ヘタリア大帝国
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TURN136 帰還その九
そしてその植民地から得た力で世界帝国となった、だが今ではその植民地が。
「貴族連中の利権だけのものになっちまったからな」
「こっちもそうだったんだよな」
「植民地は結局な」
「ああ、国を腐らせるな」
「そのことがよくわかった、だからな」
もう全て放棄するというのだ。
「これでな」
「そうだな、それで御前これからは欧州の一国か」
「それでやってくからな」
イギリスはフランスに対してはっきりと答えた。
「御前のその顔もまたいつも見るぜ」
「おい、そこでそう言うのかよ」
フランスはイギリスの今の言葉には苦笑いを作って返した。
「ったく素直じゃねえところは相変わらずだな」
「素直じゃいけないとか理由もないだろ」
「まあそれはな」
フランスも否定しなかった。
「そうだけれどな」
「そうだろ、だからいいだろ」
「しかしそれでも本当に素直じゃねえな」
否定はしないが言うことは言う。
「何百年もな」
「俺は素直じゃないさ、けれど妹は素直だろ」
「素直なら俺の妹もだよ」
イギリス妹もフランス妹も性格は普通だ、少なくとも兄達の様な妙な癖はない。
「まともだよ」
「で、俺達はかよ」
「よく言われるな」
周りからだ、しかしそれでもである。
二人は変わらない、だから今もこうしたやり取りなのだ。
そのやり取りからだ、フランスはイギリスに言うのだ。
「それで講和のことだけれどな」
「エリザさん達には話すさ」
「それだけで終わらないだろ」
フランスはイギリスの目を真剣な目で見ながら問うた。
「あそこは」
「ああ、残念だけれどな」
その通りだとだ、イギリスも難しい顔で答える。
「議会がな」
「下院はいいにしてもな」
「問題は貴族院だよ、あそこはな」
「その貴族連中の総本山だからな」
「もう随分も前からどうしようもないところになってたよ」
既にエイリスの癌になっていたのだ、だからセーラも即位してすぐに彼等に改革の大鉈を振るおうとしたのだ、戦争で出来なかったが。
「今は特にな」
「話聞くか?」
「俺や女王さんの話か」
「特に酷い奴いただろ」
「クロムウェルな、あいつは特にな」
どうにもならないというのだ。
「門閥貴族の中でも特に酷いな」
「だよな、あいつのことは聞いてるからな」
フランスもである。
「とんでもねえ奴だってな」
「代々続く名門の嫡流でな、首相も何人も出してるんだよ」
「爵位は大公か」
公爵よりさらに上にある。
「それで貴族院でもか」
「一番発言力があるな」
「植民地の利権も相当持ってるよな」
「それで言ってるんだよ」
枢軸諸国との戦闘をだというのだ。
「もうとんでもねえ奴だよ」
「そいつを何とかしないと駄目か」
「ああ、議会はな」
イギリスは苦々しい顔で話す、そしてだった。
彼等は苦い顔で紅茶を飲んだ、フランスはその紅茶について言った。
「御前紅茶の腕は上がるんだな」
「それでも料理はってんだな」
「ああ、本当に進歩しねえな」
「悪いかよ」
「本当にどうなんだよ」
こう言うのである。
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