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ハイスクールD×D~進化する勇気~

作者:レゾナ
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第二話

 
前書き
二話でございます。 

 
あれ(フェニックスとの邂逅)から、もう既に10日。

つまりは今日がレーティングゲーム当日である。

俺はちなみに何をしていたのかというと……家の地下に設置されていた特訓場で特訓しておりました。

まあ、リアス先輩から一緒に特訓するぞという事は聞いていたのだが面倒くさかったので行かなかった。

そしてただいま、オカルト研究部部室におります。

いささか、皆さん緊張しすぎではないでしょうか。

まあ、誰だって緊張はするわな。

適度な緊張は必要だしな。

「おい、そんなに緊張すんなよ」

流星は空気を読まずにそんな事を言う。

「……ふふっ、そうだったね」

木場はそれに賛同する。

俺には関係ない事だな。

しかし、俺には別の問題がある。それというのが

『相棒……あいつら、本当に見ているぞ』

『ああ、気づいてる……何やってんだよ、グレートレッドにオーフィスは……』

そう、次元の狭間からほんの少しだけ穴を開けてグレートレッドとオーフィスが見ているのだ。

あれは昨日の事だ。

「という訳で、明日はレーティングゲームがあるって事を報告したかったんだ」

俺は明日多分レーティングゲームが開かれるからこっちに来れない事を二匹に言う。

「なるほどな……」

グレートレッドはそう言ったのだが……

「イッセー……そいつらをボコボコにする?」

おいおい、オーフィスは物騒な事を言うな……まあ、そうなるかもしれないけど。

「……ふむ、決めたぞ」

「ん?」

決めたって……何が?

「我らは次元の狭間より見守っているぞ」

「…………は?」

と、このような経緯があったのだが……まさか本当に見ているとはな。

しかも本当に小さい穴を開けて見てるし……昔の二体からしたらありえない光景だよな。

「皆様、準備はよろしいですか?」

と、部室に魔方陣が出現し、そこからグレイフィアさんが出てきた。

「……たかが10日で随分と変わられましたね。お嬢様、私の立場的に言いにくいのですが……頑張ってください」

「……ええ。最善はつくさせて貰うわ」

そう言うと、グレイフィアさんは俺の所までやってくる。

「それと今回はサーゼクス様の為にこんな事になってしまいまして申し訳ありません」

「いや、いいですよ。後であいつの顔を一発ぶん殴るだけですし」

「どうせなら私の分も一発分お願い出来ますか?」

「了解です」

俺たちはそんな軽い事を言っているが……それを聞いている部室にいるメンバーは驚きを隠せないらしい。

「ね、ねぇ……グレイフィア、いい加減に教えてくれないかしら?彼は一体何なの?」

「そうですね、俺も知りたいです……何でイッセーが悪魔と交流を持ってるんだよ、赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)も持ってねぇのに…… (ボソッ)」

そこ、聞こえてるぞ。まあ、前々から気づいていたが……

『相棒、気づいてたのか!?何で教えてくれなかった!?』

『え?だって教えたら……お前、向こうに鞍替えするかもしれないだろ?』

『あんな奴だったら俺は断然相棒の方がいい!』

いい事言ってくれるね、ドライグ。

ありがとうな、お前に肩身が狭い思いをさせるけど……。

『いいさ、むしろ相棒が俺を使うときは本当に危ない時以外は使用しないからな。俺が使われる事はむしろヤバい状況という事になる』

確かにそうだな。

「では皆様、この魔法陣の中にお入りください」

グレイフィアさんは部室の真ん中に魔法陣を展開させる。

そして魔法陣の中に入ると、次の瞬間、魔法陣が光を出し始める。

「これにより皆様を先頭フィールドにご案内します。それでは、ご武運を……」

そして次の瞬間、俺達は光に包まれながら転移していった。



目を開けると、そこは何の変哲もない今までいたはずの部室だった。

さてあいつらはどこにっと……お、いたいた。上空から少しだけ穴を開けて見てる。

『皆様、この度、フェニックス家とグレモリ―家の試合に置いて、審判役を任せられましたグレモリ―家の使用人、グレイフィアと申します』

するとアナウンスのような音声で、どこからかグレイフィアさんの声が聞こえた。

『この度のレーティングゲームの会場として、リアス・グレモリ―様方の通う、駒王学園の校舎を元にしたレプリカを異空間に用意させていただきました』

凝った事するよな、悪魔も……。

『まあ、仕方ないんじゃないか?』

仕方ないのかな……?

学校そのものが俺の視線の先にはあって、空は何とも言えなく色で覆われていた。

『両者、転移された場所が本陣でございます。リアス様は旧校舎、オカルト研究部部室、ライザ―様は新校舎の生徒会室でございます。『兵士』は互いの敵地に足を踏み込めた瞬間、昇格を可能とします』

まあ、悪魔のルールなんで俺にはしったこっちゃないな。

『それとイッセー様……くれぐれもライザー様のいる新校舎を能力で潰すという行為はくれぐれもお止めくださいね。もう一つ……使用していい能力は二つまでです。これを破られればすぐにこちらで回収致しますので』

あらら……能力制限されちまった……。まあ、二つまでっていうならあれとあれしか使わないけどな。

「あ、あなた……一体何者なの?」

「リアス先輩。知らなくてもいい事ってあるんですよ、これに関してはこの知らなくていい事に当たります」

「そ、そうなの?……やっぱり眷属にしたいわね」

眷属にしたいって言ってるけど……正直無理だろうな、だって前測ってみたけど……今現在俺を眷属に出来る悪魔っていないって事で無理になったからな。

「全員、耳に通信機をつけなさい」

「……通信機?」

リアス先輩の言葉に俺は少し首を傾げる・・・っていうか通信機ってもしかして、この光の球のことか?

俺はリアス先輩の周りで浮遊するいくつかの球体を見ながらそう思った。

「通信機と言っても、魔力を介した物よ。この光を耳に入れれば、仲間間で会話が出来るわ」

そうリアス先輩が説明してくれると、俺はリアス先輩に言われるがまま、光を耳に入れる。

「……準備は完了だわ」

リアス先輩は席を立ち上がる。

それと同時に校内にグレイフィアさんの声が響いた。

『それでは0時になりました。開始の時間となります。制限時間は人間界の夜明けまで。ゲームスタートです』

……そして校内に鐘の音が鳴り響く。

それはゲームの開始時間と暗に告げているようだった。



そして俺は今、ある場所を見下ろしている。

その場所というのが……体育館だ。

ここがチェスでいうセンターに位置するらしい。

そして先ほど神名と塔城小猫が体育館に入っていった。

俺に近くには朱乃先輩もいる。

「ここは私一人でも事足りますのよ?」

「いいですよ、俺も任された事ですし。それよりも相手の女王(クイーン)が接近してきてますから、そっちの対処お願いしますね」

俺は手に持ったハンマーを振り上げる。それと同時に神名と塔城が体育館から出てきた。

「さてと……じゃあ、いきますか……構築(コンストラクション)展開(プログレス)発動(アクティビティ)……マテリアルアクト……」

そして一気にハンマーを振り下ろす。

重全重美(パーフェクトグラビティ)!!」

俺がそう叫んだ瞬間……体育館一角だけが消滅した。

「「「……は?」」」

これを見ていた神名達の呆けた声も聞こえてくるよ。

「グレイフィアさ~ん、どうでした~?」

『……イッセー様、いきなり初めからそんな力、使わないでください……もう少し回収が遅れていたら圧し潰されていましたよ』

「いやぁ、だってあれくらいの力じゃないと体育館を破壊するなんて出来ませんから」

というわけで、俺の任務は完了だ。

『はぁ……ライザ―様の『兵士』3名、『戦車』1名、リタイア』

同時に今まであそこにいた4人がリタイアしたことを知らせる、グレイフィアさんのアナウンスが入った。

「さてと……俺の仕事は終わったので帰ります」

俺はそれだけ言って本陣である部室に戻った。



「ただいまです~」

「あ、あなた……一体何者なの?」

「何者も何も……ただの神器持ちですけど?」

「ただの神器持ちはあんな事出来ないわよ!それにあのハンマーと重力、あれがあなたの神器なの!?」

「それは予想にお任せします」

俺はそれだけ言ってソファに寝っ転がる。

「ちょ、ちょっと!何で寝てるのよ!」

「俺の仕事は終わりました。それに俺は普通の人間なんです。今が深夜なら眠いのは当たり前でしょう?」

俺はそう言って腕を枕代わりにして寝る。

「何なの?……この男は……」

最後にそんな事を言われたが……眠い……。お休み……。







































『ライザ―様の『兵士』2名、『騎士』2名、『僧侶』1名、リタイア』

俺が起きるとそんな言葉が聞こえてくる。

「ふ、ふわぁ……どこまでいったんだ?ん?誰もいない?」

そう、誰もいないのだ。本来なら本陣にいなければいけないリアス先輩もだ。

『リアス様の『女王』1名、リタイア』

「はぁ……油断したな……戦闘において油断は命取りになるってのに……」

そして、新校舎の方から爆発音がする。

あそこにいるって事か。

『相棒。どうする?』

「行ってみるか……」

俺はそう言って重全重美(パーフェクトグラビティ)を使って重力を軽くし、新校舎まで飛ぶ。

新校舎につくと、神名とライザーが戦っていた。

まあ、あいつじゃ勝てるわけないわな。

どんだけ強い力を持っていようが……基礎が出来てないなら意味はない。

そして神名は負けようとするが……それをリアス先輩は止める。

「待って、ライザー!!」

っ!あいつ……まさか……!

「……これ以上、私の下僕を、リューセイを傷つけないで……リザ」

「バカッ!!!」

俺はリアス先輩の口を塞ぐ。

「ばっ!?もがもがっ!?」

「お前、バカだろ!!何で王であるあんたが投了するんだ!」

リアス先輩は俺の拘束を解いて、俺に向き直る。

「でも!これ以上皆が傷つくのを見たくないの!!」

「……ああ、なるほどな。よぅくわかった、あんたは悪魔に向いてない!!下僕を大事にするのは構わないさ!でもな!あいつらはあんたの為に文字通り命を削って戦ってきた!あんたがそんな簡単に投了するってのはそれまでのあいつらの意志を踏みにじる事になるんだ!それをよく理解しやがれ!」

「っ!!」

今更気づいたみたいに驚いている。

俺はライザーに向き直る。

「さて、済まないなライザー……これからは俺が相手をしてやる」

「ふんっ!人間なんぞに俺はやられはせんぞ!貴様を消し炭にしてやる!」

そう言って炎の塊を俺にぶつけてくるライザー。

俺は瞬時に武装を変えて大剣を持つ。

その瞬間……炎は氷に覆われた。

「なっ!?貴様、一体なにをした!?」

「なにって……炎を凍らせただけだ。それと足元気をつけな」

「何?うおっ!?な、なんだ!?俺の足が……凍って!?」

そしてどうに氷を溶かそうとしているのだろう、しかし氷は溶けない。

「くそっ!どうなっている!が……」

そして氷はどんどん体を凍らせていき、ついには顔以外は凍ってしまった。

「な、何が……?」

「教えてやるよ……この大剣を持っていた時からお前の負けは確定した……この剣を持っている間に発現する能力は氷姫の悪魔(デモンマスクウェル)……空気中の水分を具現化する能力だ……簡単に言えば空気があればこの能力は無限に氷を生み出せる」

まあ、その逆で空気が決められている室内とかはちょっと使いにくい能力なんだけどな。

『おい、相棒。こいつはもうだめだ』

『?何が?』

『こいつの顔はドラゴンに怯えた顔をしている』

「いや、俺何も……ドライグ、お前何かしただろ?』

『ああ、ちょっと……オーラを当ててみただけだ (ドヤッ)』

『ドヤ顔すんな……』

「ふぅ……グレイフィアさん、もうこれ終わりですよね?」

俺はどこかで見ているであろうグレイフィアさんにそう問いかける。

『はぁ……』

なぜため息をつかれたし。

『ライザー様、戦闘不能の為、このゲーム……リアス・グレモリー様の勝利となります』

グレイフィアさんのそんな声をリアス先輩は驚きを隠せないようだった。



第三者SIDE

「フェニックス卿。今回の婚約、こんな形になってしまい、大変申し訳ない。無礼承知で悪いのだが、今回の件は……」

「みなまで言わないでくださいグレモリー卿。純血悪魔同士のいい縁談だったが、どうやら互いの欲が強すぎたようだ。私もあなたも……やはり私たちは悪魔なのですかな」

「兵藤くん……彼には礼を言いたかった。息子の敗因は一族の才能の過信によるものです。フェニックスの力は絶対じゃないということが分からせただけでもこのゲームは意義があった」

「フェニックス卿……」

「ですが、今回のことで我々は驚かされてばっかりだった」

「えぇ、赤龍帝の力を受け継ぐ少年がまさかこちらの側にいる……まあ、器しか持っていないですがね。真なる赤龍帝はイッセー君ですから……それよりも私は行きますよ、フェニックス卿」

「どこに行かれるのですかな?」

「ああ、ちょっと……イッセー君に挨拶をね……」

そんな会話が行われていたそうな……。

SIDE OUT

「イッセー様、もうちょっと力を抑えてください、本当に死なすおつもりですか?」

「い、いやだな……グレイフィアさんを信じてあんな事をしたんじゃないですか……」

正直に言おう……ものすごく怖い。

今、グレイフィアさんに詰め寄られて説教を受けているのだが……笑顔。そう、笑顔なのである。

ものすごく怖い。ここまで怖い笑顔っていうのもあんまりないもん!

「やあ、イッセー君」

「あ、サーゼクスさん。お久しぶりです」

「つれないねぇ、もうちょっと遊びに来てもいいのに」

「俺みたいな人間にそんな事してみてください……他の魔王様方が我先にと俺の所に来るでしょうが!特にセラフォルーさん!」

「仕方ないんじゃないかな?それよりも今回は済まなかったね、脅迫気味た事になってしまって……」

サーゼクスさんは頭を下げた。

「いいですよ、俺を心配してくれたって思っときますから……」

俺は気にしてない事を伝える。

「そうかい?だった君とリーアの婚約を!」

「前言撤回。そんな事言うからあなたを好きになれないのかもしれませんね」

「ガ~ン!!ぐ、グレイフィア……イッセー君が……」

「すいません、サーゼクス様。私もイッセー様に同意します」

「…………っ!!!」

声にならない悲鳴をあげてorzの形に崩れ落ちるサーゼクスさん。

この人は全く変わってないな……まあ、そこがいいんだろうけど。

「じゃあ、俺を早く家に送ってください。ただでさえ、神器使って眠いんですから……ふわぁ……」

俺は言いながら欠伸をしてしまう。

「ふふっ。わかりました、それではサーゼクス様、後は頼みますね」

「ああ、グレイフィアもお疲れ様」

そう言って俺の近くにやってきたグレイフィアさんは魔方陣を使って俺を送ってくれる。

目を開けると……俺の前には俺の家があった。

「ありがとうございます、それじゃあ」

「はい……そうだ、イッセー様」

「はい?」

「私はサーゼクス様の女王(クイーン)ですが……私はあなたをお慕いしている事を忘れないでくださいね?」

「ううっ……わかってます……」

「ふふっそれでは」

そう言ってグレイフィアさんは帰っていく。

はぁ……そう、なぜかは知らないがグレイフィアさんはサーゼクスさんより俺の事を好いてくれているのだ。なぜかは……おそらくだが世界終末の日(ハルマゲドン)の際に助けだしたからかな?

「はぁ……とりあえず寝よう」

俺はドアに鍵を差し込み開けて、家の中に入る。

「ただいま……」 
 

 
後書き
こんな感じですね、あ。ちなみに後でタグに「ハーレム」を追加しますので。

それとグレイフィアさんはサーゼクスさんのお嫁さんではございませんので、あしからず。 
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