ヘタリア大帝国
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TURN140 死線その一
TURN140 死線
遂にだった、ホワイトホールから。
「来ました」
日本妹が真剣な顔で田中に報告する。
「富嶽二体、ニガヨモギ三体にです」
「イモムシ連中はどれ位だよ」
「二十です」
それだけ来たというのだ。
「それぞれ大型の宇宙怪獣程の実力があります」
「そうか、じゃあな」
「はい、今からですね」
「出撃だ、いいな」
こう日本妹に言う。
「四十個艦隊だ」
「四十ですか」
「ああ、まだ全部出す状況じゃねえ」
今はそれ位で充分だというのだ。
「とはいっても予備戦力は何時でも出せる様にしてな」
「そのうえで、ですね」
「出撃だ、いいな」
「了解です」
日本妹は田中の指示に敬礼で応えた、そうしてだった。
人間達の軍、連合艦隊と称する彼等は出撃した。その中には超戦艦や超空母の建造を進められている面々もいた。
東郷もだ、彼は田中の指揮下にいつつ改装さて第十世代のさらに上の性能となった大和の艦橋において言うのだった。
「さて、田中の采配を見せてもらうか」
「はい、それも楽しみですね」
大和の艦橋には秋山もいる、東郷の横で言うのだった。
「一体どういった指揮を執るのか」
「乗っているのは潜水艦だな」
「はい、そうです」
それだというのだ。
「これまで通り」
「第十世代の潜水艦か」
「それです」
「第十世代の艦艇の配備も間に合ってよかったな」
「全くですね」
人類にとってはこのこともプラス材料だった。
「大怪獣が相手ですから」
「これでさらに生存確率が上がった」
「耳栓もメカニズム化されたもので命令がそのまま届くものになっていますし」
「やはり聞こえることは大きい」
「ラメダス達の声を遮断したうえで」
「万全に万全を期しているな」
それが今の連合艦隊だった。
「大修理工場に軍事基地も置いたしな」
「出来る用意は全て用意しました」
半年耐える為のだ、それはというのだ。
「ですから後は」
「半年だ」
まさにそれだけだとだ、東郷は言った。
「今超艦艇が建造されている」
「完成まで堪えれば」
「攻められる」
ホワイトホールの向こうの敵の本拠地にだ。
「その時はな」
「今は待つ時ですね」
「待つことも戦争だ」
このことはこれまでの戦いでよくわかっていることだ、彼等も時としては待ちそのうえで勝利を収めてきたからこそ。
それでだ、こう言うのだった。
「今がまさにそれだ」
「それでは」
こう話してそしてだった。
連合艦隊はホワイトホールから出て来た大怪獣達を迎え撃った、まずは。
田中は機動部隊にだ、こう命じた。
「いいか、まずはイモムシ共だ!」
「連中ですか」
「まずは」
「ああ、連中の声を聞いたら終わりだからな」
耳栓をしていても油断ならない、だからだった。
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