ヘタリア大帝国
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TURN135 ワープトラブルその四
それで今エイリス軍は守っていた、だが枢軸軍の攻撃の激しさの前に。
「損害を無視出来ません」
「とても」
「それでもです」
セーラは彼等に苦渋の決断を告げた。
「今は、この戦いは」
「貴族達を逃がす為にも」
「どうしてもですね」
「正規軍を盾にしなければなりません」
エイリスの癌を守る為にエイリスの宝を犠牲にしなくてはならなかった、それが今のエイリスの状況だった。
「さもなければ彼等が」
「仕方ないわね」
エリザもだ、貴族達の力をわかっているからこそ言うのだった。
「もう彼等の協力がないとやっていけないから」
「はい、ですから」
「それじゃあね、ここは防戦に徹して」
そしてだとだ、エリザも全軍に命じる。
「戦いましょう」
「わかりました、それでは」
「今は」
皆頷くしかなかった、それでだった。
エイリス軍は守った、そして。
彼等は今は守った、そのうえで。
何とか貴族達がロンドンまで帰るまで守った、だがその時には。
「駄目だな、もうな」
「はい、損害を受け過ぎました」
セーラは全軍を観てからイギリスに応えた。
「これ以上戦っても」
「勝てないしな」
「無駄に損害を出すだけですね」
「撤退しかないな、俺達も」
イギリスは苦りに苦りきった顔でセーラに述べた。
「もうな」
「はい、それでは」
「女王さんは離脱してくれよ」
イギリスは自らセーラにこう促した。
「いいな、後詰は俺が引き受ける」
「いえ、それは出来ません」
ここでも責任感を出すセーラだった、そして言うことは。
「後詰は私が」
「クイーン=エリザベスも被弾してるだろ」
「これ位なら大丈夫です」
戦える、だからだというのだ。
「ご安心下さい」
「いいんだな、本当に」
イギリスはセーラの頑固な性格を知っている、セーラは己の責任のことならあくまで引かずやり遂げようとする、そうした生真面目な女王なのだ。
だからだ、今はこう言ったのである。
「それで」
「はい、では」
「一緒に後詰をやるか」
「それでは」
こう話してだ、そしてだった。
セーラとイギリスで後詰を務めることになった、エリザ達はその二人に切実な顔で言った。
「それじゃあセーラちゃん、祖国ちゃんお願いね」
「申し訳ありませんが」
「ここはお願いします」
「いいから行けよ」
イギリスはあえて余裕を見せて三人に返した、その余裕は貴族達の余裕とは全く違うものだった、相手に見せるものだけに。
「いいな」
「そうですか、それでは」
「今は」
「ロンドンで会おうな」
イギリスは微笑みを作って彼等に言ってみせた、そしてだった。
エリザ達は主力を率いてすぐに撤退にかかった、エリザは撤退する彼等に言う。
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