とある物語の傍観者だった者
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13話:ねーちん
前書き
サブタイ、もう漢字四文字こだわらないけど・・・
不謹慎この上ないが、オレの義妹たんがお亡くなりなった。
どこぞの悪魔のような自称・妹とは大違いで、あんなに健気できゃわわで兄想いで朝ごはんを作ってくれる女の子は早々いないだろうな。
それで、そんな義妹たんが、敵の魔術師によってオレの住んでる寮で全焼してしまった。
だから許すまじ、ステイル=マグヌス。あのロリコン野郎!
必ず見つけ出してオレの義妹たんの仇を取ってやる!!
「義妹義妹五月蝿いな、私も義妹だっつってんだろうが、お兄ちゃん!!」
三次元じゃなく二次元がいいんだ、オレは!!
「あっそう!だったら土御門に言って新しいの貸してもらったらいいじゃない、お兄ちゃん!!」
「その手があったか!??」
もうあの義妹たん(のデータ)は戻ってこないであろう、しかしニュー義妹たんも悪くないか?うん、悪くない。
オレに二次元・義妹たんの素晴らしさを教えてくれた土御門くんに頼んで新しい義妹ゲー貸してもらおうか。
お金が無いから自分で新しいのを買うという発想をしなかったのがミソだ。土御門くんなら、あのシスコン野郎なら何種類もの妹ゲーを持っているであろう。
現在、そんなくだらないやり取りを自分の部屋が全焼した寮付近にある公園にオレたちはいたりする。
「本格的に重傷ね、アンタ」
みこっちゃんが、何荒れてるの?キモい…とオレから距離を取っている。
とても傷ついたが気にしない、新しい義妹たんに出会えるなら構わないさ。
「近簿さん、本当に犯罪はよしてくださいの。そこの自称・妹で我慢してくださいの」
「おい誰が自称だって?」
いや、お前だよテスラ。
つーか、義妹ゲーをしたら犯罪で、全く赤の他人を、それも外人なロリを妹にするのは犯罪じゃないって何かズレてない?オレがおかしいのか??
「いや、もう義妹ネタはやめるが、それ以前に自分んちが全焼しているのに落ち着いてられるかって話だろうが!!」
なんでオレとカミやんの部屋だけ、全焼したのか謎だ。不幸だ。
テスラがオレを見てとてもめんどくさがっている。
「つーか、アンタ退院したら住む部屋どうするのよ?」
「そのうち上から何かしら連絡あるだろうよ。どうでもいいけど」
いや、全然どうでもよくないが。
部屋の改装工事につき仮の住まいを提供してくれるだろう。
「まっ、あれだ。気が向いたらお前らん所の女子寮泊まりに行くからな。その時はよろしくな」
「あ、うん。ロリコンはお断りよ、絶対来ないでね」
「そもそも、男性である貴方が泊まれるワケがありませんの。さすがは犯罪者予備軍、考えることがぶっ飛んでますわね」
「「………」」
どうしよう、徐々に2人との距離が離れていく。こ、これも作戦道理さ!こうやって徐々に切り離してアニメのストーリーに関わることも少なくなっていくんじゃないかな。とても悲しくて前が見えないや。
「あー、お兄ちゃん。もうそろそろ、真面目な話をしよっか。あと、そこのお前ら2人は邪魔だから帰ってね。バイバイ」
「「バイバイ」」
「………」
テスラが何かしたのは一目瞭然だった。
人払いという魔術を使えば、あの2人をこの場から引き離すことも可能だろう。
なんだか、嫌な空気がピリピリとオレの肌を撫でる。あまり、良いもんじゃないな。下手すれば、一歩先は地獄だ。
「そんなに警戒しなくても、大丈夫よ。私と一緒に病院に戻りましょ? それだけで、何もかもが上手くいくんだから。お願いだから、大人しくいうこと聞こうね、お兄ちゃん」
この仕事は失敗するわけにはいかないのだ。だから邪魔するっていうなら夏休みは全部入院生活で私と四六時中ヤバイことしましょう、とな。
うん、それは本気で嫌だ。
「お兄ちゃんと一日中繋がってたいな」
「おい変なこと言うなよ」
R指定が厳しいんだぞ、今の世の中。
だから卑猥な言動は言ったら、いかん。あかんのや。
「あれれ? 私は手をずっと繋ぎたいって意味で言ったんだけど??」
いや、それには無理があるだろ。
「変なことって何?? どういう意味?? やらしい意味?? お兄ちゃん、ホントえっちなんだからー。でもお兄ちゃんがどうしてもって言うなら……」
この先は割愛で………。
この子、オレを破滅の道に追いやっていくのが上手い。ほんと悪魔みたいで恐ろしい。
とまあ、くだらないやり取りをずっと公園でしつつ、オレは違和感というかなんで早く病院に戻らないの?とか思ったりもしなくもないのだが。
「いえ、じゃれあっている暇はありませんよ、テスラ」
「………」
ここにきて、第三者がオレたちの会話を割って入った。
ねーちんこと、神裂火織。元天草式十字教の女教皇なねーちんが何故かここで登場だ。
「禁書目録が治療に失敗しました。ですので、また力を貸してください」
負傷を禁書目録は現在カミやんに保護される形で子萌先生の住んでるアパートに潜りこんでいる。
今のねーちんの言葉で、なんとなく状況は察しれたけども。
これはアニメにないオリジナル展開か??禁書目録が回復魔術を行うためには子萌先生に力を借りるのだが、カミやんの右手が邪魔だから退場させたはずなんだがな。
それでも失敗するとか、もうワケ分からん。
「わかったわかった、私が行くから。元々、私が禁書目録の治療をする予定だったんだ、クソッタレが」
「……宜しくお願いします」
テスラさん、妹キャラ忘れてますよ……と言える雰囲気じゃないな。
しかし、嫌な空気だな。さっきまでの一歩踏み出せば地獄とはまた違った意味の気まずい雰囲気。
オレは知っている。この魔術師、ねーちんは自分の手で友達であったインデックスを斬ってしまった。だから、よほどのショックを受けていたり元気がないんだな。オレの事なんかガン無視だ。スルーされている。初見だし自己紹介ぐらいしてくれたっていいじゃない。もちろん、オレから話しかけれる空気じゃないぞ?
一方、テスラたんは仕事が無事終えるかヒヤヒヤというよりピリピリしてらっしゃる。そして、オレは黙っているけど、その仕事「回収」は失敗するんだけどもな……もしもテスラがブチギレたら、そん時はオレが全力で止めるか、嫌だけども。
んで、仕事に少しでも支障が出てイラつくテスラと落ち込んでいるねーちんの間に挟まれたオレがステイル=マグヌスを自分勝手な言い分で殴りたいというふざけた考えは……まだ諦めきれないんだけども。口にはしないんだけどもぉっ!!
「じゃあちょっと行ってくる、そこから一歩も動かないでね、お兄ちゃん」
あれ?病院に戻りさえすればいいのに何故待機。
無理してウインクする彼女に無言の問いかけをする。
「こっから病院より、ラブホに行った方が近いのよ。今晩はそこで泊まりましょ♪」
もうお前が言っている意味が分からない。聞かなかったことにしよう。
「神裂、私の代わりにお兄ちゃんをお願いね。逃げようとするなら斬っていいから」
「えぇ、わかりました」
「おいおいおい! それはちょっと考え直してーーー!」
などと、こっから動くなと告げられるのであった。
そして、テスラはたぶん子萌先生のアパートへ向かった。
7月の夜の公園、なかなかのオツですな、はい。
「「………」」
どうしよう、本当に一歩でも動いたら斬られるのだろうか??
ここの公園には公衆トイレが儲けられている。
なんだかー、急にトイレしに行きたくなってきたぞーーー。
「えーと、トイレに行ってもいいですかね??」
「………」
無視された。返事がないから移動していいのかも判断しにくいな。
そもそもこの人、空を見上げて都会の空は星が見えないですね、とても残念です的な顔をしてらっしゃる。
「あの、お〇っこしたいんだけど??」
「………」
病院を脱走した形だから、服装も患者服だったり、今更だったり……肌寒いよな。
しかし、ねーちんがこう無反応だと困る。
よし、ちょっと煽るか……
「もう我慢限界だぜ? ここで漏らしちゃうぜ?? ここでしてもオレは構わないんだぜ??」
「………」
そろそろウザなってきたな、自分でも分かる。でも、暇だし続けようかと思ったり。
「よっっ、ほほぉっっ、やぁぁっぴぃっっーーーんwww」
「………うるさい」
今小声で喋った!!
やっと口を開いたか。あともう少しだ。
「なぁねーちん、トイレ行っていいか?もう我慢限界だ」
本気で限界だった。
そして、ねーちんも我慢の限界だった。
「誰がねーちんですか、このド素人がっ!!」
「ふぁっ!??」
何に対してド素人なのかは知らないが、ねーちんがキレた。
「そっとしておいて欲しいのにさっきから声掛けてきやがってうっとぉしいんだよ! 空気読めよ、このロリコンがっ!!」
ねーちんにもロリコンって言われた!?
原因はテスラか!又は誘拐したあの子か!!
さらにねーちん、テスラ並みにキャラ崩壊だ!?いやこれが奴らの素なんだ!!
ねーちんが帯刀していた刀でオレを、
「ちょ、待て、オレが悪かった!!」
挑発するんじゃなかった!!
「大丈夫、鞘で殴りますから」にこり
「そういう問題じゃn………ア゛ーーーーーーーーーーーッ!??」
そんな大きく振りかぶってオレのか弱いお尻をぶっ叩くな!!
「当分の間、眠っておいてください。邪魔です」
「oh……」
当分というか永久の眠りにつきそうな痛さだった。
こうやってオレはねーちんにロクに立ち向かうことすらできず、倒れるのであった。
なんだよ、結局アニメのキャラに攻撃されるじゃん……
聖人様はやっぱレベルが違うなー……
後書き
話が進まなかった・・・
どうでもいい描写なんですが楽しくてつい長々と書いてしまいました
いろいろ、書き直してこれって・・・って絶望してるんですけど、とりあえず次回に持ち越しです
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