とある英雄の学園生活
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第33話 受付の美しいエルフのお姉さん
アリスが無事に5階にあるクラス委員会の教室に入ったことを確認してから今からどうするか考えた。
ネイに会いに行くのか、それともセシリアから紹介してもらった人物に会いに行くか。
う~んどうしようか。
(綺羅様、やっていることがストーカーみたいですが)
ん、なにが?、
(アリス王女のことです)
アリスのことが心配だから、少し離れたとこから護衛をしていたんだろうが。
それをストーカー呼ばわりするなんて。
(アリスが心配だからな)
(……過保護すぎます)
そうでもないと思うのだが。
ネイに会いにいくと理事長室の前に受付があった。
受付には1人の美しい女性のエルフが座っていた。
……綺麗だ~。
是非お友達になりたい。
エルフ族は基本美男美女ばかりだ。
その中でもこの受付のお姉さんは上位クラスだ。
エルフ特有のピンと伸びた耳に金髪の長い髪に白眼。胸はシヴァといい勝負だが……
少し受付のお姉さんが勝っているかな。
(綺羅様、今私に対して不愉快なことを考えていませんでしたか)
腰に装備されているシヴァがジーと俺を睨み付けている気がした。
俺は天井に目線を向けて、
「ん、なにが?」
こんな言い訳しかできないのか俺は。
気を取り直し受付のお姉さんに向かうと
俺と目が合い。
「何か御用ですか?」
声も可愛らしくていい声だ。
是非お近づきに……いやいや、今はネイに会うことが前提だ。
「ネイ理事長先生に会いたいんですが」
「ネイ理事長は現在中で会議中です。終了予定時刻は12時半頃になっておりますが」
「じゃあその時間帯にまた来ます」
「あの~失礼ですがアポイントをとっていない方とはお会いできませんが?」
「え、そうなんですか」
「ネイ理事長はお忙しい方なので」
理事長兼市長だもんなそりゃ忙しいだろう。
しかし会えないとなると困るな。
「そこをなんとかなりませんか?」
美人エルフのお姉さんに哀願してお願いしてみるが。
「申し訳ないですが……」
美人のエルフお姉さんを困らせるのはいけないよな。
ネイとは明日授業後とかにでも会えるから明日でもいいか。
「わかりました。ご迷惑をおかけして申し訳ないです」
「本当にごめんなさいね。お名前を聞いててもいいかしら、あなたが来たことを一応伝えておくので」
「キラです。イングランドのキラと行って頂ければわかります」
「わかりました。お伝えしておきますので」
「お願いします」
もう少し美人エルフのお姉さんと話がしたかったが、シヴァの突き刺さる視線みたいなものが俺に突き刺さるので一礼して、次にセシリアの知り合いに会いに行くことにした。
(人型に戻ってもいいでしょうか?)
(ん、どうした)
(今からセシリアの知り合いに会いにいくんですよね)
(ああ、メイド科の講師している人で名前は……あれ?)
(名前はサクラコ・イシズカです。本当に名前を覚えるのが苦手ですね)
俺は人の名前を覚えるのが苦手なのである。
ついでに顔を覚えるのも苦手である。
よほどインパクトある人物は別であるが。
(で、なんで人型に?)
(私もメイド科で教わるかもしれませんので挨拶をしておこうと思いまして)
(了解、ちょうど今人がいないから)
(わかりました)
俺は剣を抜き剣を持った右手を横に向けると剣が光りだし剣の形からメイド服を着た美しい女性の姿に変わった。
「ふう、お聞きいただきありがとうございます」
「じゃあ職員室に行くか」
「はい」
なにげに嬉しそうなシヴァ。
「どうした?」
「久しぶりに2人だけだと思うと……」
そういえばこの時代に来てからシヴァとふたりっきりになるのは初めてじゃないだろうか。
シヴァは基本単独で動いてもらっているからな。
「いつもありがとうな」
「なにがですか?」
シヴァは頭をかしげる。
「いろいろだよ、じゃあ行くか」
「はい」
俺たちは職員室に向かった。
「失礼します。メイド科イシヅカ先生はいますでしょうか」
何人かの教員が俺を見て一番近くにいた強面の教師が
「なんだ、お前ら?」
なんだと言われても見ての通りの一般生徒ですが。
「イシズカ先生にお会いしたいのですが」
ジロジロ俺を見て目線が首元を見ると強面の教師はギョッと目を大きく見開いた。
ん、なんで首元を見て驚くんだ……
あ、俺の階級章をみてビックリしたんだな。
「イシズカ先生でしたら2つ向こうのメイド科準備室にいらっしゃると思います」
なんで急に口調が変わったんだ?
階級章を見たからといってイングランドの軍人ならともかく、学園都市の教師なら関係ないと思うのだが。
「わかりました。ありがとうございます」
「ハッ、お役にたてて光栄です」
そして俺に敬礼する強面の教師。
なぜ敬礼をするんだ?わからん。
一応俺も敬礼を返した。
(綺羅様、早く行きましょう)
(そうだな)
「あの、自分は……」
強面の教師は何か言いたそうだったが俺たちは聞こえないふりをしてメイド科準備室に向かうことにした。
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