ハイスクールD×D~紅の鬼神~
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第三話 俺と紅髪部長
前書き
第三話です!毎回投稿が遅くてすいません……。
前門の虎、後門の狼なんてことわざがある。正直あの言葉は俺――高上穂斑は無縁の言葉だと思っていた。あれってつまり失敗から逃れようとしても意味がねぇってことだろ?俺はむしろ失敗を恐れたりしないタイプで、失敗も基本的にしない。特に女絡みで失敗したことはない、だって自分から絶対に近づかねぇからな。その俺が、今まさに前門のなんたらになってる。俺は一体なにを間違ったのだろうか?右腕を紅髪が目を引く先輩――リアス・グレモリー先輩が取り、左腕を黒髪ポニーテールのおっとりした先輩――姫島朱乃先輩が取り、真ん中の俺は冷や汗をだらだらと流してこの状況が早く終わることを願いながらソファから一歩も動けずにいた。なぜこうなったのか、ことの発端は数十分前にさかのぼる訳だが――。
―☆★☆★☆―
「――あ、悪魔?マジで言ってんすか?」
「本当よ。そんなことで嘘をついてどうするの?」
「いや、まぁ……」
そりゃそうだけどよ、悪魔って……。俺もそうらしいけど実感がな……。そもそも具体的にどんなことをするのが悪魔か分からねぇし教えられてもいねぇ。まぁそんなことを言ったところで、俺が悪魔になったのは変わらないんだろうが。
「部長は正真正銘の悪魔、グレモリ―家の次期当主ですわ。異名は『紅髪の滅殺姫』」
「紅髪……それって……」
確か、堕天使のおっさんが言ってた姫島先輩の主の異名だったか?ってことは、この人が……。
「改めて名乗るわ、私はリアス・グレモリー、あなたの隣にいる姫島朱乃の主よ」
「やっぱ、そういうことなんすよね……」
「私も部長に拾われた身、ということですわ。穂斑くんも、ある意味ではそうなのですよ?」
「えっ?」
「びっくりしたわよ。路上に血まみれで倒れているあなたを、朱乃が見つけたの。私たちが通らなかったら、死んでいてもおかしくなかったわ。でも気がかりなのは、なぜあんな道端に倒れていたのか、そして、なぜ『悪魔の駒』を宿していたのか」
「『悪魔の駒』?」
聞きなれない単語に、俺は首をかしげた。そんなもんが俺の中にあるのか?
「私たち上級悪魔――爵位を持った悪魔に与えられる、眷属を作るための駒のことよ。人間界で言うチェスの駒の形をしているの。『兵士』、『騎士』、『僧侶』、『戦車』、『女王』と、『王』である主の最大16名で眷属は構成されるわ。私たちオカルト研究部は、『女王』の朱乃、ここにはいないけど『騎士』と『戦車』、『僧侶』が一人ずつ、『兵士』の新人が一人いるのだけど、一人で『兵士』の駒計八つを使い切ってしまって『兵士』はその子だけ」
「駒は一人の眷属に対して最低一つ、高い潜在能力や強力な能力を持っていると複数の駒を使います。多い時はうちの新人さんのように、一人でその駒を全て使ってしまうこともありますわ」
ってことは、その『兵士』のやつは相当強いか、なんかすげぇ力を持ってるってことか。俺の中にもその駒があると……。で、なんでその駒を俺が体に宿していたのか分からない訳か。
「……心当たり、ない訳でもないんすよね。俺が駒を持ってる理由」
「本当?どこで手に入れたの?」
「いや、はっきりとは覚えてないんすけど……ただ、おぼろげに。誰かに腹ぶち抜かれて、そいつが俺に駒を置いていったんです。顔はよく覚えてなくって……」
俺の曖昧な言い方に、グレモリー先輩は顎に手をやって難しい顔をしていた。や、やっぱこんなアバウトな説明じゃ信じてもらえねぇか?俺がヒヤヒヤする中で、グレモリー先輩は口を開いた。
「もしそれが本当なら、あなたを殺したのは悪魔ということになるわね。通常『悪魔の駒』はその名の通り、上級悪魔しか所有していない限られた物なの。しかも一人の『王』が持てる駒は16個と決められているから、あなたを殺すなら眷属にするつもりで殺すはず……なのにその悪魔はあなたを眷属にせず、駒だけを与えて去っていった……。なにを考えているのかしら……」
「一つ分かることは、その悪魔は穂斑くんの中にあるなにかか、運動で培われた高い身体能力を狙っていた、ということですわね」
「そういうことになるわね……」
中にあるなにか、か。よくわからねぇけど、かなり厄介なことに巻き込まれたっぽいな。ただでさえ新しい学校に来たばっかりで慣れてねぇのに、余計に頭がこんがらがるぜ……。当面はグレモリー先輩と姫島先輩に任せるしかねぇかな。俺は悪魔の事情を全く知らねぇし、なにをどうするかさっぱりだし。
「まぁ、この件はまた今度にしましょうか。じゃあ穂斑くんに質問よ。これからどうするの?もう学園に手続きは済ませたのでしょう?」
「そうっすね……特にはないっす。今日はもう授業とか出なくてもいいって話なんで」
「ならちょうどいいわ。そこに座ってちょうだい」
「はぁ……」
言われたとおりソファに座ると、隣にグレモリー先輩が腰掛ける。なんか、いい匂いだな。香水か?改めて見るとグレモリー先輩もすげぇ美人だよな……。離れて見ても分かったけど、近づくとそれがさらに分かる。腰まで届く長い紅髪に、宝石みたいに透き通った碧眼、なにより目を引くのは――制服を下から押し上げている胸。これが周りの友達が騒いでた巨乳ってやつか……。そう考えると、姫島先輩も巨乳なのか。服越しだと分かりづらいし分かりたくもねぇけどグレモリー先輩と同じかそれ以上はあるんじゃねぇのか?
「……どこを見てるのかしら?」
「――はっ!?」
なにしてんだ俺!?初対面の人の胸ガン見するって変態か!?ヤバい俺の人生終わったか!?
「あらあら、ウフフ。穂斑くんも男の子ですわねぇ。男の子はみんな、やっぱり胸が気になるのかしら?」
「はい……?みんな?」
「えぇ、新人の『兵士』の子も、部長の胸を穴が開くほど見ていましたわ。分かりやすくて可愛らしいですけど、女性が苦手な穂斑くんも胸は気になりますの?でしたら――」
姫島先輩がグレモリー先輩の反対に座って……俺に腕を絡ませてきた!?なにしてんのこの人!?
「あ、朱乃!?なにをしてるの!?今は私が……!」
「穂斑くんの教育係は私ですもの。このくらい、いいじゃありませんか?それとも部長は、穂斑くんに気があるのですか?」
「そ、そういう訳じゃ……!」
「なら、問題ないですわね」
いや……いやいや!俺に問題があるって!なんなのこの状況!?ありえねぇだろこんなの!だって、こんな綺麗な人二人に挟まれたらいくら俺でもパニックになるわ!それよりグレモリー先輩、なにさりげなく腕絡ませてんすか!?この二人ちょっと頭大丈夫か!?
「この子は私の眷属よ。そして朱乃、あなたも私の眷属の『女王』、分かってる?」
「えぇ、分かっていますわ。でもこういう時は関係ないのではないかしら――リアス、引かないわよ、私も」
「あ、あの、二人とも?それは別にいいんじゃ……?」
「これは重大なことよ。穂斑くん、あなたはどちらがいいの?私か朱乃か」
「ちょうどいいわ、穂斑くんに決めてもらいましょう。さぁ穂斑くん、どちらにしますか――?」
――そして俺は決めに決め切れず……数十分も悩んでいる訳だ……。いや決められねぇだろ?美女二人から迫られるってどこのハーレムだよ?俺はこんなことするためにこの学園に来た訳じゃねぇのに……。その間も姫島先輩は積極的すぎるほどに俺に体を押しつけてきている!節操ってもんがねぇのかこの人は!?グレモリー先輩を見習ってくれ!女らしく少しためらってるのにアンタはお構いなしか!誰かっ、俺を助けてくれぇぇぇっ!!
後書き
大変遅くなりました!読んでくれている皆さんには本当に申し訳ないですが、これからも頑張っていきますので、よろしくお願いします!
ページ上へ戻る