天使舞う、この世界
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NO.8 魔法使い
前書き
戦闘校舎のフェニックス、スタートです!
色々と早いです。キャラ盛大に崩壊。
チャオっす。俺の名はレイナーレ。元踏み台の下級天使さ。
今スッゴく暇なんだ。やること無いし、イッセー達も悪魔の方で忙しそうだしさ。
てなわけで、俺は少しはっちゃけることにした。
「あ、あの、私をどうする気ですか?」
その結果がこれだよ。
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事の初めはこんなことからだったんだ。
「暇ね」
「暇にゃ」
「暇」
黒髪三姉妹満場一致の暇。俺は修業以外やることが無いし、黒歌も白音がひとまず安心とわかって落ち着いてきた。オーフィスは食が楽しみだが、今は節約中で無闇にお金を使えない。
バイトをすればいいのだろうが、戸籍もないのに雇ってくれるところがあるのか?俺たち外見一応未成年だもんな。黒歌は行けるか?
というわけで、それぞれみんなダラダラしている。黒歌ー。着物はだけてるぞー。その豊満な胸揉むぞー。
ハッ、いかんいかん。思考がおかしいことになっていた。
「ダメね。なにかをしないと」
変な方向にいきそうだ。かといっても、何をしよう・・・・・・。
「何もすること無いの?」
「ええ、何も思い付かないのよ」
「だったら、色々と見る?」
「例えば?」
「『禍の団《カオス・ブリゲード》』とか」
・・・・・・??何て言った?なんで『禍の団』!?なんでテロリストどもを見に行かなきゃならねぇんだよ!
「いやなんでだよ!どうしてそこに至ったのかわからねぇよ!」
テンパって男口調が出てしまった。失敗失敗☆
「レイナーレの口調は兎も角、『禍の団』ってなんにゃ?」
「単純に言えば、世界を混沌とさせたいテロリスト集団よ」
「それとオーフィスに何の関係が?」
言っていいのかな。俺はオーフィスを見る。オーフィスは頷いた。わかった。話そう。
「オーフィスが『蛇』を渡した集団よ」
「それって色々ヤバくないかにゃ?」
そうなんだよねー。なんでそこを見に行くんだよ。
「レイナーレ、自分の実力過小評価しすぎ」
「でも、魔王を倒せるほどではないでしょ?」
それも事実だ。流石に魔王は無理。オーフィス基準で考えられても困る。
一応まだヴァーリはいないはずだ。コカビエルの件が終わってからだったはずだしさ。
「先に言っておくけど、オーフィスは別に世界を混沌とさせたいわけじゃないわよ」
「ん。初めは次元の狭間のグレードレッド倒すため。でも、今はここが家」
おおう、嬉しいことを言ってくれるぜ。
「まあ、わかったにゃ。で、行くのかにゃ?」
「そうね。将来敵対する可能性もありそうだし、行ってみましょうか。全員、絶対に見つからないように」
「一番気をつけるのはレイナーレにゃ」
はい。すいません。その通りです。まことに申し訳ありません。隠密下手ですいません。
「レイナーレ、元気出す」
落ち込んでいる俺に励ましの言葉をかけてくれるオーフィス。ああ、可愛い。
そんなわけで、俺たちは見つからないように『禍の団』見学(偵察)に行くのだった。
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さてと、俺たちは黒歌の空間操作を使って『禍の団』見学(偵察)に来ていた。
まずは魔術師集団が集まっている場所を見ている。何やら会議のようだ。
「さて、今日皆に集まってもらったのは他でもない。アノ議題についてだ」
何の話だ?
「巨乳と貧乳、どちらが至高の乳だ?」
何の話だ!?こいつら何を言っているの!?
「やはり巨乳だ。アノ柔らかさ、手にずっしりとくる存在感、そして母性を具現化したような形、あれこそ至高の乳!」
「否!貧乳はステータスだ!希少価値だ!無駄を無くしたスリムな胸板!あれこそ至高の乳だろう!」
「いいや!真に必要なのは大きさではない!美しさだ!故に!至高の乳は美乳だ!大きかろうと小さかろうと、美しい形でなければその乳に価値はない!」
まさかの胸!?こいつら本当にテロリスト!?ストレスでもたまっているのか!?
「否!至高なのは胸ではない!脚だ!」
脚フェチまで来やがった!確かにカオスな空間だ!
「なんだと!貴様!この胸について語り合う神聖な場に脚を持ち込む気か!?」
「フッ。女性の胸にしか目がいかない貴様らの目を覚まさせてやるのさ!」
「何を!」
「やるか!?」
胸フェチと脚フェチが魔術を放ち始めた。お互い、譲れないものがあるんだな。うん。そういうことにしておこう。
「因みにレイナーレは自分が男だとしたら貧乳と巨乳どっち派かにゃ?」
「ん。気になる」
「なんで私に聞くの!?私は女よ!?」
「そんなことはどうでもいいにゃ。さっさと答えるにゃ」
ええええ!?何で!?確かに心は男性だけど!えっと、俺はどちらかというと・・・・・・って、何で俺は答えようとしてるんだよ!
「つ、次いきましょう!私、あまりあの光景を見たくないわ!」
「仕方ないにゃ。それはまた今度にするにゃ」
最後に一言。あいつら、イッセーと語れるんじゃね?
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『禍の団』の魔術師の皆さんのストレス解消を見た俺たち。完全に予想外だぜ。まさかフェチについて語るとはね。
さて、次は旧魔王派だ。三人くらいしかいないはずだけど。
お、見えた見えた。
肌が黒めのグラマーな女性、カテレア・レヴィアタン。
パソコンのオンライン将棋で惨敗していた。
「くっ、チェスと同じようなルールなのにッ!」
『禍の団』の連中のプライベートってこんななの?キャラが違いすぎてない?
シャルバ・ベルゼブブの場合。
「クソッ、また全部白にされた!」
オセロで惨敗。
クルゼレイ・アスモデウスの場合。
「何てことだ!また最下位だなんて・・・・・・!」
人生ゲームで惨敗。
旧魔王ボードゲーム弱ッ!惨敗にもほどがあるだろ!全部白にされるって!
「ぷ、あはははは!弱すぎるにゃ!」
黒歌が爆笑していた。外に音は漏れないが、笑いすぎだよ。
「フッ」
オーフィスは鼻で笑った!?そんなに面白かったか!?
「そういえば、何で私に胸の好みを聞いてきたのよ。私女よ?」
「だから、男だとしたらにゃ。レイナーレ、よく私の胸見てるにゃ」
確かに心は男だから思わず見てしまう時あるけど!答えられないわけじゃないけど!
「レイナーレ、どちらかというと男っぽい」
確かに俺は女性っぽくないけどさ。何でそんなことを聞くんだか。理由がわからねぇよ。
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最後に、英雄派。ある意味強ボス集団である。
さて、そんな彼らのプライベートを覗いてみよう。
曹操の場合。
「よっしゃ!30コンボ!」
アクションゲームでヒットを稼いでいる。結構上手い。が、結構古いゲームだ。レトロ好き?
ジークフリードの場合。
「ふんふんふんふんッ!」
筋トレ。意外とまともなプライベートだ。これ以上語る要素はないな。
ゲオルクの場合。
「・・・・・・・・・・・・(魔導書の読書中)」
静かに読書している!まともじゃないですか。と、思ったらカバーだけで中身は推理小説。そんなに自分の趣味を知られたくないか?
ジャンヌの場合。
「彼氏ができない・・・・・・」
恋愛に悩んでいた。彼氏ほしいんかい!
ヘラクレスの場合。
「やはりこのポーズが俺の筋肉をアピールできる・・・・・・」
ボディービルのポージング、サイドチェストをきめていた。なぜか白い歯が煌めいている。
レオナルドはいなかった。まだ子供だったっけ?
アーサー・ペンドラゴンの場合。
「やっぱり、ルフェイに『禍の団』を止めさせた方がいいよな?わざわざテロリストにならなくても・・・・・・」
シスコンだった。シスコン多いなこの世界!
とまあこんな感じかな?まともなのは数人しかいなかったが、まあこの世界、まともなやつの方が珍しい。
お次はルフェイ・ペンドラゴン。
まあ、魔導書を読んでいた。問題はそこではない。ルフェイの中にある緑色の『Ⅶ』と書かれた結晶、それが重要だ。
『霊結晶』
『天使』を持つ存在が宿す結晶。番号と色からして『贋造魔女』か?
思わぬ掘り出し物だ。できればこちらの陣営に取り込みたい。どうしよう?
で、俺はこの時正常な思考をしてなかったんだ。だって、
「妹をください」
こんなことをアーサーに口走ったんだもん。
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「あなたは誰ですか?」
そりゃ聞きますよね。いきなり知らない人が妹をくださいなんて言ってきたんだから。あはは。自分でも後悔してる。でも剣は抜かないで!
「あー、初めまして。鳶一という者です」
「名前はわかりました。では、なぜ妹を狙うのですか?」
直球ですね。
「んー、あえて言うなら、素質があるから?」
「何が言いたいのですか?」
説明しにくい!あの二人は助けてくれそうにないし、ここはなんとか切り抜ける!
「とある力の素質です」
「ちゃんと説明してください。斬りますよ?」
と、聖王剣コールブランドに手をかけるアーサー。ちょっ、待てや!俺はとりあえずいつでも回避できるようにしておく。
「『天使』って私が呼んでいる力です。人それぞれ宿している力は別々なので、詳細は知りません」
「なるほど、その『天使』とやらを妹が使える可能性があると?」
俺は頷く。するとアーサーは顎に指を添え、なにか思案する素振りを見せる。
「そんな力があるのなら、尚更ルフェイを渡すわけにはいきませんね」
そう来ましたか!
「何より、貴女みたいなよく知らない人に妹を預けることはできません。帰ってください。今なら見なかったことにします」
交渉決裂、か。
「じゃあ、拐わせていただきます」
結局強行手段に出るしかないみたいだ。ま、はじめからそのつもりだったけど。『天使』を宿しているせいか堕ちないんだよね。不思議。
「なにを言うんですか?」
「別にいいでしょう。あなた、妹がテロリストになったことを悔やんでいるじゃないですか。ああ、安心してください。別に無闇に戦いに巻き込む気はありませんから。ただ、同じ力を持つ者同士、見過ごせないだけですよ」
100%善意のつもり。
「つまり、あなたは善意で妹をくださいと?」
「まあ、少なくとも私はそのつもりよ」
「妹を守れるんですか」
「ええ。私一人じゃないから」
さて、どう来ますかね?いい方向に進みますように。
と、次の瞬間、コールブランドを抜いて斬りかかってきた!俺は光になって即座に避けた。
「・・・・・・確かに力はあるみたいですね」
「まあ、いきなり信用してくれとは言わないわ。信用されるまで来るけど」
「妹を守れなかったら、殺しますよ」
「その時は潔く殺されるわよ」
「・・・・・・わかりました。あなたを信じましょう」
おお、いい方向に進んでくれたよ。話が分かる人ですな。
「それじゃあ、これから宜しく」
「ええ、私の名前はアーサー・ペンドラゴンです」
てなわけで、兄公認で拐わせていただきます。
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その結果がこれだよ。
「あ、あの、私をどうする気ですか?」
状況がよくわかっていないルフェイちゃん。
「あなたには『霊結晶』があったから拐ってきたわ。兄公認よ」
「あ、兄公認ですか。なら大丈夫ですね♪」
天然が増えた!この子、手強い!
「じゃあ、恒例の自己紹介ね。私はレイナーレ、天使よ」
「私はルフェイ・ペンドラゴンです。魔女です♪」
「私は黒歌。猫魈にゃ」
「ほわ~。猫耳~♪」
あっ!モフるな!その猫耳は俺のだ!
「あ、すいません。珍しかったので。で、そっちの黒髪の子の名前は?」
「我、オーフィス」
オーフィスが名乗った瞬間、音が消えた。
「・・・・・・すいません。今ありえない名前が聞こえた気がしました」
「正真正銘『無限の龍神《ウロボロス・ドラゴン》』よ」
「・・・・・・・・・あうぅ」
あ!また気絶した!何でこんなに気絶するの!
「はあ、何でこんなに気絶するの?」
「普通気絶するにゃ」
「私はしなかったわよ」
俺は異常なんですか?まあいいさ。問題は・・・・・・。
「うぅ・・・・・・」
初対面で気絶されて心が傷ついたオーフィスを慰めないと。感情豊かになってくれて嬉しいよ。
後書き
というわけで、ルフェイちゃんが仲間になりました~。
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