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東方清天落

作者:にゅるめ
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3話

 
前書き
まずすいませんでした。いろいろとあってキーボードたたける状態じゃなかったので、
遅れる報告もできませんでした。
それと、人里~博麗神社って言いましたが、道中~人里までしかいけませんでした。
重ねてすみません。 

 
さて、俺たちは今人里へと向かっている。
お金のやり取りができなかったのは残念だったけど、仕方がない。

「ねぇ、妹紅?ここから人里ってどれくらい?」
「んー、そうね。何事もなければ夜のうちに着くだろうけど。」

何事もなければ?何事か起こることもあるという事?
え、何があるの、怖いんだけど。さっきからずっと怖い。

「……気になっていたのだけれど、あなた、こんな夜遅くに何してたの?」
「え?いぃや、特には何も……。少し遠くまで散歩してたら、道に迷ってそれで?」
「ほんとに?なんか怪しいっていうか、変だと思ってるんだけど。正直、妖怪かなんかが人に化けてん じゃないかって疑っていたのだけれど。」
「……へ?よ、妖怪?」

……あ、ぼろが出た。気づかれただろうか。

「やっぱり。夜に出歩いて妖怪に怯えていないからそうだと思ったけど……」

気づかれますよね、そりゃ。どうしよう……俺は妖怪じゃないという事を証明できないし、
“実は此処とは別の世界からやってきたんです!”なんて信じてもらえるどころか、
『妖怪』として扱われてもしょうがない。てか俺ならそうする。
……困ったなぁ、どうするか。

「……あなた、外の、別の世界からこっちに来たんでしょう?」
「あ、はい、そうです。……え?」

信じられない言葉を聞いた気がする。ていうか聞いた。
つい肯定したが正しかったのだろうか。

「やっぱりねー、ミスティアを見てもあんまり反応が無かったからどうかと思ったけど、
 あのときの会話も変なとこばっかだし、『送られて』間もないんでしょう?」
「はい、そうです……。その通りでございます。……ちょっと教えてもらいたいんだけど、
 僕みたいなのは結構いるの?なんかちょくちょくあること、みたいな感じだけれど……。
 それと、いつごろ此処の人じゃないって確信したの?僕なりに隠してたつもりなんだけど。」
「それじゃ、ひとつずつ。まず、こっちの世界は幻想郷というのだけれど、ここ以外を外の世界と呼ん でいるわ。外の世界から幻想郷に入りこんじゃうこと自体はそう珍しくないわね。あなたが外の人だ と思ったのは、話とか挙動不審とか色々あるけれど、一番は服かしらね。結構はやくからそうじゃな いかとは思っていたわ。」
「服?え、なにか変?かな?」
「変、とかじゃなくて、幻想郷の人とは違うのよ。こっちの人たちは着物っていったらわかるかし   ら?」
「着物、かぁ。うん、わかるよ。ていうか、そしたらさっき言ってくれたらよかったじゃない。」
「まぁ、そうなのだけれど、あなたを安全な地に連れて行くのが先だと思ってね。」
「安全な……?ああ、なんか疑問ばかりになっちゃうなぁ。妖怪ってさっき言っていたけれど?」
「そうね。ざっくり簡単に言っちゃうと、妖怪は人間を襲い、人間は妖怪を恐れる、っていう関係が  根幹にあるのよ、幻想郷は。」
「なんか人間が一方的に襲われてる感じしかしない……。」
「まぁ、実際はいろいろと決まりごとがあるんだけれどね。まぁ、それは巫女にでも。
 話を戻すけれど、一応人間側にもいるのよ?妖怪退治の専門家的な人も。それでバランスとってるっ てこと。基本普通の人は妖怪には敵わないわ。力もスピードも体力も、妖怪のほうが圧倒的に勝って るからね。」
「へー、僕のいた世界とは違うところだらけな感じ。え、でも、そしたらどうやって退治するの?」
「そこらへんもやっぱ巫女のほうが詳しいとは思うけれど。ま、一度にたくさん言ってもなんだし、簡 単に言うと、あらかじめ勝負のルールを決めておいて試合をするのが一般的ね。」
「ふむふむ、となると、負けたほうが勝った方の言う事を聞くとか、要求をのむとか?」
「まぁ、そうね。ただ、妖怪が人を食べるときとか、必ずしもそうとは限らないわね。基本妖怪のほう が寿命が長くてその分暇だからなんか問題を起こす。この問題を異変と呼び、だいたいは巫女が解決 に向かうの。もめごととか、紛争とか。そういうのを解決するときにくらいしか使われないわね。た だ、そこにもいろいろと問題があって、最近は“スペルカードルール”っていうのが出てきたわね。  まだ使われた異変がないから何とも言えないけれど。」
「んー、なんか複雑なんだね……。これ以上はちょっと無理そう。なんか目が覚めたら全部忘れてそうだ よ。あと、巫女ってだれ?」
「ああ、そうだった!そうそう、巫女っていうのは、さっきも言った通り、妖怪退治の人と言えばって いう存在。外来人も、まずは巫女に相談って感じよ。」

俺たちのような奴らを外来人って呼ぶのか。それくらいには来るって言う事かな?

「ふーん。じゃあ、僕も巫女さんに会った方がいいのかな?これから何をするにしても。」
「そうね、人里のほうで一夜明かしたら神社にいくのをおすすめするわ。残念ながら私は一緒に行けな いけれど。」
「え、そうなの?ってなんか、まさか、その道中にも妖怪がでるの?」
「ええ、でるわね。私は人里に住んでないから同行はできないから……
「えっ!じゃあどうすればいいのさ!まさか一人で頑張ってと!?ここまできてそれはひどいよ!僕に 死ねっていうの!?」
 ……私の知り合いに頼んであげようと思っていたんだけれど、どうしようかしら。」
「すみませんでした妹紅さんどうか哀れな子羊の命をお救いください。」

全力の懇願。妹を本気でキレさせてしまったとき以来だ。

「ま、いいわ。会った次の日に死なれても嫌だし。ただ、今日は無理よ?時間が時間だし、
 あなたも宿で休みたいでしょう?」
「うん、そうしてくれるとすごくうれしいな。でも、どこで待ち合わせればいいかな?僕、
 土地勘まったくないし。」
「それは大丈夫よ。出入り口なんてなんこもあるわけじゃないし、忘れなければ大丈夫。」
「んー、そう?なら大丈夫か。……流石に疲れがひどくなってきたなぁ。」
「だらしないわね。もうすぐだから、頑張りなさい。ほら、もう見えるでしょう?」

そう言われ顔を上げると、確かに人里という感じの場所が視界にあった。
……意外ともう近くに来てたんだな。

「結構すぐ着いたなぁ。……妖怪に会わなかったのって、妹紅のおかげ?」
「ん?どうかしらね。そもそも私は妖怪に会わないようにしてるし、退治するときも
 半ば不意打ちな感じでやってるし。まともにやりあうことはあまりないからねぇ。
 でもま、感謝するのは悪い事じゃないと思うわよ?」

ここまでに何度か気になっていた、敵意、殺意。きっとこれらが妖怪なんだろうけど、
なるほど、妹紅のおかげで俺は襲われなかったのか。

「ん、そうだねぇ。んじゃあ、改めまして……妹紅、今日はありがとうね。助かったよ。」
「そうそう、感謝や挨拶は大事よ?礼儀は尽くしておいて悪いことはあんまりないんだし、
 相手に……「妹紅ってたまにおばさんくさいよね」……燃やすわよ?」
「燃やすってなに!?冗談だよ!目が!目が怖いよ!!」

―――人里 出入り口―――

そんなこんなで人里に着いた。

「それじゃ、私はここまで。宿は探すまでもなくそこらにあるわ。明日の昼ごろ、
 またここに来なさい?」
「うん、オッケ。ありがとね、妹紅。」

軽く挨拶を交わして俺たちは別れた。
最初とは結構印象が変わったな。人見知りっていうより、自分から意図して距離をあけていたのかな。ともあれ少しは仲良くなれたと思う。
さて、宿探しだ。お金大丈夫かなー。見た目からして外来人らしいし、ぼったくられなきゃいいけど。

「んー、とりあえず探そう。見つけないと始まらない。」

俺は何を言っているんだ。疲れてるわー。
とりあえずフラフラしていると、声をかけられた。

「こんばんは、どうしたんですか?こんな時間に。」
「え?ああ、こんばんは。いえ、それが……」

自分が外来人であることも含め、事情を説明してみた。
すると、

「ん、そりゃ大変だったろう。私が宿まで案内します。こっちですよ。」
「ああ、ありがとうございます。」

今日は何か運がいい。親切な人に良く出会う。
数分も経たないうちに宿に着いた。

「ここがだいたい普通の宿かな。お金のほうは大丈夫ですか?」
「ええ、大丈夫です。ご親切に、ありがとうございます。」
「いやいや、困ったときはお互い様ですよ。困ったことがあったら相談してください。
 日の明るいうちは向こうの寺子屋に居ますから。」
「なにからなにまで、ありがとうございます。」
「いえいえ。それでは、私はこれで。」
「はい、ありがとうございました。」

宿に入ると、そこそこな年齢の女性が受付をしていた。

「すみません、一晩だけ、お願いしたいんですけど、大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫だよ。お客さん、もしかして外来人かい?」
「え?ええ、そうです。」
「はぁ、そりゃ大変だねぇ。一晩くらいだったら、好きにしていいよ。」
「え!?でも、お金は……それに、嘘ついてるかもですよ?」
「いいのいいの!嘘だったら地獄まで追いかけまわすけどねぇ……。」
「い、言え!嘘ではないです。では、お言葉に甘えて。」
「ああ、まぁ、好きにといっても、奥ぐらいしか空いていないけどね。
 今なにか作って持っていくよ。お腹空いているだろう?」
「助かります。では、先に部屋のほうへ行ってきます。」

涙出そうだ。ここまで人にやさしくされたのはいつ頃だろうか。
無かった気がする。

―――数分後―――

ドアがノックされ、おばちゃんの声がした。

「いるかい?ご飯持ってきたよ。」
「あら、すみません!今行きますー。」

思ったより早かった。慣れているのだろうか。
というか、部屋なんでわかったんだろう。

「待たせたねぇ。簡単なものしかないけれど。」

簡単なものには全然見えない。流石おばちゃん。

「そんな!ありがたいです!こんなに気を遣ってもらって、すみません。」
「いいんだよ、これくらい。朝になったら声をかけてね。」
「はい、わかりました。」

テーブルに食事を置き、口に運ぶ。

「うふぅ、めっちゃおいしいぃ……。」

あまりのおいしさに変な声が出てしまった。
一日も経っていないと思うが、久しぶりの食事。
よくしてもらったことも相まって、涙がでそうです。

「……っふぅ。ご馳走様でした。」

さて、そういうえば食器はどうすれば……と、
洗い場の横に置くとこがある。自分で洗ってあそこに入れればいいのかな?

一応見てみると、どうやら間違っていないらしい。
念入りに食器を洗い、寝る準備をする。

今日はほんとに疲れた。密度が濃すぎる一日だった。
これからどうしようか?明日巫女さんに会って、それからはどうする?
住む家は?お金も無限じゃない。仕事をして稼がねば。

様々な不安が残るが、まぁ、しょうがない。
今はとにかく眠ろう。眠いから。
 
 

 
後書き
あと、紅魔郷あたりからスタートとしか書いてませんが、
本文書いてて説明してないことに気付いたのでここで。
今の時系列はだいたい、吸血鬼異変後、紅霧異変前。です。 
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