とある英雄の学園生活
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第32話 大人の事情
1時間目が休憩時間が始まると話が聞きたいと何人かの生徒が俺の周りを囲んだ。
教室から出ていくネイを確認し、ちょっと用事があるからと言ってアリスと一緒に教室を出てネイを呼び止めた。
「ネイ」
「こら、学校内では先生と言わないとだめよ」
たしかにそうだが、なんか照れるな。
「ネイさんが担任てびっくりしました」
「ふふっ、先日の食事中に言うつもりだったんだけど、キラに会えて嬉しかったので言うの忘れてたわ」
俺に会えたことがそんなに嬉しかったのか……いい子だ。
「でもネイじゃなく……イチジョウ先生がなんで担任なんだ理事長で市長なのに?」
学園都市理事長兼市長の仕事で忙しいと思うのだが
「大人の事情よ。理事と市長の仕事は副理事と副市長に任せているから大丈夫」
と言って遠くを見るネイ。
うん、大人の事情なら仕方ない。
「アリス、副委員長は大変かもしれないけどそれに見合うものが帰ってくると思うの。だから頑張るのよ。困ったことがあったら私に相談するのよ。キラがいるから大丈夫だと思うけど」
「はい、ありがとうございますネイ先生」
アリスに優しく微笑むネイ。
「じゃあ、先生は理事長室に戻るから」
「あれ?普通は職員室じゃないのか?」
「私が職員室に行くと他の教師がゆっくりできないのよ」
なるほどそりゃそうだ。
俺たちに手を振りネイは去っていった。
残された俺たちは教室に戻ろうとするとアリスが俺の服を引っ張る。
「ん、どうした?」
「えっと……その……」
うつむいてモジモジするアリス。
なんだこのかわいい動きは!!
(……綺羅様、たぶんトイレに行きたいのでわ)
アドバイスをくれるシヴァしかし先ほどの間はなんだ?
「トイレか」
「うん」
「ここで待ってるから行っておいで」
「うん」
10m先にある女子トイレにアリスは走っていった。
2時間目が始るとネイは持ってきたプリントの束を配った。
『遠足』
と表紙に書かれていた。
遠足?
「来週の金曜日に遠足に行きます。遠足の言葉を知らない方が多いと思いますので、持ってきた旅のしおりを読んでください。行く場所は高尾山に行きます。」
遠足って……なんだかめんどくさそうだな。
アリスを見ると必死に旅のしおりを読んでいる。
おやつは銅銭3枚までなのかな?
バナナはおやつに入るのかな?
などの質問があるかなと期待したのだがありませんでした。
ネイの説明が続きこの時間は遠足の説明で終わった。
「今日はここまでね、クラス委員はこのあとの全クラス委員会に出るように。以上です」
普通なら3時間目、4時間目と続くのだが今日はここまでで、明日から本格的に授業が始まるようだ。
「起立」
「礼」
「はい、さようなら」
ネイは屋敷い微笑みで軽く手を振りながら教室から出て行った。
クラス委員長になった少年が俺たちの前にやってきた。
あれ?クラス委員長の名前なんだったっけ?
出てこない。
「アリスさん」
「はい」
「一緒に委員会に行かないかい」
「ええっと」
俺を見るアリス。
「アリスさん、委員会に護衛の人は連れて行けないけど」
「なぜだ」
アリスの代わりに答える俺
「クラス委員だけでも人が多いのにさらに護衛の人が来たら人が多すぎて大変なことになるみたいだからと聞いていますが」
確かに1クラス約50名で200クラスもあるからな。
200クラスで委員長2人出席して400人
400人が同時に会議をするのは厳しいみたいなので、
クラス委員会も10クラスに分かれて話し合うみたいだ。
「なるほど、じゃあすまないがアリスを頼む」
「はい、イオリ王子にも頼まれていますので」
ナルホド少し思い出した、委員長は確かドイツの貴族と言っていたな。
アリスに下手なことをしてイオリを敵に回すよりも恩を売ったほうがいいもんな。
「キラ、その……行ってくるね」
「ああ、俺も適当に時間を潰しておくよ」
こちらを何度か振り向きながら、アリスは委員長と一緒に教室から出て行った。
クラスの半分ぐらいの生徒は教室に残り雑談などをしていたが、アリスが出て行った瞬間俺にまとわりついてきた。
ヒミコとの戦い、ヤマタノオロチとの戦い。昔の6勇者の話、魔人剣のことなどいろいろ聞きたいみたいだ。
話してあげたいが俺はアリスのことが気になるので、
俺は用事があるのでまた今度と言って教室をでてアリスを追いかけた。
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