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ドリトル先生と京都の狐

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第二幕その十二

「広島のじゃなくてね」
「本当に関西だね」
「日本も地域の色があるんだよね」
「イギリス程じゃなくても」
「イギリスはちょっと地域色が相当に強いというかね」
 王子はイギリスの地域色については考える顔で述べます。
「元々は違う国同士だったから」
「うん、それでね」
「物凄いからね、イギリスの地域色は」
「特別だね」
「日本の地域色はイギリスとはまた違うから」
 食べものの違いがあってもだというのです。
「あそこまで強くないよ」
「そうなんだね」
「そうだよ、それとね」
 王子はさらにお話します。
「狐は気にしなくていいよ」
「日本の狐は」
「大人しいから」
 だからだというのです。
「化かす狐がいてもね」
「そういえば」
 ここでまた言う先生でした。
「八条学園は怪談話もかなり多くて化け狐の話もあるんだよね」
「そうだよ、あの学園は保育園から大学院まで妖怪の話で一杯だよ」
「幽霊とね」
「とにかく多いからね」
 だからだというのです、狐のお話もだというのです。
「九尾の狐もいるそうだし」
「尻尾が九本って魔女の使い魔みたいだね」
 トミーは王子の言葉からこう連想しました。
「何かね」
「欧州の魔女は猫を使い魔にすることも多いからね」
「それで使い魔の猫が変身する度に尻尾が増えていくけれど」
 それで最高で九本になるのです、ですが日本の狐は変身する度に尻尾が増える訳ではないのです。ではどうして増えるかといいますと。
「長生きするにつれてね。妖力が備わっていって」
「じゃあ尻尾の数が多いだけ長生きしてて妖力も大きいんだ」
「日本の狐はね」
「じゃあ九尾の狐は」
「千年長生きしていて妖力も相当だよ」
 かなりのものだというのです。
「もうね」
「そうなんだね」
「まあ九尾の狐なんてね」
 それこそという口調になって言う王子でした。
「滅多にいないから」
「八条学園にはいても」
「噂だよ、いたら凄いよ」
「そんなに凄い狐なんだ」
「うん、中国とかインドじゃ大暴れしたし」
 そうした九尾の狐もいたのです。
「凄かったんだよ」
「何か凄いね」
 ガブラブはそうした狐のことを聞いて目を瞬かせて言いました。
「日本の狐って」
「凄いよ、実際にね」 
 王子もこうガブガブにお話します。
「凄い狐もいるから」
「そうなんだね」
「まあとにかく、今度はね」
「平安神宮だね」
「そこに行くからね」
 こうお話してでした、そのうえで。
 皆で平安神宮に向かいます、そしてそこで思わぬ出会いが待っているのでした。 
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