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ストライク・ザ・ブラッド 奇妙な右腕の不幸少年と奇妙な不幸吸血鬼

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戦争の始まり

 
前書き
前回の続きです。 

 
「カチ、カチ」
時計の針の音が聞こえる。常人では聴こえない筈の音が聞こえる、多分、集中し過ぎて神経が高ぶっているのだろう。小さな音が大きく耳に響き、全てが遅く見える。
今なら銃から撃たれた弾丸を避ける事も可能かもしれない。それ位集中していた、だが、その反面緊張も半端では無い、たかがスーパーの特売そう思い甘く見ていた。今なら分かる、ここは戦場だ。限られた者しか生きる事を許されない。強い者が勝ち、レジに行き会計、逆に弱い者は何も成果を出せずこの場を去る。
「カチカチ、カチカチカチ」
時間はどんどん過ぎていく、後もう少しで特売の始まりだった。
今さっきまで全ての物が遅く見えた、なのに今はその逆だ。今度は早い、更に緊張し
変な汗が体から出る。息が出来ない、体が動かない、
音が聴こえない、さっきまで音がよく聞こえていたのに今は全く違う音が聞こえる。
心臓の音だ。バクバクと心臓が鼓動をしている、いつもこんなに心臓は鼓動しているのか?
考えがまとまら無い。ただ一つ分かる事が有る、戦いが始まる。
この人混みの中、誰よりも早く、誰よりも多く商品を掴みスーパーのカゴに入れる。
それだけが、頭に強く残っている。何故、こんなに緊張しているのだろう?
その理由は意外に単純なのかもしれない。いや単純過ぎて頭に過ぎら無い、ただ勝つのみ
「ピーーーーーーー!!」
戦いを奏でるホイッスルが唸りを上げる。闘いが始まった、一同その音を聞いた瞬間足に力を込め地面を駆ける。
「ハーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
女性達は雄叫びを上げ、人混みを躱し、突き飛ばし、上からダイビングジャンプ
何でもありだ、それを見た店員は
「頑張って下さーい!!」
止めろよ!!
心の中でツッコミながら上条は人混みの中を突っ込む。それを見た古城も勢い良く走り込み人混みの中に入り込む。
「ウオ!?」
そこは戦闘の真っ最中だった。人々は押しあい、退かしあい、プロレス技を決めていたり
「これは私のよ!!」
「いえ、私の!!」
目の前では二人の女性が一つの商品を取り合っている。あまりにも激しく、力強くやっているせいで商品の形が
もはや何がなんだか分からない、だがその中でも動きが明らかに違う女性がいた。
「ハーー!!」
この声は!?
上条と姫路は上を見上げる、そこには超飛距離ジャンプをした姫路がいた。
そして、人の上に着地、そして、またジャンプ
それの繰り返し、だが、徐々に目標地点に到達するだろう。
「な、渚沙!?」
今度は古城な驚き声を上げる。俺は振り返り渚沙ちゃんが何処にいるか探し出す。
そして、渚沙ちゃんはそこにいた。
早い、人混みを躱し、人と人との隙間をくぐり抜けどんどん進んで行く。スピードはそのまま
そのスピードを維持し走っていく。美しく激しい走り、それは進んで行く。
「何なんだ、アイツら!?」
 
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