ヘタリア大帝国
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TURN140 死線その七
「本当にもう少しだよ」
「そうだな」
「あと少し」
カナダは疲れきった顔のままだ、だが。
その前に十二段のホットケーキを出して来た、そして。
その多段のホットケーキにシロップをたっぷりとかける、ブラックホースの前にも同じものが出されている。
そのホットケーキのセットを出してだ、カナダは彼に言うのだった。
「食べてね」
「悪いな」
「英気を養わないといけないからね」
それでだというのだ。
「僕達もね」
「食って元気をつけろか」
「うん、そうしよう」
「ほら、食べよう」
クマ二郎もカナダに言う。
「ブラックホースも」
「俺の名前は間違えないか」
「俺は目立つ奴の名前は忘れない」
カナダを観ながらの言葉だ。
ブラックホースは目立つから」
「だからか」
「そう、それと」
ここでさらに言うクマ二郎だった、彼から見て右手に顔をやると。
そこにはスイスとリヒテンシュタインもいた、それで言うのだった。
「あの二国もちゃんといる」
「永世中立国なんだけれどね、あの二国は」
カナダも彼等を見ながら応える。
「ちゃんとね」
「当然だ、吾輩達も世界があの様な連中に支配されては大変だ」
「私達も世界の一員ですから」
スイスとリヒテンシュタインは一緒にチーズフォンデュを食べている、そうしながらカナダ達に応えたのである。
「だから今回はである」
「一緒に戦わせてもらっています」
「それでも戦争が終わったらなんだね」
「永世中立国に戻るのである」
スイスはカナダにこのことは確かだと答えた。
「欧州経済圏にも入らないである」
「私もです」
リヒテンシュタインもだというのだ、スイスと同じく。
「そうしたものには入りません」
「それが吾輩達のやり方である」
「それでも戦力になってくれているから」
クマ二郎は二国、特にスイスを見て言った。
「今は頼りにさせてもらうから」
「うむ、最後の最後まで戦うのである」
「皆さんと一緒に」
「うん、今は世界の皆が一つにならないと」
駄目だとだ、クマ二郎も応えてだった。
カナダ達はホットケーキを食べてスイス達はチーズフォンデュを食べた。そのうえで英気を養うのだった。
世界がまさに一つになり戦っていた、それはミクロネーション達もだった。
シーランドはエイリス軍の空母に着艦した、戦闘機から降りてそして言うのだ。
「イモムシの野郎共またやっつけてやったのです」
「ああ、よくやってくれたな」
出迎えたイギリスがそのシーランドに応える。
「もうちょっとだけ頼むな」
「その言葉受けてやるのです」
シーランドもその顔には疲労の色がある、だがなのだ。
その顔でだ、こうイギリスに返すのだった。
「最後の最後までやってやるのです」
「そうしてくれ、それで超艦艇達が完成したらな」
その時はだとだ、イギリスはシーランドにはっきりと言い切った。
「俺達が終わらせてやるからな」
「そうするのですイギリスの野郎」
こう返したシーランドだった、こうした時でもいつもの口調だ。
「今回ばかりは頼むのです」
「今回ばかりはかよ」
「そうなのです」
こうイギリスに返す。
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