SAO-銀ノ月-
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第十二話
前書き
基本的に週一更新を目指しています。
周りからの殺気に耐え、シリカと共に《思い出の丘》に行くための門までたどり着いた。
「さて、これからピナを生き返らせに行くけど、準備は良いよな?」
「はいっ!」
シリカは力強く頷く。
気合い十分ってとこか。
「フィールドに出たら、俺が基本的に戦うことになるが、相手のモンスターはシリカも狙ってくる。自衛ぐらいはしてくれないと困る。」
普通なら、レベルアップの為にシリカも戦わせるべきだが…危険は少ないほうが良い。
それに、装備で多少は補っているものの、シリカのレベルは適正レベル以下。
シリカには、出来るだけ戦って欲しくなかった。
「それと、転移結晶は持ってるよな。」
「あ、はい。」
シリカは自分のアイテムストレージから、水色の結晶を取り出し、ポーチに入れた。
「フィールドじゃ、何かあるか分からんからな。俺が脱出しろって言ったら脱出してくれ。」
「え?でも、それじゃ…?」
シリカが小さく反論する。
「俺は大丈夫だよ。だけど、シリカは危ないだろ?」
自分のレベルが、本来ならば足りないことを分かっているのだろう。
シリカは、完全に納得はしていないようだったが、しぶしぶ反論を止めた。
…こういうところは、年相応って言うのか?
若干、いつも気を張ってる感じがしてたからな。
「じゃ、約束しよう。」
「約束?」
俺の申し出が意外だったのか、シリカが目を丸くする。
「ああ、約束だ。
『俺は死なない』
『シリカを守る』
『ピナを生き返らせる』
ってところかな。」
この三つが、今回俺がする約束だな。
「大丈夫。俺は嘘はつくが、約束は破らない。」
「はいっ!約束です!」
シリカとの約束をし、二人で《思い出の丘》に向けて出発した。
道中、シリカには見るからに気合いが入っており、出来るだけ、足手まといにならないようにしてるのが分かる。
だが…
「キャ、キャアアアアアアアアアッ!」
歩いてから、数分後にエンカウントしたモンスターに向かって、シリカは女の子らしい悲鳴を上げた。
「な、何アレ!?気持ち悪いいいぃ!」
…うん、気持ちは分かるぞ、シリカ。
ここ、《フローリア》は、《フラワーガーデン》の名が付いている。
その《フラワーガーデン》は…モンスターも、花なのだ。
簡単に言うと、歩く花。
てか、それ以外に言う必要が無い形状だ。
「やだってばー!」
花が好きなシリカにとって耐え難いものであるらしく、目を瞑って短剣を振り回していた。
「シリカ…それじゃ攻撃当たらないだろ…」
「だ、だって気持ち悪いんですぅぅぅ!」
俺の呆れた声に、そのままの体制で応じるシリカ。
「だってよ、昨日、こういうモンスターが出るって言おうとしたら、シリカ寝てるんだよ。」
「あ、歩いてる途中で教えてくださいよ!」
うん、実に正論だ。
「…言わない方が、面白そうだったからさ。」
「そんな理由…ってキャアアアアアッ!」
俺たちが話している間にも、巨大花は触手を伸ばしていた。
シリカに気づかれずに、シリカの足元まで触手を伸ばし、シリカの足をすくい取って、シリカの身体を宙づりにした。
「わ、わわわ!」
シリカの身体には…いや、服には…当然重力が働き、その重力にバカ正直に従うスカートを、シリカが強引に抑えつける。
「しょ、ショウキさん!助けて!見ないで助けて!」
「…見ないで助けるのは無理だろ。」
顔を真っ赤にしているシリカを助けたいのはやまやまだが、流石に照れくさい。
シリカは、スカートを抑えつける手の、逆の手に持つ短剣で、巨大花の触手を切り裂こうとするが、上手くいかず、ブラブラと振り回されている。
「こ、このっ…いい加減に、してっ!」
シリカは、一瞬だけスカートから手を放し、確実に触手を断ち切る。
宙返りしながら着地し、巨大花のある一点。
花の近くの白くなっている部分をソードスキルにて貫いた。
どうやら、そこが巨大花の弱点らしく、巨大花はあっさりとポリゴン片となる。
敵を一瞬で片付けたシリカは、俺の方を振り向いて一言。
「…見ました?」
「見てない。」
何が?とかを聞かず、とりあえず即答した。
ここで『何が?』と聞いていたら、俺は死んでいたかも知れない。
「それよりシリカ。あの巨大花は、白くなっている部分が弱点らしいな。」
「はい。多分そうだと…って、ショウキさん。私の……を見てないって言ったのに、何で私の攻撃を見てるんですか。」
シリカの……には、好きな言葉を入れてね!
「それはあれだ。心眼って奴だよ。」
そんな苦しい言い訳が、今のシリカに通じるわけも無く。
「ショウキさんの…バカーーっ!!」
顔を真っ赤にしたシリカとの、モンスターそっちのけの鬼ごっこが始まった。
…本当に見たかどうかは…秘密と言うことで。
ただ一つ言えることは、思いがけず、ナイスな展開になったってところかな…
後書き
ショウキ爆発しろ(笑)
…ではなく、ヒロインについては…
最初に、自分が考えていた通りにしたいと思います。
アスナは原作通りです。
期待していた方、申し訳ありません。
では、こんな作品ですが、次回もよろしくお願いします!
感想・アドバイス待ってます!
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