レインボークラウン
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第百八話
第百八話 シーフードも入れて
いよいよシーフードを入れる、だがここでだった。
今度は華奈子がだった、美奈子に確かな顔で言った。
「入れる順番はね」
「ええ、本にある通りでね」
「そうして入れていかないとね」
「一度に入れるよりもね」
買って来て切って用意していたその様々なシーフード達を鍋に一度に入れることはというのだ、それはというと。
「順番通りに入れた方がいいから」
「そうよね、だからね」
「落ち着いて入れることよね」
「それが大事だから」
それで言うのだった、華奈子も。
「ちゃんと順番は守ってね」
「そうよね。ただね」
「ただって?」
「ここで華奈子は焦らないのよね」
このことを言うのだった、美奈子は。
「いつも」
「ああ、何かをするまではね」
焦る、だがいざする時になるとというのだ。
「けれどいざって時はね」
「そうよね、焦らないわね」
「何かやる段階になるとかえって落ち着くのよ」
華奈子はこう美奈子に答えた。
「これがね」
「それでよね」
「ええ、今だって入れる順番を考えてね」
そうしてというのだ。
「本を読んでなのよ」
「そうよね、だから華奈子はいざっていう時は頼りになるのよ」
「何かそれって普段は駄目みたいじゃない」
「普段以上によ」
ここぞという時はというのだ。
「華奈子は頼りになるわ、そうした時は」
「そうなのね、あたしって」
「子供の頃からね」
「ここ一番って強いっていうのかしら」
「華奈子はそうしたタイプね」
「逆に言うと美奈子は安定してるわよ」
華奈子も華奈子で美奈子に言う。
「何時でもね」
「じゃあ私は何時でも頼りになるの」
「頼りにさせてもらってるわ」
「それは何よりよ。とにかくね」
「ええ、今はね」
「カレーにシーフード入れていきましょう」
「順番にね」
実際にここでシーフードを本に書かれている通りに順番に入れた、そうしてだった。
カレーを本格的に煮ていく、そうして時間を見ると。
「御飯も炊けたし」
「お父さんとお母さん呼ぼう」
「タロやライゾウもね」
「タミーノとフィガロも」
使い魔達のことも忘れない、いよいよ食べる時に来た。
第百八話 完
2014・2・14
ページ上へ戻る