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東方探検録

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第三話

勇儀「さてと、早速始めたいとこだけどここじゃあ場所が悪いね。ついてきな」


そう言って歩き出した勇儀とパルスィについていく慎二


五分程歩くと開けた場所に出た


勇儀「ここでいいだろう。兄さんも準備はいいかい?」


慎二「マジでやる気?」


勇儀「心配しなさんな、本気でやるつもりはないよ」


そう言うと勇儀は杯を取り出して酒を注いだ


勇儀「アタシはこの酒を一滴もこぼさないように戦う。更にもう一つハンデとして、片足も使わない。どうだい?」


慎二「それって俺が人間だからって舐めきってないか?」


パルスィ「何言ってんのよ。アンタと勇儀じゃ、力の差は歴然なんだから今のハンデでもまだ勇儀のほうが有利なくらいよ」


パルスィの言葉にカチンときた慎二


慎二「わかった、なら本気でやるよ」


勇儀「そうしてくれないと楽しめないよ。さあ、何時でもきな」


慎二「なら遠慮なく」


慎二は何処からか本を出現させて、ページを開く


すると慎二の周囲に無数の弾幕が出現した


慎二「写符『スキルハンター』!!」


慎二が叫ぶと無数の弾幕が勇儀を襲う


勇儀「兄さん、苦手なわりにはいい厚さの弾幕じゃないか」


勇儀は慎二の弾幕を軽々とかわしていく


全ての弾幕がかわされると同時に慎二は勇儀の足元から更に弾幕を出現させる


慎二「まだまだ!!」


足元からの弾幕に気付いた勇儀は


勇儀「おっと」


上空に飛び上がると同時に弾幕を出現させて相殺させていく


勇儀「なかなか上手い奇襲だったけど、甘いね」


勇儀の弾幕は慎二の弾幕を全て相殺させたように見えたが、一発だけ外していた


その一発の弾幕が勇儀の頬を掠めた


勇儀「ありゃ、一発外したか」


勇儀の頬を掠めた弾幕は慎二の持つ本に吸収された


勇儀も地面に着地していた


慎二は本をしまうと深呼吸して体制を整えると


慎二「いくぜ!!」


ダッシュで勇儀との距離を詰める


パルスィ「アイツ馬鹿なの?勇儀と接近戦しようとするなんて」


互いに零距離での攻防を繰り返す


パルスィ「へぇ、アイツ意外にやるわね。ハンデ有りとはいえ勇儀と互角なんて」


感心するパルスィとは異なり、勇儀は妙な感覚にとらわれていた


勇儀「(なんだい、この感じは。まるで自分と戦ってるみたいじゃないか)」


勇儀は慎二との距離を一旦とると、酒を飲み干し


勇儀「パルスィ!!」


そう言って杯を放り投げた


パルスィ「えっ!?ちょっと勇儀!?」


慎二「ハンデじゃなかったっけ?」


勇儀「サービスタイム終了ってやつさ」


勇儀は再び慎二との距離を詰める


勇儀「さあ、今度は本気でやるよ」


慎二「くっ!?」


勇儀の激しい攻撃をなんとか捌いていく慎二


そして互いに手を組み合わせ、力比べの状態になる


パルスィ「…ウソっ…どうなってんの?人間のアイツが勇儀と力で互角なんて…」


勇儀「どういう事だい?兄さん。アタシと力で互角なんてあり得ないよ。どんな手品を使ったんだい?」


慎二「この…勝負が…終わったら…教えても…いいぜ…」


勇儀「そうかい、なら」


勇儀は突然込めていた力を抜いた


突然均衡が破れた為、バランスを崩す慎二


その隙を逃さず、勇儀は必殺の一撃を叩き込む


勇儀「三歩必殺!!」


勇儀の一撃は的確に慎二を捉えた


慎二「ぐはっ!?」


慎二は勇儀の一撃で遥か後方の瓦礫の山に激突する


パルスィ「ちょっと勇儀!!アイツ殺してどうすんのよ!!」


勇儀「よく見てみな」


勇儀が指差したほうを見ると、瓦礫の中から出てきた


慎二「いって~!?」


パルスィ「何でよ!?何で生きてんのよアイツ!?」


勇儀「あの兄さん、アタシの攻撃をうけた瞬間、体を捻って急所を外してたのさ。それに飛ばされる時も自分から後ろに飛んで、威力を殺してた」


パルスィ「それでも!!勇儀の三歩必殺はその程度で防げるような技じゃないわよね?」


勇儀「まあね」


勇儀は慎二のほうへ歩いていく


勇儀が近くにきた事に気付いた慎二は地面に座り込むと


慎二「参ったよ、降参するよ。やっぱり鬼は強いね」


勇儀「さあ、兄さん。手品の種を教えて貰うよ」


慎二「あぁ、あれは俺の能力のおかげなんだ」


勇儀「へぇ」


慎二「俺の能力は『相手の能力を写しとる程度の能力』なんだ。最初に放った弾幕に当たった相手の身体能力、弾幕、スペルカードの全てを写しとって自分で使えるんだ」


パルスィ「でも、勇儀は当たってないじゃない」


慎二「一発勇儀さんに掠っただろ?そういう時は身体能力だけ写しとる事が出来るんだ」


勇儀「なるほどねぇ、それで自分と戦ってるみたいに感じた訳かい」


慎二「まぁコピーしたと言っても所詮はコピーだったみたいだ。本物にはかなわなかった」


勇儀「いやぁ、楽しい勝負だったよ兄さん。お礼に今日はアタシが使ってる宿に泊まるといいよ。地霊殿には明日行くといいよ」


慎二「ありがとう」


慎二達は勇儀の使う宿に向かった 
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