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ヘタリア大帝国

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TURN139 銀河の真実その十三

 その彼の階級から、田中は言うのだ。
「元帥さんに敬語で話されるのはな」
「何を言っておる、御前さんも元帥になったぞ」
 山本がここで田中に右目をウィンクさせた愛嬌のある笑顔で言って来た。
「今日な」
「えっ、そうなのかよ」
「司令室に行くのじゃ、辞令が来ている筈じゃ」
「俺が元帥かよ」
「何しろ全人類を守る艦隊の司令官ですから」
 〆羅もここで言う。
「それも当然ですね」
「おい、俺が元帥かよ」
「考えてみれば連合艦隊副司令長官だしね」
「潜水艦艦隊司令長官で」
 手長猿とパンダもここで話す。
「そのこともね」
「当然だよ」
「元帥になるなんて思いも寄らなかったな」
 田中は唖然とした顔になっていた、その顔での言葉だ。
「まさかな」
「おいおい、御前さんは東郷にとって代わって連合艦隊司令長官になるのじゃろ」
「そのつもりだけれどな」
「だったら元帥になるじゃろ」
 連合艦隊司令長官は海軍長官と兼任だ、日本帝国ではその役職にあるべき階級は元帥だと定められているのだ。
 だからだ、その時はというのだ。
「知らぬ訳ではあるまい」
「それはそうだけれどよ」
「とにかく御前さんは海軍元帥になったぞ」
 階級では東郷に並んだというのだ。
「だから頼むぞ」
「ああ、まだ信じられねえけれどな」
「ヘマするんじゃないわよ」
 ハニートラップも田中に言って来た。
「いいわね、あんたのヘマが全軍に影響するからね」
「具体的に言うと突出はしないことよ」
 ハンナは田中にこう忠告した。
「貴方はすぐ調子に乗ってしかも頭に血が上りやすいから」
「何だよ、言われることは変わらねえな」
 その性格の難点を指摘されるのだった。
「ったくよ、どうなんだよ」
「それだけ田中さんを好きということですよ」
 エルミーは田中に微笑んで話した。
「ですから前向きに考えて下さいね」
「愛の鞭ってのかよ」
「それになるかと」
 だからだというのだ。
「お気を落とされずに」
「戦えっていうんだな」
「そうです」
 こう言うのだった、そうして。 
 エルミーは田中にあらためてドクツの敬礼をしてから言った。
「司令、ご命令を」
「ああ、総員厳戒態勢だ」
 これが田中の今の命令だった。
「全軍ホワイトホールから目を離すなよ」
「わかりました」
「出て来たら倒すからな」
 こう言ってだ、田中は全軍を指揮しながら今にも来ようとする敵に仲間達と共に向かうのだった。共に長い間戦ってきた彼等と。


TURN139   完


                    2013・9・16 
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