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久遠の神話

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第九十七話 ラドンその三

「私もです」
「戦いを降りられるんですね」
「そう考えています」
「大石さんが降りられると」
 どうなるのか、上城は他の剣士達のことを察して言った。
「他の方もですね」
「工藤さんや高橋さんもですね」
「はい、マガバーンさんも」
 彼もだというのだ。
「戦いから降りられますよね」
「そうなるでしょうね」
「僕が終わらせることが出来ると思った時は」
「そうなります」
「そうですか」
「上城君は強くなりました」
 微笑みだ、大石は上城に言う。
「今では私以上にです」
「強くなっていますか」
「はい、ですから」
「ラドンにも勝ってですね」
「中田君にも勝ち」
 そしてだというのだ。
「この戦い自体も」
「そうなればいいですね、いえ」
「はい、いいのではなく」
「そうしないといけないですね」
「それが出来る様になっていますし」
 それ故にというのだ。
「上城君にお任せします」
「その時はですね」
「そういうことです。では」
「はい、ラドンにも勝ちます」
「必ず勝てますよね」
 今の上城ならだ、ラドンにもだというのだ。
「ラドンはかなり強いです」
「そうですよね」
「しかし今の上城君はそのラドンより強いですから」
「だからこそ」
「そうです、応援しています」
「わかりました、それでは」
 上城は大石に約束した、そうしてだった。
 彼は教会を後にした、すると。
 道を一人で歩く彼の前にスフィンクスが現れた、そのうえでこう言ってきた。
「いい顔ね」
「そうなっていますか」
「ええ、とても澄んだね」
 そうした意味でだ、いい顔になっているというのだ。
「確かな顔よ。その顔ならね」
「どうなると」
「まずは勝てるわね」
「ラドンにですね」
「ええ、出来るわ」 
 勝てるというのだ。
「今から出すけれど」
「ではその場所は」
「ここではないわ」
 今彼等が向かい合っている道ではというのだ。場所はごく普通の歩道だ、住宅地の中の。
「ラドンを出すには狭いわ」
「だからですね」
「広い場所でなければね」
「ラドンとは戦えませんね」
「そうよ、では今からそこに移動するわ」
「それは一体」
「砂浜よ」
 そこだというのだ。 
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