ドラゴンボール ベジータの兄として転生しました。
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転生:サイヤ人の王子
5年経ちました
前書き
展開早くて、しかもややご都合主義なところがあります。
―――俺が転生して、五年が経った。
現在の俺の戦闘力は修行やら栽培マン狩りやらで24000まで上がった。大体ナメック星に到着した時のベジータと同じくらいだ。
ただ、いつもは気をコントロールして14000くらいに抑えている。
転生時の願いのおかげで界王拳どころか超サイヤ人化も可能だ。だがフリーザ編までは絶対に戦闘では使わないと決めている。フリーザに感づかれたら大変だからだ。今の戦闘力では勝ち目はない。
で、今は何をしているかというと…
「はあああぁ!」
「当たるかっ!」
…ベジータと組み手の真っ最中だ。
何かとかませに使われる事の多いベジータだが、実際に戦ってみるとかなり強い。
現在戦闘力13000のベジータには戦闘力では俺が勝っているとはいえ、生まれ持ったセンスの違いというやつだろうか。下手すると負けそうだ。
「だぁりゃぁあ!」
「なっ…ぐあぁ!!」
ベジータに生まれた僅かな隙を狙って、ベジータの腹に拳を叩き込む。
回避できなかったベジータはそのまま吹き飛び、床に倒れ込む。
「はぁ…俺の勝ちだな。」
床に背中がついたら負け。それが俺達兄弟の組み手のルールだった。
「確か…これで25戦17勝5負け3引き分けだな。」
「ふん…次は必ず俺が勝つ。」
「ま、期待して待ってるぞ、ベジータ。」
「余裕を見せていられるのも今だけだ、オルス。」
回数を重ねるごとにベジータは確実に強くなっている。俺も油断はできない。
「…っと。そういや、親父に用があるんだった。」
「お前が親父に用? 珍しい事もあるもんだ。」
「ま、大した事じゃないさ。」
そう言って俺は部屋を出た。
――この惑星ベジータでの生活には何の不満もない。むしろ修行の効率もいいし、仲のいい(?)兄弟のベジータやターブルのいるこの星でずっと暮らしたい。
だが、俺の知っている歴史通りなら、もうじきあの事件が起こる。
そう、フリーザによる惑星ベジータの破壊だ。
星の破壊から逃れ、かつフリーザの手下にならないための手段を俺は一つだけ思いついていた。
―――テラス的な所。ここからは大した敵のいない星に送り込まれる下級戦士の宇宙船がよく見える。
「…親父、少しいいか?」
「何だ、ベジー…オルスよ。」
おいベジータ王、今ベジータと言いそうになっただろ。確かに似てるけどさ。
「最近、妙な噂が下級戦士やエリートの間で流行っているらしい。」
嘘だ。そんな事実はない。今俺が作り上げた。
「噂…?」
ベジータ王が食いついて来た。
「何でも地球という星にドラゴンボールというものがあって、それを7つ集めれば、どんな願いでも叶う…という噂だ。」
「ほう…」
「何でも願いが叶うというなら…死者を生き返らせる事や、フリーザを倒す事だって可能かもしれない。」
フリーザをどうにかすることができないというのは百も象徴だ。だがフリーザに反旗を翻そうとしているベジータ王にはいい説得材料になるだろう。
「…本当かどうか怪しいが、調べてみる価値はありそうだ…もしあるなら是非とも手に入れておきたい… オルス。」
「何だ?」
「その地球という星へ行き、ドラゴンボールとやらを探して来るのだ。そしてもしなければ…その星を破壊して来い。」
「…俺が?」
「下級戦士などを行かせて、私利私欲に使われてはたまらんからな…その点お前なら問題ないだろう。」
うまくいった。本来なら下級戦士云々の件は俺が言うつもりだったが、そこはさすがベジータ王。ちゃんとわかっていたようだ。
「分かった…あ、後一つ。」
「?」
「俺は死んだ事にしておいてくれ。フリーザに気づかれたらまずい。」
「…よかろう。」
「…じゃ、行ってくる。」
――――
「はぁ…」
宇宙船が発進した後、大きなため息をつく。ちなみにスカウターは通信機能でバレるのを防ぐため外している。
「実質、騙しちゃってるんだよな…」
ドラゴンレーダーがない以上、ドラゴンボールを短期間…フリーザが惑星ベジータを破壊するまに集めることは不可能だ。
恐らく世界は俺の知っている歴史通りに進行する。ベジータ王はフリーザに殺され、惑星ベジータも破壊されるだろう。
宇宙船の窓から、惑星ベジータが見えた。多分これが最後にみる俺の第二の生まれ故郷の姿だろう。
「…さよなら、惑星ベジータ…」
その呟きとほぼ同時に、宇宙船は加速を開始した。
目的地は…地球だ。
後書き
ベジータ王に対する口調は原作でベジータがどんな口調だったか分からないので、ため口にしてあります。
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