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ぶつかった相手は

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第四章

「御前随分変わったな」
「そう?」
「ああ、何か急に大人になってな」
 それにだというのだ。その女北崎麻美を見ての言葉だ。
「しっかりした感じになったな」
「働いているからね」 
 だからだとだ、麻美は勝気な感じの顔で返した。
「こっちもね」
「そうか、そのせいか」
「とにかく、お店はそこだから」
 上本町、ハイハイタウンの一階だというのだ。
「来たらサービスするわよ」
「ゲーセンでサービスもないだろ」
「あるわよ、とにかくゲームの数は多いから来てね」
「考えとくな」
 祥太郎はこの場ではこうした話をして麻美と別れた、そうして仲間達にこう言った。
「じゃあ次何処行く?」
「さっきの娘御前の知り合いなんだな」
「そうだよ、高校の時三年ずっと一緒だったんだよ」
 そうした相手だとだ、祥太郎は仲間達に素直に話す。
「悪い奴じゃないさ、明るくてはきはきとしててな」
「そうみたいだな」
「しかし、大阪で働いてるなんてな」
 しかも上本町でだとだ、祥太郎はこのことに意外なものを感じながら言うのだった。
「しかも随分変わったな」
「惚れたか?」
「馬鹿言えよ、そんなのじゃないさ」
 祥太郎は仲間の一人の言葉に笑って返す。
「あいつとはただのクラスメイトだったしな」
「今もそれだけか」
「ああ、それだけだよ」
 仲間達に笑ってこう返すだけだった。
「まあ人付き合いってのがあるしな、それに上本町もいい場所だからな」
「遊ぶに行くんだな、そこに」
「また」
「次な」
 今は鶴橋で遊ぶというのだ、彼等が今いる場所で。
「次行くな」
「そうか、それじゃあな」
「一緒にな」
 仲間達も祥太郎の言葉に応える、そうしてだった。
 彼はこの時は鶴橋で遊んだ、しかし次に大阪で遊ぶ時には。
 上本町に来た、しかも一人で。
 それでハイハイタウンまで行ってだ、一階の中を探してそのゲームセンターに入った。ゲームセンターはビルの中にあるので狭いがそれでもだ。
 確かに置かれているゲームは多かった、しかもである。
 店員の場所、カウンターの様な場所に麻美がいた。麻美は前にぶつかった時と同じ執事かバーテンダーの様な格好でそこにいた。
 そしてそこからだ、祥太郎の姿を認めて笑顔でこう言って来た。
「いらっしゃい」
「来たぜ」
「ええ、好きなゲームしていってね」
「ああ、そうさせてもらうけれどな」
「けれどって?」
「狭い店だな」
 その店の中を見回しての言葉だ、店の中では大学生か高校生と思われる男達が闘っている、彼はその店の中にいる戦士達も見つつ言った。
「店員さんは御前だけかよ」
「私と店長さんだけでね」
「二人か」
「そうよ、ただここの屋上にね」
 ハイハイタウンのだというのだ。
「本店があって」
「そこはかなり凄いんだな」
「色々あるわよ、それこそ難波にあるみたいな何階もの構成になっているゲームセンター位の規模だから」
 一階でもだというのだ。 
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