ハイスクールD×D 新訳 更新停止
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第2章
戦闘校舎のフェニックス
第55話 帰りましょう
前書き
短いです、はい。
イッセーが部長を連れて俺達の所まで来た。
「やったな」
「ああ」
俺達は短い会話をして、ハイタッチした。
「そう言えば、もう一つの魔方陣は何なんだ?部長を助けた時に役に立つって言ってたが」
「ああ、そう言えば」
イッセーは魔方陣を取り出し、宙に掲げると、魔方陣が光だし、魔方陣から何かが召喚された。
『キュィィィィッ!』
「な、何だ!?」
召喚されたのは、獅子の体、鷹の頭と翼と言う姿の獣だった。
「グリフォンね」
部長が答えた。
これがグリフォン、この目で実物を見るのは初めてだった。
これに乗って帰れって事だろうな。
まさか、いざって時の逃走用じゃあるまい。
「あらあらうふふ、せっかくですから、イッセー君が部長を送ってさしあげたら?」
「え?俺が!」
「当たり前だろ?今回、姫を助けた勇者様はお前だろ?」
「そうね、お願いできるかしら?」
「ぶ、部長のご命令なら!」
イッセーはグリフォンの背に乗り、部長の手を取って前に乗せた。
何気に絵になってるじゃねえか。
「先に部室で待ってるから!」
イッセーの言葉と同時にグリフォンが翼を羽ばたかせ、上空へ飛び去っていった。
「あのグリフォン、最悪の場合の逃げ道として用意したんだが」
「もし、そうなっていたら、後が大変だったでしょう」
「私も父もフェニックス卿も、いろいろ反省していたよ。残念ながら、この縁談は破談が確定したよ」
「残念ながら、ですか?お顔は、そうは見えませんが?」
「赤い龍(ウェルシュ・ドラゴン)がこちら側に来るとは、思いもよらなんだ」
「白い龍(バニシング・ドラゴン)と出会うのも、そう遠い話ではないのかもしれません」
「うはぁぁぁっ!!」
俺は上空から冥界の景色を眺めていると、部室の手が頬に触れてきた。
「部長?」
「……バカね…こんな事をして…私のなんかの為に…」
部長が沈痛な面持ちで、俺の左腕を擦っていた。
「お得ですよ!だって、こうして部長を取り戻せたんですから!」
「……今回は破談にできたかもしれない…でも、また婚約の話が来るかもしれないのよ…」
悲哀に暮れている部長に俺は笑って答えた。
「次は右腕、その次は目…」
「……イッセー!?…」
「何度でも、何度でも、助けに行きますよ!何しろ俺、リアス・グレモリーの兵士(ポーン)ですから!」
そんな事を言った瞬間、俺の唇が部長の唇で塞がれた。
(え?え?えぇぇぇっぇぇぇっ!?!?)
部長にキスされた俺の頭の中がパニックになっていた。
部長は唇を離すと微笑んだ。
「ファーストキスよ。日本では女の子が大切にするものよね」
「え、ええ、そうですけど…ってええ!?ファーストキス!!い、いいんですか、俺なんかで!?」
「貴方はそれだけの価値のある事をしてくれたのだから、ご褒美よ」
(あ~、このご褒美だけ、頑張ったかいがあったぜ!!)
「それから…」
「はい!」
「私も貴方の家に住む事に決めたわ」
「はいぃぃっ!?」
「下僕との交流を深めたいのよ」
(マ、マジっすかぁぁぁっぁぁっ!?!?)
「と、そのような感じで私、リアス・グレモリーもこの家に住まわせていただく事になりました」
(……何がそのような感じなんですか、部長?…)
現在、兵藤家にて部長のホームステイ宣言がされていた。
ああ、おじさんとおばさんの開いた口が塞がらないでいるよ。
そして、分かりやすいぐらいに頬を膨らませたり、顔が不機嫌になっている、千秋達いた。
その後、普通にOKとなり、今は部長の私物を運んでいる(俺と千秋はその手伝いで来ていた)。
「そう言う事だから、宣戦布告って事でいいかしら、貴女達?」
『よくない(です)(よ~)っ!!』
はあ、部長もやっぱりイッセーに惚れたか。
千秋達も大変だなぁ。
「……なあ明日夏?」
「……何だ?」
「……俺達の周り、どんどん賑やかになっていくなぁ」
「……そうだなぁ」
ああ、今日も空が青いなぁ。
後書き
二巻の内容、終了で~す。
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