶叫するプレシア。
「お姉さんロボットなの?」
そんな母親をよそにそんなの関係ねぇ! とばかりに自動人形に近づき話し掛けるアリシア。
「はい 私は自動人形 形式番号 KA-E-DE 通称『楓』と申します お嬢様」
そんなアリシアに丁寧にお辞儀をし挨拶を返すアンドロイド『楓』。
「私の名前はアリシアだよ! よろしくね! かえで!」
にっこりと大輪の向日葵のような笑顔で名前を呼ぶアリシアに、
「かしこまりました アリシアお嬢様」
ほんの少しだけ表情を崩しアリシアの名前を呼ぶ楓。
「姉さんって色んな意味で凄いよね……」
どこか達観した目でアリシアを見るフェイト。
「かえであの子はアリシアの妹のフェイトだよ!」
楓の腕をぐいぐいと引っ張りフェイト達の所へと歩くアリシア。
「フェイトお嬢様ですね? 私は楓と申します」
アリシアの時と同じように綺麗なお辞儀をし、フェイトに挨拶をする楓。
「え……あ……うん……よろしくね楓」
戸惑いながらも礼を返すフェイト。
「あの……楓さん……」
なのはがおどおどとしながらも楓の名前を呼び、
「楓さんってほんとにロボットなの?」
疑問に思っている事を本人に聞く。
「はい 厳密には魔導式自動人形改良型ですがロボットと思っていただいていいですよなのはお嬢様」
スラスラとなのはの疑問に答えながら彼女の名前を呼ぶ楓。
「えっ!? なんで私の名前を知っているの!?」
まだ名乗っていないはずの自分の名前を呼ばれ驚くなのは。
「私達の主である零様よりお話はある程度伺っておりますのでなのはお嬢様の事もお聞きしています」
たんたんと説明をする楓。
「えっ!? 私どんな風に言われてたの!?」
驚きつつも自分がどのように言われているのかが気になったのか楓に尋ねるなのは。
「とてもがんばり屋で優しいけど独りで抱え込んでしまう癖のある可愛い子という風にお聞きしております」
ほんの少しだけ表情を緩めながら説明する楓。
「私が………かわいい…… ////」
顔を赤らめながら言われた事を小さく繰り返すなのは。
ってちょっと待てゐ!!
「オィィィッ!? 何をいきなり暴露してるワケぇぇっ!?」
恥ずかしさのあまりに言葉使いが某騎士さんみたいになりながらも叫ぶ零。
「何をいきなり人の恥ずかしい台詞を暴露してるワケぇぇぇっ!?」
顔をトマトのように赤くしながら楓に問い詰める零。
大切な事だから(ry
「零様が以前言われていた事ですが?」
きょとんと何が悪いのかがわからいっといった表情で返答する楓に、
「恥ずかしいからあんまりそういうのは言わないで……お願いだから」
もう俺の心のライフは0だから!
これ以上は恥ずかしくて死ねるぞ!
「と……とりあえず……今日は前に造った海のステージを使うつもりだから転送の準備を頼む」
気を取り直して楓に命令を言い渡す零。
「了解しました……では転送機にご案内いたします」
零の命令に従って転送機のある場所へと歩いていく楓。
前を行く楓の後ろを全員が追いかけ、
数分ほど歩きたどり着いた場所は……、
「到着いたしました」
床に土台となる機械が設置され、その中央の部分は丸い穴のように若干他の床よりもへこんでおりそこには複雑な転送用と思われるの魔法陣が描かれていた。
「では転送座標を入力いたします」
そう言って楓は何も無い筈の空間にモニターを出現させ、そこからさらに普通の人間の目では追えないほどの速さで指を動かしプログラムを組み上げ、
「ではこれより『海の決闘場』
へと転送いたします 次から転送装置をご利用になる際には音声で認識を出来るようにプログラムを組んでおきましたのでそちらをご利用ください」
転送装置の使い方を簡単に説明し、
「これより転送を始めます」
ー光ー
転送装置の魔法陣が光を放ち、
「では……行ってらっしゃいませ」
楓がそう言った次の瞬間に転送装置から放たれた光が零達を包み込み……、
ー瞬ー
零達の姿が消える。
ー現ー
そして次に現れた場所は……、
「ここ……どこ?」
「海の上?」
「これは……神殿?」
「石の柱とか石の建物以外なんにもないじゃないか?」
各々が思った事を口に出す。
周りは全て海でありその周辺にはいくつも朽ち果てた石の柱が無惨に突き刺さっており、
零達のいる場所は朽ち果ててはいるがギリシャ神話などに出てくる神々の神殿のような石造りの神殿であり屋根や柱などの所々に細かい細工やレリーフなどが刻まれていた。
「此処は海上での戦闘訓練用に造った場所なんだ」
俺はこの場所がなんなのかを説明する。
「此処なら周りは海と石柱だからいくら壊しても大丈夫だし二人とも思う存分戦えるだろう?」
戦闘で周りの物が壊れても問題無い事を言うと、
「うん……確かに此処なら広範囲殲滅魔法や天候魔法を使っても被害がでないね」
「私の砲撃魔法も自由に撃てるね」
二人はお互いに納得したようで魔法による被害が無い事を確認する。
「プレシア達は俺が結界を張った安全な場所へ避難させるから二人はお互いに全力で闘ってくれ」
「「うん!!」」
二人は元気よく返事を返す。
俺は『王の財宝』から以前に使ったものよりも強力な結界符を取り出しそれぞれの方角を護る四神の方角へと配置し4枚の符をプレシア達の四方に張り巡らせる。
「四方結界発動!」
ー光ー
魔力の込められた結界符が光を放ち、
ー張ー
一目でわかるほどに強固な結界が張られプレシア達を覆う。
「なんて強力な結界なの!?」
結界の普通ではありえない強度に驚き声をあげるプレシア。
「それは当然だろうなにせ四神の加護を用いて張る結界なんだからな」
「四神?」
俺が説明した中にあった『四神』という単語に疑問をもつプレシア。
まぁ 多次元世界に住んでいたプレシアには聞き覚えのない単語だろうな、
符術や陰陽術は日本という島国特有のものだしな。
一応この世界には使える人間も多少なりはいるみたいだ……(それも割りと近くにね……)
「この世界の日本という国ではな東西南北をそれぞれ守護する四体の神獣……つまり四神がいて名を『青龍』『白虎』『玄武』『朱雀』と言いこの四方結界は特定の位置と言霊を用いてその加護を得た結界でな結界を張れる範囲は狭いが強度なら次元航行船の防御魔法よりも強いと思うぞ」
「もう滅茶苦茶ね……」
俺の説明に驚きを通り越して呆れるプレシア。
いや……そんな風に呆れられても困るんですけど……。
「それはさておき……なのは フェイト お互いに体調は万全か?」
俺の問いに二人の答えは、
「うん 大丈夫だよ!」
「魔力も体力も万全だよ」
万全であると答えを返す。
「そうか……なら……お互いにデバイスを構えろ……」
俺は片手を上げながら二人にデバイスを構えるように言い……、
そして俺の言葉に二人は従いデバイスを構える。
「敗けっぱなしはいやだから……」
「私も敗けたくないから……」
お互いに敗けたくないと口を開き、
「「だから!!」」
飛行魔法で地面から離れ、
「始め!!」
俺が振り上げた腕を下ろした次の瞬間!
「「私が勝つ!!」」
ー激ー
二人のデバイス『レイジングハート』と『バルディッシュッ』が激しくぶつかり合う!
ぶつかり合った衝撃で火花が散り、
鍔迫り合いの状態となり、
「私のスピードに反応するなんてすごいね!」
自分のスピードに反応出来たなのはに称賛の声をあげるフェイト。
「零君に特訓に付き合ってもらったからね!」
そう、なのはが言ったようにフェイトに敗けてからなのは自身も訓練をしていたのだがフェイトのスピードに対抗させるために暇を見つけて俺が舜動術などの高速移動を見せてある程度の速さになれさせたのだ。
「なら! これならどう!」
フェイトがバルディッシュッを振り上げ、
『アークセイバー』
魔力で形成された大鎌の刃を降り下ろすと、
ー斬ー
大鎌の刃が高速で飛びなのはへと向かう。
「キャアッ!?」
突然自分へと飛来する刃に慌てるなのはだが、
『プロテクション』
ー盾ー
なのはの相棒たるレイジングハートが瞬時に防御魔法を張り迫り来る刃を防ぐ。
「ありがとうレイジングハート!!」
なのはがレイジングハートにお礼を言い。
『イエス マイマスター』
レイジングハートは礼を返す。
そしてフェイトはというと、
「(死角からの攻撃なら!)」
先ほどの攻撃がプロテクションに防がれた事によって起きた爆煙によって視界が防がれたなのはに対し死角からの襲撃を仕掛けるフェイト。
だが……、
死角から振るわれた大鎌の刃は……、
ー盾ー
なのはの張った防御魔法によって防がれ奇襲は失敗に終わる。
「そんな!(今の攻撃は完全に死角を突いたのに!?)」
死角からの攻撃を防がれたフェイトは驚きを隠せずに叫ぶ!
「嘘!? 今のフェイトの攻撃は完全に死角突いていたハズよ!?」
普通の人間では反応する事ができない死角からの攻撃を当たり前のように防いで見せたなのはに驚愕するプレシア。
それに対し俺の答えは、
「なのはの空間認識能力は異常なまでに高い……俺との特訓の時にも今回のような死角を突いた攻撃もまるで来るのがわかっているように防いだからな」
そう映画のコミック版の中でもあったが見えないところからそれなりの速さでアリサに迫ってくるボールをいとも簡単にキャッチする描写があったように、
なのはの空間認識能力はヘタをすると身体能力チートの俺と同等かそれ以上の可能性がある。(直感などの特殊スキルを抜いて)
「おそらく空間認識能力だけなら俺を超える可能性が高い」
冗談抜きでね。
「貴方の空間認識能力も人並み外れているわよね?」
信じられないものを見る目で零を見つめるプレシア。
まぁ 俺の身体能力って人外染みているからなぁ……。
「それよりも次はなのはが仕掛けるようだぞ」
そんなプレシアをスルーして俺はなのはの方を見る。
「今度はこっちの番だよ!」
私は魔力を集中させ、
「アクセルシューター!」
数個の桃色の魔法弾を出現させて……放つ!!
ー飛ー
数個の桃色の魔法弾が高速で空中を飛び交いフェイトへと迫る!
「くッ!?(速い! それに狙いが正確だ!)」
それに対しフェイトは自らの持ち味である高速機動でなのはのシューターをかわし続けるが、
正確な制御のなされた魔法弾は徐々にフェイトを追い詰める。
そして……、
「今なら!」
私はレイジングハートをシューティングモードへと変形させる。
「ディバイーン………」
砲頭に魔力を収束させて、
「バスターッ!!」
フェイトちゃんに狙いを定めて放つ!
ー砲ー
放たれた桃色の砲撃は……、
「うぁっ!?(しまった!)」
ー沈ー
フェイトに当たりその威力をもってフェイトを海中へと沈める。
「くぅっ!(防いだのに抉られた……)」
私はとっさに防御魔法を発動させたのにあの子……高町なのはの砲撃は私の防御を抉り私の身体を海中へと押し込めた……。
「………(初めて逢ったあの時よりも強くなっている)」
あの時はただの素人だったのに今ではあんなに強くなってる。
「………(収束や魔力量だけなら私より上……)」
あの子の魔法をくらってわかった……、
あの子は収束や砲撃に特化した魔導師だ。
火力だけなら私より上だけど……、
「………(速さなら!)」
負けない!
海中へと沈んでいたその身に魔力をみなぎらせ、
ー浮ー
再び飛行魔法を発動させ海中から脱出し空中へと移動する。
「あの時よりも貴女は強くなった……」
フェイトはなのはを強敵と認め……、
「だから……私も本気で貴女を倒す!」
そう言うやいなや……、
ー瞬ー
高速でなのはへと接近し、
「ハァッ!!」
バルディッシュを下から鋭く切り上げる。
ー激ー
フェイトの攻撃を受けたレイジングハートは上に弾かれ防御を崩される。
「くぅっ!?」
直ぐ様体勢を立て直すために距離をとろうとするなのはだが、
ー接近ー
それをフェイトは許さず……、
「バルディッシュ!」
フェイトがバルディッシュの名を呼んだ瞬間、
『イエス・サー』
バルディッシュが詠唱を初める。
「行って!」
フェイトが形成した数個のシューターがなのはを襲う。
「くぅっ!(速くて鋭い! でも……これならなんとか……)」
鋭い機動を描きながらなのはに襲い掛かるシューターをなのははギリギリで避け 当たりそうなのは盾を張り防ぐが……、
「これで!」
詠唱を終えたバルディッシュが『魔法』を発動させる。
「『雷の斧』!!」
降り下ろされた雷の斧が容赦なくなのはに直撃し、
「キャアァァァァッ!!」
魔法が直撃した事によって悲鳴をあげるなのは!
「か……身体が……(痺れて……)」
雷の斧による攻撃はバリアジャケット(以降BJ)の防御力によってそこまで重大なダメージはなかったが高電圧の雷を受けた事により身体が痺れ動きを阻害する。
「くぅ……(ダメ! このままじゃ……)」
なんとか空中から落ち行く身体を立て直すが……、
「『ライトニングバインドッ』!!」
フェイトの属性である雷を宿した拘束魔法がなのはの四肢を縛りその自由を奪う!
「これで決める!」
バルディッシュを上に構え魔方陣を展開させ詠唱を始めるフェイト。
「天光満るところに我はあり……
黄泉の門開くところに汝あり……
堕ちよ! 神の雷!」
ー展開ー
複雑で巨大な魔方陣がなのはを中心に描かれてゆき……、
魔方陣が広がりその形状をドーム状に展開させ、
「『インディグネイション』!!」
本来の色である紫電の雷ではなくフェイトの魔力光である金色の万雷がなのはに襲い掛かる!
フェイトが大技を決めた場面から少し遡り、
二人の戦いを見守る見物人達の反応はというと、
「なによ! あの魔法は!?」
フェイトの繰り出した『雷の斧』に驚愕の声をあげるプレシア。
おそらくは彼女が知る魔法体系とは違うものであるが故の驚きだろう。
「あの魔法は俺が教えた魔法で『雷の斧』っていうんだ」
「『雷の斧』?」
雷系の魔法を得意とするプレシアだが初めて耳にする魔法に困惑する。
「威力は中級魔法の上位くらいだが出が早く詠唱が短い上級魔法だ……フェイトの属性にあっているから教えたがあぁも上手く使うとはな……」
教えたとはいえ難しい上級魔法を上手く使うフェイトも十分天才の域だよね?
そう思いながら二人の戦いを眺めていると、
「フェイトは勝負を決めに掛かるみたいだな」
俺がそう呟くと、
「どういう事?」
プレシアが反応し俺に問う。
「今展開されている魔法は俺の知っている魔法の中でも雷系では最強クラスの魔法だ」
アレが決まればフェイトの勝利だが……、
なのはにも『魔法』は教えてあるからまだ逆転はできる可能性はある。
「あの魔法……私が使う天候魔法よりも強力な魔法よね?」
そう尋ねるプレシア。
「あぁ……手加減なく放たれればおそらく普通の魔導師では耐えれないだろうな」
あの威力は普通の魔導師の張るような障壁では薄いガラス程度でしかないだろうな。
「これでフェイトの勝ちは決まりね!」
娘であるフェイトの勝利を確信するプレシアではあるが……、
「………(プレシア……それはフラグだ……)」
俺は逆転フラグだと思う。
万雷が落ちた事によって辺りに煙が舞い視覚を遮る。
「ハァッ! ハァッ!」
私は大量の魔力を急激に消費した反動で息を乱しなんとか呼吸を整えようとしながらあの子のいる場所を凝視する。
「くぅ……(零から教えてもらった魔法……強力だけど雷属性が得意な私でも大量の魔力を使う……もし……あの子が耐えたら私が危ない……)」
万雷が降り注いだ事により起きた爆発の噴煙によってなのはがどうなったのかを確認できないフェイトだが……、
ー吹ー
突如風が吹き噴煙を飛ばし煙が晴れていき……、
その場所にいたのは……、
「そんな!?」
BJはボロボロになり身体にもかなりのダメージが通ってはいるがレイジングハートをしっかりと構えたなのはの姿があった。
「そんな!? あの魔法をあの状態でくらったハズなのに! 何故!?」
なのはが未だに武器を構え戦闘を続行できる状態であるのを信じられない目で見るフェイトに、
なのはは口を開き……、
「大きな攻撃の時ってバインドって解けちゃうんだね……」
そうなのはは言う。
「どういう事? あの瞬間いくらバインドが解けたとしても貴女のスピードではあの魔法から逃れる術はなかった筈……」
なのはがどうやって防いだのかがわからないフェイトはなのはにどうやって防いだのかを聞く。
それに対しなのはが返した答えは……、
「零君から『魔法』を教わったのはフェイトちゃんだけじゃないんだよ」
そう答える。
「どういう事? あの瞬間いくらバインドが解けたとしても貴女のスピードではあの魔法から逃れる術はなかった筈……」
どうやってなのはがあの魔法から逃れたかを聞いてくるフェイトになのはは、
「零君から『魔法』を教わったのはフェイトちゃんだけじゃないんだよ」
そう言い返す。
「……(あのバインドが解けた時に使ったあの『魔法』がなかったら私は負けていた……)」
そうあの時完成した魔法が放たれる数秒前に私を縛るバインドが解けた瞬間私は頭上からの攻撃を零君から教わった『最強防護』を張ってなんとか雷を防いでいたけど、
いくら『最強防護』とはいえ咄嗟に張った分構成とかが弱かったみたいで次々と割られていく障壁を見て私はもう一つの魔法を発動させた。
その魔法は……、
「『フォースフィールド』……特殊な力場を発生させてあらゆるダメージを防ぐ魔法……零君から教わった魔法なの」
この魔法がなかったら私はまた負けていた。
ありがとう……零君……大好きだよ!
「そんな……」
驚愕するフェイトだが……、
ー縛ー
なんとか距離を詰めようと動くが……それは叶わず。
「バインド!? いつの間に!?」
今度はフェイトが桃色の拘束魔法によって四肢の動きを封じられてしまう。
「今度は私の番だよフェイトちゃん!」
ー集ー
今まで使われ辺りに散らばっていた魔力がレイジングハートの砲頭に集まり始め……、
「これが私の全力全開!!」
それは彼女が独学で編み出した魔法……。
それは咎人を撃ち抜く星の光。
その名は……、
「『スターライトブレイカー』!!」
ー轟ー
収束され放たれた砲撃は極太の光線となりてフェイトへと迫り……、
「う……うわぁぁぁぁっ!!」
ー呑ー
膨大な魔力の砲撃はフェイトを呑み込み尚且つ空へと昇り雲を消し飛ばす。
風が吹き爆煙が晴れていき煙の中より現れたなのは。
「そんな! あの魔法を耐えたというの!?」
先ほどフェイトが使用した魔法『インディグネイション』を耐えたなのはに驚愕の声をあげるプレシア。
「なるほど上手く『フォースフィールド』を使ったんだな」
まさかあのタイミングで『最強防護』と『フォースフィールド』を使うとは……。
やっぱりあの子は砲撃と防御においては天才だな。
「『フォースフィールド』?」
なのはが使った『魔法』をプレシアが零に尋ねる。
「俺がなのはに教えた魔法は人間の張れる最強の障壁を一度に5枚展開させる『最強防護』と特殊な力場を発生させてあらゆるダメージを防ぐ魔法だ」
無印編ではまだそこまで硬い防御魔法が使えた訳ではないので教えてみたがどうやら正解だったようだな。
ちなみに多重シールドよりも『最強防護』の方が枚数は少ないが実際の単純な強度は『最強防護』の方が上をいく。
「そんな魔法が……って! フェイト!?」
突然慌てながらフェイトの名前を呼ぶプレシア。
「今度はフェイトが拘束された?」
これって……やっぱアレだよね?
「えっ!? 辺りに散らばった魔力があの子のデバイスに集まって……」
ー集ー
辺りに散らばっていた魔力がどんどんレイジングハートの砲頭に集まってゆき……。
「これが私の全力全開!!」
ー砲ー
放たれる砲撃は後に白い悪魔……もとい……魔王の代名詞となる魔法。
「『スターライト……』」
それは咎人を撃ち抜く星の光……。
「『ブレイカー』!!」
ー轟ー
放たれた桃色の砲撃は……、
ー呑ー
凄まじい威力の魔砲がフェイトを呑み込む。
「キャアァァァァッ!!」
魔砲に呑み込まれたフェイトが悲鳴をあげる!
「「フ……フェイトォォォォッ!?」」
フェイトがなのはの魔法……もとい魔砲に呑み込まれた事に悲鳴をあげるプレシアとアルフ!
「フェイトがフリーザ様の最後みたいに!?」
アリシアが声を荒げながら言う。
ってちょっとまてゐ!
アリシア! 何故にお前がド○ゴンボールを知っている!?
「零の部屋にあったから読んだよ」
「いつの間に……」
それはともかく……アレ……確実にフェイトのトラウマになったな……。
つか……俺でもなるな……。
「って! ヤバッ! フェイトは気を失っている」
なのはの『スターライトブレイカー』に呑み込まれた事によって完全に気を失い海に向かって自由落下していくフェイト。
流石に無意識の状態であの高さから落ちれば無傷ではすまないぞ!
俺は直ぐ様結界を解き、
「間に合え!」
ー瞬ー
虚空瞬動で空を駆けフェイトの下へと飛ぶ。
「勝った……のかな?」
私の切り札である『スターライトブレイカー』はフェイトちゃんに当たった……。
ー吹ー
『スターライトブレイカー』が命中した事によって生じた爆煙が風によって流され煙の中から現れたのは……、
「フェイトちゃん!」
BJはその殆どを破損しジャッケットはかなり際どい破れ方をしておりまさに満身創痍といった感じある。
「私の……負けだね……」
フェイトがそう呟いた次の瞬間……。
ー落ー
術者が気を失ったためにフェイトの身体は自由落下を始める。
「フェイトちゃん!?」
私は慌てて追いかけようとするけれど……、
ー痛ー
今までのダメージとスターライトブレイカーを撃った反動の痛みで動きを止めてしまう。
「このままじゃ!!」
海に叩きつけられちゃうの!!
なおも落ち続けるフェイトの身体が海へ叩きつけられようとしたその瞬間。
ー瞬ー
突如零が現れ、
ー抱ー
海に当たるスレスレでフェイトの身体を抱き止める。
「間に合ってよかった~」
間に合った事によって安堵の声をもらす零。
「よかった……フェイトちゃんが……無事で……」
あれ? 安心したら……身体の力が抜け……る?
緊張の糸が緩んだせいか身体の力が抜けていくなのは。
そして……、
ー落ー
なのははフェイトと同じように自由落下を始める。
「うぉいっ!? マジですか!?」
ー翔ー
零は慌てながらも虚空瞬動を行い、なのはの下へと翔て行く。
ー抱ー
フェイトを片腕で抱き抱え、もう片方の空いた腕でなのはを抱き止める。
「セ……セーフ……(間に合って良かった~)」
冷や汗をかきながらもなんとか二人を抱き抱える零。
「あれ……零君?」
きょとんとしながら零の名前を呼ぶなのは。
「お疲れ 今回はなのはの勝ちだな」
そう笑顔で話し掛ける零。
「うん!」
それに満悦の笑みで返すなのは。
「とりあえず戻るか……」
ー翔ー
零は再び虚空瞬動を行いプレシア達のいる場所へと翔て行く。
「もどったぜ」
零が着くと同時に、
「「フェイトは大丈夫なの(かい)!!」」
アルフとプレシアが走り寄ってフェイトの無事を確認すり。
「軽く診てはみたが身体には特に異常はないが魔力の使い過ぎと疲労だな」
念のため解析以外にもヒーリングもしたから特に問題は無かったしね。
「ではお二人の治療も兼ねて部屋の方へ移動しますか?」
「そうだな」
千歳の提案により一度別荘に戻り二人を治療する事にした。
それからしばらくし……、
「う……うぅん……」
なのはは目を覚ます。
「知らない天井なの……って……私……何言ってるのかな?」
ある意味お約束なセリフを言った後、
白いベッドからなのはが起き上がりもそもそと出て辺りを見渡す。
「ここ……どこ?」
周りはまるで高級ホテルのように洗練された調度品やしっかりと整理整頓されている部屋であった。
「う……うぅん……」
なのはが惚けていると隣のベッドから声が聞こえる。
「フェイトちゃん!」
「はぅっ!?」
いきなり声をかけられたせいか驚き身を震わすフェイト。
「びっくりした……」
若干涙目になりながらなのはを睨むフェイト。
「ニャハハハ ごめんね~」
それに対しなのはは苦笑さながら謝る。
「ここ……どこだろう?」
「私もわかんないの……目が覚めたらこの部屋だったし……」
この部屋がどこなのかを尋ねるフェイトだがなのはもわからないと答える。
「それに服も変わってるの……」
二人の服は先ほどまでのぼろぼろになったBJや私服ではなくよく病院で入院患者が着るような服へと変わっていた。
「ん? あれ? もしかして着替えかな?」
なのはが辺りを見回すとベッドの隣にあった小さな机の上に丁寧にたたまれた服があった。
「やっぱりこれ着替えだよ」
なのはが置いてある服を一枚取り広げるとそれは薄い浴衣のような形をしていた。
「とりあえず着替えようよ」
そう言ってもう一枚の服をフェイトに手渡しなのはは服を脱ぎ始める。
「コレ……どうやって着るんだろ?」
フェイトは服の着方がわからないのか首を傾げていると……、
「なのはが手伝うの!」
フェイトのベッドの上に移動し、
「自分でやるからいいよ…… ////」
恥ずかしがるフェイトだが、
「問答無用なの!」
なのはは恥ずかしがるフェイトの服を脱がし、
「キャッ!?」
勢い余ってフェイトを押し倒しその上に四つん這いになる形でフェイトの上に覆い被さる。
そんな時……、
ー開ー
突如部屋の扉が開かれる。
「起きたのか二人と……も?」
扉から零が現れたのだが……、
「失礼しました……」
ー閉ー
零はそっと扉を閉めた……。
「「ちょっと待って零(君)!?」」
慌ててそれを止めるため二人は扉へと駆け出し勢いよく開けるが、
「おぃぃぃっ! 二人共服を着ろ!」
「「えっ?」」
二人の姿は下着のまんまだったのだ。
「「キャーッ! 零(君)のエッチィィィッ!?」」
「コレ俺のせいなのかぁぁぁっ!?」
先ほどなのは達を治療してから2~3時間ほど経ち。
「一度あの二人の様子を見に行って来るよ」
「わかったわ……」
俺はプレシア達に二人の部屋へ行くと告げて向かい……、
部屋の扉を開けようとすると中から物音とフェイトの声がしたので起きていると思い開けたところ、
「起きたのか二人と……も?」
俺の目の前にはベッドの上でフェイトを押し倒している下着姿のなのはがいた。
えっ?
何でフェイト押し倒されてんの? つか何で二人とも下着なの?
なのははストライプでフェイトは黒なの?
思考回路がショート仕掛けた俺は……、
「失礼しました……」
そう言って扉を閉めた俺は悪くないと思う。
だが……、
「「ちょっと待って零(君)!?」」
下着姿のまんまで扉を勢いよく開ける二人だが、
「おぃぃぃっ! 二人共服を着ろ!?」
「「えっ?」」
二人はお互いの格好を見て……、
「「キャーッ! 零(君)のエッチィィィッ!?」」
「コレ俺のせいなのかぁぁぁっ!?」
別に望んでないのに何故にこんなラッキースケベが起こる訳!?
理不尽だぁぁぁぁっ!!
数分後……、
「すみませんでした……」
とりあえず二人に土下座で謝る俺。
「あ……うん……なのはもごめんね」
「あ……そのね……別に零なら見られてもいいんだよ? (ちょっと見て欲しいかも……)」
「えっ?」
顔を赤らめながらそんな事を言われたら俺の理性がマッハ!?
「と とにかく……プレシア達の所に案内するからついて来てくれ……」
「うん……」
「わかったの……」
俺はプレシア達のいる場所へと歩く。
それからしばらくし……、
「フェイト! もう身体は大丈夫なの!?」
フェイトを心配していたプレシアは直ぐ様フェイトに走り寄る。
最初とは偉い違いだな……まぁ良い事だと思うが……。
「うん……大丈夫だよ……母さん」
「よかった……」
「まぁ 今日明日と此処で養生すれば大丈夫さ」
「えっ? 零君! なのは明日学校だよ!?」
「あ~そういや説明してなかったな……この別荘はな時間の流れが外界とは違ってな……此処での1日は外の世界の一時間なんだ」
俺がこの世界の時間の流れについて言った次の瞬間……、
「「「えぇぇぇぇっ!?」」」
一斉に驚く一同。
「どういう事なのよ!?」
プレシアが信じられないといった表情で零に問い詰める。
「あ~まずこの『魔法使いの別荘』ってのはな この入れ物の中に別世界を内包させた特殊な魔法具でな、外の世界の時間と中の時間の流れは違うんだ……まぁ 一応時間の流れの設定はできるが基本的には外の世界の一時間がこの世界の1日になる」
「何よそれ……もうコレ自体がロストロギアじゃない……」
確かに言われてみれば……。
まぁ 仮に寄越せとか言われてもやらんがな。
「ただし中の生き物にも時間は適応させられるのであまり使い過ぎると普通の人より早く年をとる事になる」
「それはキツイわね……」
「そこでだ……」
俺はポケットに手を突っ込み、
「時忘れの腕輪~(ド○えもん調)」
一つの腕輪を取り出す。
「今の声は置いといてそれも魔法具なの?」
声に関してはスルーなのね……。
「あぁ この腕輪をはめている間だけは老化という概念時間を止める事ができるんだ」
あくまで『老化』だけだけどね。
「それって老けないって事よね!?
「あぁ この別荘はな俺が旅した世界の生き物やコピーした場所を入れたせいなのか他のフィールドが人外魔境になっててな その中には時間の進み方が異常に速い場所があるからそれを防ぐためにつくったんだ」
どういう訳か入る度にどっかのフィールドの形が変わっていたり新しい場所が生まれたりとまるで不思議のダンジョンみたいになってるんだよねこの別荘。
「人外魔境って……」
「ちなみに昨日食べた食材は全部この別荘で採れた物だぞ」
「なるほどね……」
「それとこの島全体には強い結界を張ってあるから害獣達は入ってこれなくなっているんだ」
古龍クラスでも破れないくらい強力だし。
「へぇ……」
「それはともかく今回はなのはの勝ちだったな」
俺はなのはの頭に手を乗せて撫でる。
「うにゃ~ ////」
猫のような声をあげながら気持ち良さそうにするなのは。
「フェイトもお疲れ様」
もう片方の手でフェイトの頭を優しく撫でる。
「うん……」
恥ずかしそうにしてはいるが嬉しそうに頭を撫でられるフェイト。
「なのははフェイトに言いたい事があるんだよな?」
「うん……あのね……フェイトちゃん」
「なに?」
「なのはと友達になってください!」
顔を真っ赤に染めながら右手を出すなのは。
「えっと……その……ゴメン……私……こういう時どうすればいいのかわからないんだ……」
笑えばry……せっかくの名場面にネタは止めとこう。
まぁ 今まで友達とかつくれる環境じゃなかったしなぁ~。
フェイトの言葉を聞いたなのはは……、
「簡単だよ! お友達になるのにはね……」
おっ! この場面であの名言がでるのか!?
なのは息を吸い少し間を開けてから告げる。
「名前を呼んで!」
なのははそう言って……、
「私の名前は高町なのは……なのはだよ!」
「高町……なのは……なのは!」
小さくなのはの名前を呟き最後に大きな声でなのはの名前を呼ぶフェイト。
そんな二人を少し離れた場所から見守る人影があった。
「よかったわね……フェイト……」
慈愛に満ちた母の顔で涙をこぼしながらプレシアは言い。
「グス……よかったよ~ フェイト~」
大泣きしながら二人を見守るアルフ。
「いいなぁ~」
それを羨ましそうに見るアリシア。
ー撫ー
プレシアはそんなアリシアの頭を優しく撫でる。
「大丈夫……あの子達ならきっと仲良くなれるわ」
アリシアの頭を優しく撫でながらプレシアは言う。
「やれやれ……」
なにはともあれ二人が仲良くなれてよかった。
「ふぅ……(俺がこの世界に存在する事と俺が介入したせいで本来の歴史の流れにはもう戻れないだろうな……)」
いけてAS編が限度だろうな。
良いか悪いかはわからんが俺の行いでこの世界は史実とは違う外史となっていく、
だからこそ俺は自分に誓う……たとえ……彼女達が敵にまわってしまうような事があっても俺は……、
彼女達を必ず護る!!
俺は自分勝手だけど護ると決めたものだけは命を賭けてでも護りたい。
「……君……零君!」
思考の海に潜っていた俺の意識はなのはの声で覚醒すり。
「どうした?」
「それは私のセリフなの! いきなりボーとして心配したの!」
どうやら俺が動かなかった事に心配したようだ。
「あぁ ごめんちょっと色々と考え事をしていただけさ……」
「もう……私達の話し全然聞いてなかったの!?」
「えっ? 話し?」
えっ? なんの話し?
「うん 零君にもね……」
「零にも……」
二人は一呼吸置いて……、
「「私達の名前を呼んで!」」
二人は同時に言う。
「あぁ……そうだな……」
俺は二人の前に背をしっかりと伸ばして立ち。
「これからもよろしくな……なのは フェイト」
二人の名前を呼ぶ。
「「うん!」」
うん良い返事だ。
「今日は二人とも頑張ったから俺も奮発するぞ!」
「わ~い!」
「ホント! だったら私またくりうにのパスタが食べたい!」
「あいあい なんでも好きなもん頼みなさい頑張ってつくるから」
「零君! なのはも!」
「了解」
俺達はプレシア達のいる場所へと歩いて行く。
「さて……色々と聞きたい事はあるだろうがとりあえず今日は楽しまないか?」
「そうね……色々と聞きたい事はあるけど……今日くらいは楽しませてもらうわ」
俺の言葉にプレシアは賛成する。
「さぁて……頑張って料理をつくるとするか…」
「それなら私も手伝わせちょうだい この世界の食材や生物が気になるから」
「了解キッチンはあっちだ」
俺と千歳とプレシアはキッチンへと向かい調理を始める。
調理の最中、
「千歳 お揚げをつくるなとは言わないがいくらなんでもつくり過ぎじゃないか?」
「大丈夫です! お揚げは私の主食ですから!」
千歳が大量の油揚げを使った料理をつくっていたり。
「えっ! この蟹甲殻が宝石で出来てる!?」
プレシアが全身宝石の甲殻でできている蟹ルビークラブに驚いたりなどと色々あったが、
「できたぞ~」
別荘内の大広間につくられた品々がところ狭しとばかりに並べられる。
「わぁ~! すご~い!」
見た事の無い品々に驚きはしゃぐアリシア。
「肉肉肉肉肉肉肉~!!」
大量の肉に興奮しどこぞのゴム人間みたいな表情になりアルフ。
「すごいの! こんな果物見た事ないの!」
地球の生態系ではありえない果物に驚きの声をあげるなのは。
「どうやったらこんな食材ができるんだろ?」
目の前の普通ではありえない食材に疑問の声をあげるフェイト。
「じゃあ……今日は楽しんでくれ!」
零の言葉に、
「「はいっ!」」
全員が返事を返す。
そしてこの宴は夜遅くまで続き、
その後疲れて眠ってしまった なのは フェイト アリシアの三人を一人ずつお姫様抱っこで同じ部屋のキングサイズのベッドの上に寝かせたり。
「もっと飲むの~」
別荘で作っていた酒のボトルを何本も空にして完全に酔っぱらってしまったプレシアを部屋に運んだりと大忙しだった。
その中には度数のかなり高い虹の実のワインもあったのでプレシアがかなりの酒豪であった事がわかる。
ちなみにアルフは満腹になったら狼の姿になって床で寝ていました。
アイツ最近だらけすぎじゃないか?
「疲れた……」
零は疲労の声をもらす。
「お疲れ様です零様」
そんな主人に労いの言葉をかける千歳。
零以上に働いていたはずなのに疲れた表情を見せない千歳はすごいと思う。
「疲れたけど……楽しかったな」
「そうですね……」
叶うのならいつまでもこんな時間が続けばいいのだけど。
「じゃあ 俺も寝るよ」
「おやすみなさいませ」
「おやすみ……」
俺も自分の部屋へと戻り眠りにつく。
「やる事はかなりあるけどやりとげてやるさ……」
絶対にな!
後書き
どうも!
何時も閲覧ありがとうございます!
虚空です!
今回はなのはとフェイトの戦闘でしたがいかがでしたか?
まだまだ自分でも未熟なところが多いので上手く出来ているか心配な部分が多いです。
もっと速く書けるようにがんばります。
これからも応援よろしくお願いいたします!
作者への応援メッセージやアドバイスを送ってもらえるととても嬉しいです!
ページ上へ戻る