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ハイスクールD×D~進化する勇気~

作者:レゾナ
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第十二話

そして出発当日。

集合場所に集まったのは俺とヴァーリ、アーシア、そして黒歌である。

ルフェイも連れていこうと提案したのだが

『むぅ!私を子供扱いしないでください!自分の身位自分で守れますよ!』

そう言われて同行を拒否された。

美候やアーサーもいる事だしな。

ちなみにどんな服で来ればよかったのかわからなかったため俺とヴァーリ、アーシアは制服で黒歌はいつも着ている和服である。

「で?何でリアス先輩達もここにいるんですか?」

「私たちも冥界に帰るからよ。それとあなた達はなんでここにいるの?」

「俺たちはソーナ会長に呼ばれてな。ソーナ会長と一緒に冥界に来てほしいと魔王セラフォルーさんからの直々のお言葉だそうだ」

「わかったわ……それで?なんでSSランクのはぐれ悪魔である黒歌がここにいるの?」

「そんなの俺が同行を許可したために決まってんだろ?大丈夫だよ、黒歌は無害だ。今まで一緒に暮らしてきた俺が保証するよ」

「保証なんて出来るか! (それにここで小猫にフラグが立つからな。くっくっく……原作通りにしなければ)」

ああ……何だろう、神名の奴、とってもゲスイ事を考えてるな。

顔を見ればわかる。

「それはお前らがデータ上の事しか見てないからだろ?データを見るんじゃなくて実際に体験しないとわからない事もあるんだぜ……ソーナ会長、とりあえずどうやって冥界に行くんですか?」

とりあえずリアス先輩と神名はこう言っておけば何も言ってこないと思ったのでソーナ会長にどうやって行くのか聞いてみる。

「はい、まずはこの駅のエレベーターで向かいます」

会長に先導され、俺たちは駅のエレベーターへと向かう。

頑張っても五人ぐらいしか乗れず、市民からの不満の声が多いエレベーターだ。

「まずはあなた方と私で乗ります。後の皆は後から来てください」

扉が開き、中に入る。

やはり、窮屈だ。

そう思っていると、会長がポケットからなにやらカードを取り出す。

それを電子パネルに近づけると、ピッ、と音が鳴る。

そして、エレベーターが下に下がっていく。

「あれ?このエレベーターって上にしかいかないんじゃ……」

「これは、悪魔専用のルートです。この町には、このような施設が幾つもあるんですよ。普通の人間じゃまず見つけられません」

「そうなんですか……今までは自分の力で冥界に行ってたから新鮮です」

「そ、そんな事してたんですね……不法入国という事で逮捕されたりしていませんでしたか?」

「ああ、大丈夫です。逮捕される前に魔王であるサーゼクスさん、セラフォルーさん、アジュカさん、ファルビウムさんのいずれかの家に入ってましたから」

「そうなんですか」

そしてそんな事を喋っていたらチーンと音が鳴った。

どうやら着いたようだ。

「私たちは五番線のホームから乗ります」

そう言われて五番線を見てみると列車が止まっている。

そして他の番線にも列車が止まっている。しかしいくつか違う部分がある。

それは彫られた紋様のせいだろう。

「会長、あれって?」

俺は紋様を指差す。

「ああ、あれはシトリー家の紋様です。私たちの家の列車という事です」

……すごいな、シトリー家。

「ちなみにあちらの列車はリアス達が搭乗予定の列車です。その証拠にグレモリー家の紋様が彫られていますからね」

紋様がどうこう言っても俺にはまったくわからないんですが。



そして俺たちが列車に乗り込むとソーナ会長の眷属である生徒会メンバーも搭乗した。

そして皆が乗り込んで座るのを見計らったように汽笛がなり、列車が動き出す。

俺たちは中央に位置する所にいる。

そして俺たちの一つ前の区画には匙達がいるという事らしい。

まあ、どこをどう行こうが勝手らしいが……。

俺は列車の窓から見える外を見てみる。

徐々に加速していき、外の景色がどんどん曖昧な物になっていく。

「何時間くらいで着くんだ?」

「大体一時間位にゃ。それまで暇になるにゃ」

黒歌が俺の疑問に答えてくれるが……はぁ、こんな事なら自分の力で向かえばよかったな。

「はぁ~だるいよぅ…………」

ヴァーリはヴァーリで何やら気持ち悪そうだし……って、マジで?

「ヴァーリ?大丈夫か?」

「大丈夫じゃない……私列車の振動とか全然ダメなんだ……黒歌、確か薬持ってたよね?頂戴……」

そんな言葉にも勢いが感じられない。本当に苦しいのだろう。

「あはは、ヴァーリは本当に乗り物が苦手なんだにゃ。えぇと……あ、あったにゃ。ほら、ヴァーリ、口を開けるにゃ」

「あ~ん……」

なんだろう、看病される娘と看病する母のような絵だな。

『という事はこの場では相棒はそれを見守る父親という訳かな?その年で父親……十分な犯罪だな』

ドライグ、煮沸消毒って知ってるか?消毒する物を煮て消毒する方法なんだが。

『待て相棒!まさか俺を煮沸するなどと言うんじゃないだろうな!?』

おう、さすがは二天龍。察しがいいな。その通りだよ。

『やめろ!龍を煮沸するのはいかがなものだと思うぞ!』

じゃあこれ以降そんな変な事を言うのをやめるか?

『いや、しかし相棒をイジるのは面白くてな』

ようし、待ってろ。今すぐに鍋持ってきて煮てからお前をその中に放り込んでやる。

『わ、わかった!わかったから止めてくれ!!!』

ちっ。

『何で舌打ちをするんだ、相棒!?』

まあ、ここまでにするとして。

ヴァーリを見てみると未だにまだちょっときついらしい。顔を見ればわかる。

ここは人肌脱ぐかな。

「ヴァーリ」

「うん……?」

俺は自分の膝を指差す。

「? 何?」

「膝枕、してあげるって言ってるんだ」

「えっ……え? いいの?」

「ああ、いいよ。本当にキツそうだしな」

「じゃ、じゃあ……お邪魔します……」

そう言って恥ずかしそうに俺の膝に頭を乗せるヴァーリ。

かあいいな、もう。

「むぅ~~~ヴァーリさん羨ましいです……」

アーシア、頬を膨らませるのは如何なものかと思いますよ?可愛すぎるだけでございます。

「おや、もうやっているのですね」

と、ソーナ会長がこちらにやってきた。

「ああ、ヴァーリが乗り物酔いしたらしくって……それと何がもうやってるんですか?」

「なるほどそれなら仕方ありませんね……と、皆さんに用があって来たんでした」

俺のツッコミはスルーされた……。

と、ソーナ会長は誰かを連れてきた。

「私、シトリー家で執事を務めておりますルドガー・マックスウェイと申します」

金髪の老人だけど……なんだろう、老人とは思えない位の気迫を感じる。

「ルドガーさんは人間からの転生悪魔でして……そして一時はレーティングゲーム上位ランカーに名を連ねた程の実力者です」

ソーナ会長の言葉を聞いて俺は驚く。

レーティングゲーム上位ランカーという事はこの人は相当な実力者であり指導者としても実力があるという事だ。

「いやはや、お恥ずかしい限りです。あの世界終末の日(ハルマゲドン)の際に私も向かおうとしたのですがセラフォルー様に止められ屋敷を守っておりましたので……貴方様が三英雄の一人、兵藤一誠だったとは……」

ルドガーさんは俺の顔をまじまじと見つめてくる。

「お、俺なんてまだまだ未熟者ですよ……」

「はっはっは。そうご謙遜なさるな……と、入国手続きをしなければいけませんでしたね」

そして俺たちの写真を取っていく。

これで俺たちの入国手続きを取るのだろう。

「それでは。許可証は明日にでも発行致しますので」

そう言ってルドガーさんは出て行く。

『もうすぐ次元の壁を突破します』

先ほどの彼の声が、放送される。

窓を見ると、空間が歪んでいるのが見える。

うぷ、見てると気持ち悪い。

その景色が五分間ほど続いたところで、ようやく晴れる。

「冥界、か……」

俺は久しぶりに冥界に来た。

列車の窓から見える景色にも懐かしい物を感じる。

そのまま二十分ほど進むと、線路の先の方に駅らしき物が見えてくる。

『まもなくシトリー本邸前、シトリー本邸前。皆様、ご乗車ありがとうございました』

さて……またあのシスコンを相手にしなきゃならんのか……嫌だな……。

俺はそんな事を思いながら列車を降りた。 
 

 
後書き
こんな感じです。

感想待っております。 
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