ファンタシースターオンライン2 蒼穹の剣士
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第四話 決着と決意
前書き
ジルベールの技紹介
ナハト流⚫刹那
ナハト流の基本となる移動技、物凄い勢いで地面を蹴り、音速を超える速度で移動する。敵の目から見るとまるで消えたようになる
ナハト流⚫練気解放
ナハト流を継承、または習得した中では一部の者しか使えない技、体内に貯めた気をオーラ状に放出する。この状態は能力が三倍になり、この状態で放てる技があるが、効果が切れると大量の発汗を伴って、一気に疲労が襲う
由花里は焦っていた
強烈な一撃を受けてしまった
そのせいでシールドエネルギーが大幅に減った
おまけに逆転された
由花里「まさか、逆転されるなんて…」
ジルベールの紅蓮業炎斬を受けて倒れていた由花里は起きながら言った
しかし由花里の闘志は消えていない
由花里「しかし、まだシールドエネルギーは残っておりますわ!行きますわよ『月夜』!」
と気合いを入れ直す由花里にジルベールは
ジルベール「その弓で戦う気か?」
由花里「え?そ、そんな!?」
なんと由花里の弓『月夜』が黒く焦げたようになっており、弦も切れて、おまけにフォトン刃も出なくなってしまった…そう、由花里は自分の得意武器を使用不能にされたのだ
ジルベールが先程放った紅蓮業炎斬は別名『武器殺し』とも言われて、超高温の炎と熱で武器を焼き斬る。ジルベールは最初から彼女の武器を狙っていたのであった
そして由花里は力が抜けたように顔をうつむいた
ジルベール「どうした?降参か?」
すると由花里はガンスラッシュをデバイスから呼び出し、装備した
彼女はまだ戦う気らしい…
由花里「わ…私は…」
さらに声の音量を上げて言った
由花里「私は負けるわけには…いかないですわ!私は…岬城家の子…常に勝ち続けなければなりませんの…だから…ここで…負けられませんわ!!」
ジルベールは思った…こいつは、由花里は家が放つ呪縛に囚われてると
家によって自由を奪われ、束縛されている
ナハト家はそんな束縛は無かった…
自由に生きろ…親が子供達に言った言葉だった…
ジルベール「それで…いいのか?」
由花里「?」
ジルベール「家に、束縛されて…自由に生きられなくて…君はそれで楽しいのか?」
由花里は目隠しを取った、彼女の目は澄んだ水色の瞳を宿していた
由花里「この目のせいで…私はいままで虐められていましたのよ!岬城家は、こんな目をしていると異端だって…そう言われ続けたんですの!!自由なんて…なりたくても出来ませんでしたわでも、それから解放するには、叔母様からこの家の当主になったら認めてやると言われて…だから私は勝って、常に上に立って、兄上達に認められて…」
そう言いつつ由花里は突撃した
由花里「だから、ジルベール・ナハト!貴方を討つ!」
強烈な突きを繰り出すが、ジルベールに弾かれ通じなかった…
ジルベール「この…馬鹿野郎!!」
そう言ってジルベールはダブルセイバーを二つに分け、二刀流になった。これがジルベールの改造武器なのである。ダブルセイバー状態と二刀流形態に切り替え可能になっている
そしてこの二刀流形態の名前は『赤炎双刀⚫暁(せきえんそうとう・あかつき)』
ジルベール「だったら、そんなの捨てろ!!」
由花里「え?」
驚く由花里に突撃したジルベールは言った
ジルベール「そんなくだらないものなんて…兄貴に譲れ!君が家督を争って何になるんだ!君は女の子だろう!君は自由になる権利があるんだ!そんな事の為に…君が自由を奪われるなんて…」
由花里「でも、…それしか…できませんわ…」
うつ向いてしまった由花里にジルベールは思い切り斬り上げ、言った
ジルベール「だったら、自由になればいい!」
中に浮いた由花里を刹那で追いかけ、
ジルベール「君が自由に生きられないなら…」
連続攻撃を繰り出しながら
ジルベール「俺が!君の自由を切り開く!」
そして刀(夜天甲牙)を呼び出し、一閃した
由花里のシールドエネルギーが切れたのだろう、強制転移が発動した
アナウンスが
「試合終了!!勝者、ジルベール・ナハト!」
この瞬間、観客席から歓声が聞こえた
ジルベールが転移でキャンプシップに戻ってもその歓声が止む事はなかった…
試合の夜、由花里は家に帰らず、学校の屋上にいた、空は綺麗な満月があり、優しい光を放っている。現在彼女は目隠しをしていない
由花里「…」
由花里はジルベールの事を考えていた…彼が色々と言ってくれた言葉が胸に刻まれ離れない…
それ以上に、ジルベールに対してある特殊な思いを抱いていた…
由花里(ジルベール…あの方は自分より他人の事を考えていた…敵である私を気にかけてくれた…なんて…優しくて…強い方なの…)
由花里はもう一度、ジルベールに会いたい…
由花里「ジルベール…さん…」
そう呼んでみた
ジルベール「ん?誰?」
由花里「へっ?ジルベールさん!?」
いきなりジルベールが現れて驚いた由花里は心を落ち着かせ、言った
由花里「どうして…ここに?」
ジルベール「ああ、ここから見る月は綺麗なんだよ、それに月の光を浴びれるしね」
由花里「そう…ですか…」
由花里はちょっと落胆した…自分に会いに来たんじゃないんだって…
ジルベールは近くのベンチに座り、満月を見上げていた…
由花里「…あ、あの」
ジルベール「ん?」
由花里は勇気を出して言った
由花里「隣、よろしいですか?」
ジルベール「ああ、構わない…」
由花里はジルベールが座っているベンチに行き
由花里「失礼しますわ」
ジルベールの右隣に座った…
暫く沈黙であったがやがて由花里がジルベールに謝った
由花里「ジルベールさん、先日は貴方と、ナハト家に酷い事をしました…申し訳ありません…」
ジルベール「別に、気にしてないさ…」
由花里「でも、私はナハト流は廃れても同然とあんなに酷い言葉を…」
由花里の顔が泣きそうになっていた…
由花里「何か私に罰をください…出ないと私…私は…」
ジルベールは由花里の手を優しく握った
ジルベール「なあ、岬城…」
由花里「由花里で…名前で良いですわ…」
ジルベール「じゃあ由花里、俺が一番嫌いな言葉、教えるよ」
由花里はジルベールを涙を含んだ目で見つめた
ジルベール「自分に罰をくださいっていう言葉、一番嫌いなんだ…そうやって被らなくてもいい罪を被って、自分を虐める…嫌なんだ…他人がそうしていると…」
そうジルベールが悲しい顔をした、それを見た由花里は謝った…
由花里「ご…ごめんなさい…もう言いませんわ」
ジルベール「わかればいいさ…」
由花里はある事を思い出し、質問した
由花里「ジルベールさん…私にも…自由に生きる権利ってありますか?」
ジルベール「…」
由花里「私はいままで目の事で虐められて、親や兄上達の言いなりになって…自由っていう感覚がありませんでしたわ…いつも異端、異端って呼ばれて…生きた心地がありませんわ…」
ジルベールは真剣に聞いていた、試合の時に叫んでいた事を改めてよく聞くと由花里はいままで苦しい生活を送って来たのだとわかった…
それゆえ、由花里はジルベールに憧れていたのだろう…
ジルベール「由花里、これから君はどうするの?このまま家の呪縛に囚われてるままだと壊れるぞ」
由花里「もう大丈夫ですわ、私家督争いを辞めましたわ…あと、私は明日から分家の方に家を変えますわ」
ジルベール「そうか…」
ジルベールは安堵した…彼女の苦しみが一つ減った事に
由花里「ジルベールさんって不思議ですわね、自分よりも他人の事を考えているなんて…」
そう由花里がジルベールに言った
ジルベールは少し笑って
ジルベール「不思議…か…いままでそう言われた事は無かったな…まあ、俺自身困っている人をそのままにしておけない性格だからな…」
由花里も少し笑い、
由花里「優しい…ですのね…」
ジルベール「そうかな?」
由花里「私は…その優しい貴方に…一目惚れしてしまいましたわ…」
ジルベール「え?」
ジルベールが由花里の方を向くといきなり由花里が顔を近づけてきた
そして、ジルベールの唇と由花里の唇が触れ合った…
突然の事に驚いたジルベールは、自分がキスされている事に動揺していた
いままでキスをされそうな事はあったが、このように不意にキスされた事は無かった…
そして、ジルベールと由花里のキスが終わり、
由花里「ふぅ…私のファーストキスですわ…」
ジルベール「俺も…そうだが…」
由花里「女の子のファーストキスの意味はおわかりですか?」
そう聞いて、ジルベールが少し考えて
ジルベール「告白…なのか?」
由花里「ふふっ…はい」
ジルベールは頬を赤めながら言った
ジルベール「由花里、俺でいいのか?」
由花里「ジルベールさんは、私の心を溶かしてくれましたわ…虐めと呪縛で凍った心を…ジルベールさんには感謝してもしきれませんわ…」
ジルベールはこんなに感謝される様なことはした覚えが無かった…
ただ単に、自由に生きて欲しかった…それだけなのに…
俺は由花里の彼氏になる気は無かった…
由花里「駄目…ですか?」
ジルベール「いや、そういう訳では…気持ちは嬉しいが…その…」
由花里は微笑を浮かべて言った
由花里「そうですわね…戦った相手にいきなりキスされて、告白されたら…困りますよね…」
ジルベールは申し訳なさそうな顔をして
ジルベール「その…すまない…」
由花里「いいですわ…でも、私の気持ちは受け取ってくださいますか?貴方は好きだという気持ちを…」
ジルベールは頷いて言った
ジルベール「わかった…それと由花里…」
由花里「何でしょうか?」
ジルベール「俺の事はジルと呼んでもいい…」
由花里は笑顔を浮かべ
由花里「わかりましたわ…ジル様………では、私はこれで失礼しますわ…また明日…」
お辞儀をして、ベンチから腰を上げた由花里は屋上を出ていった…
ジルベールは月の光を浴びながら考えていた…
由花里の事である…
これまで女の子を恋人として好きになった覚えが無いのである…
由花里の気持ちにどう答えて良いのかわからないのである
ジルベール「明日から由花里とどう接すればいいのかな…まあ、いつも通りでいいか……さて帰るか…」
ジルベールはベンチから腰を上げ、刹那で家を目指した
朝…………
ジルベールは爆睡していた……
自分のベットで………………
リシア「お兄ちゃん!起きて!朝ごはん出来たよー!」
アーシア「にぃに、おきて!がっこう、ちこくするよー」
リシアとアーシアが寝ているジルベールを馬乗りして揺さぶって起こそうとするが
寝起きの悪いジルベールはその程度では起きなかった…
リシア「アーシア、こうなったら最終手段よ!」
アーシア「うん!」
そしてふたりはジルベールの両側の頬にキスをした…
ジルベール「んん?…わっ!」
突然の事に飛び起きたジルベールは二人に
ジルベール「毎回毎回なんて起こし方だ!まったく…」
と愚痴ったが
リシア「お兄ちゃんが起きないから悪いの!」
とリシアに反論された…面目無い…
カルア「ジル!朝ごはん冷めるよ!早く起きなさい!」
ジルベール「わかったよ…」
こうして俺の新たな1日が始まる…
続く…
後書き
いやー、告白しちゃいましたねー
ジル君…動揺していたねー
さてさておもしろくなりますねぇー
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