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ヘタリア大帝国

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TURN134 ジブラルタル会戦その三

「そうなる」
「そうじゃ、今はじゃ」
「待つしかない」
「では花札を続けるか」
 ここで酒を一杯飲む、見れば二人が今いる場所は賭場だ。山本が自分の乗艦に特別に作らせたものだ。
 その中で花札をしながらだ、今度は柴神から話してきた。
「そういえば御主のことだが」
「ああ、あのことだな」
「そうだ、古賀提督と結婚するな」
「戦争が終わったらな」
 その時にだとだ、山本は柴神の問いに答えた。
「そういう予定じゃよ」
「そうか」
「ははは、これで子供でも出来たらな」
 山本は鉄火巻きを飲みつつ笑いながら話した。
「さらに楽しくなるな」
「まさか御主が身を固めるとはな」
「思わんかったじゃろ」
「これまで独身だったが」
 六十八歳になるこの時までだ。
「それがか」
「うむ、こうしたことは縁じゃな」
 結婚、そうしたものがだというのだ。
「まさかこうなるとはのう」
「そうか」
「うむ、そうじゃ」
 こう話してだ、そしてだった。
 山本は花札を続ける、そうして。
 その札を見てだ、柴神に言った。
「猪鹿蝶じゃ」
「そうか、どうもこうしたものではな」
「わしには勝てぬというのじゃな」
「うむ、やはり賭けごとだとな」
「こうしたものは読みじゃよ」
「運ではなくだな」
「それと勘じゃ」
 山本は賭けごとはそれだと考えている、実際にそうしたもので勝ってきたのでそれで言えるのである。
 そしてだ、札を見ながらこうも言うのだ。
「運頼みでは破産するわ」
「それで破滅した者は多いな」
「それと楽しむことじゃ」
 このことも大事だというのだ、賭けごとには。
「それも大事じゃ」
「勝とうと思うことはどうだ」
「いや、それはな」
 山本は柴神のその問にはこう返した。
「よくない」
「かえって欲が出るからか」
「そうじゃ、勝とうと思わずに」
 そのうえでだというのだ。
「読みと勘を働かせてな」
「欲を出さずにか」
「そうしていくものじゃ、ではな」
「はい、それでは」
 こう話してそしてだった、彼等は賭けごとを続けていくのだった。
 枢軸諸国は今はどちらかというと落ち着いていた、だが。
 エイリス軍は違っていた、セーラは国家の主だった者達を集めて作戦会議を行っていた、そしてこう言うのだった。
「確かに各星域に艦隊を送り枢軸諸国の動きは止めていますが」
「それでもっていうのね」
「はい、座して待つよりは」
 こうエリザに答える。
「攻めましょう」
「パリにいる枢軸軍の主力に対してね」
「全力で」
 そしてだというのだ。
「一気に攻めましょう」
「ここで動かれますか」
 イギリス妹はセーラの今の話を聞いてこう言った。 
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