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万華鏡

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第六十一話 日本シリーズその十一

「まだね」
「そうなんですか」
「日本は立ち直れたから」
 その左翼政権が政権から追い出されてだというのだ。
「まだね」
「ましなんですね」
「人は生きていれば、立ち直れるだけの余力があれば」
「国家もですね」
「そう、幾らでも立ち直れるのよ」
 日本にはそれだけの余力が残っていた、だからだというのだ。
「まだね」
「ううん、あんな連中が首相になっても」
「まだましですか」
「そう、とにかく選挙はよく考えてね」
 自分自身の為にもというのだ。
「誰がなっても同じってのは絶対にないから」
「ああした連中が出るかも知れないから」
「だからですね」
「そんなこと言って選挙に行かなかったり適当に選んでからあれこれ言っても馬鹿って思われるだけよ」
 後で不平を言っても後悔をしてもだというのだ。
「あの時の選挙でもネットでは散々警鐘が鳴らされてたけれどあの政党に票を入れた人はそもそもネットなんか見ていなかったから」
 ネットと言っても玉石混淆でありそこから玉を選ぶことも人の資質の一つだ。様々な情報から正確な情報を選ぶこともだ。
「テレビや新聞、特にテレビの言っていることを鵜呑みにしたから」
「駄目なんですね」
「つまり馬鹿なんですね」
「あのね、普通に自分の番組でサクラを仕込んで不正告発した人間を自分の事務所に置いている人間や女性アナウンサーにセクハラをした人間や北朝鮮の拉致はないと思っているとか言っていた人間の言うことを信じる方がおかしいでしょ」
 普通の国では報道資格を剥奪されてもおかしくない、そうした人間が普通にテレビで大手を振って歩けるのが戦後の日本だ。
「それで馬鹿じゃないかっていうとね」
「馬鹿ですよね」
「セクハラ爺の言うことを信じるとか」
「テレビも嘘を言うのよ」
 このことも重要だ。
「新聞もね」
「その嘘を鵜呑みにするとですか
「馬鹿なんですね」
「そうした馬鹿にはお返しがくるから」
 その愚劣さに相応しいだけのだというのだ。
「選挙でもね」
「ううん、じゃあ自分で考えてですか」
「それで色々やっていくべきなんですね」
「そう、ファンはフロントは選べないけれどね」
「国民は政治家を選べるんですね」
「そういうことですね」
「ええ、、そうよ」
 その通りだというのだ。
「出来ればフロントも選びたいわ」
「ドラゴンズのフロントですか」
「あそこのフロントも」
「本当に日本ではフロントが駄目なチームが多いから」
 かつての阪神なり中日なりだというのだ。そして巨人も。もっとも巨人のフロントが愚かであればそれだけ巨人が敗れるので全世界にはいいことであるが。
「まあこれはね」
「アメリカもでしょうか」
「他の国も」
「そうだと思うわ。実際にアメリカでもね」
 この国でもだというのだ、野球発祥の地であるこの国でも。
「ヤンキースとかね」
「ああ、あのオーナーですか」
「やりたい放題やってる」
「そう、あのオーナーとかね」
 アメリカでは二度も永久追放になっている、常にあちらのコミッショナーと衝突を繰り返している人物である。 
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