赤城と烈風
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波及効果と戦史研究
97式中戦車、1式中戦車
日本陸軍の標準装備は極東ソ連軍の進撃と南樺太、千島列島の激戦を経て史実と異なる方向に進化。
97式軽装甲車・97式中戦車・98式軽戦車・1式中戦車が量産に入り、重戦車も試作していますが。
当世界では銃砲弾の直径を秘匿する為、制式名称の慣習と命名基準が見直されました。
日本海軍は海の忍者、潜水艦の雷撃に有効な対処を為し得ず陸軍関係者に罵倒されていますが。
陸軍も極東ソ連軍の軽戦車T-26型、46口径45粍戦車砲、快速戦車BT-7型の猛威に曝され惨敗。
対潜装備の不備を面罵した海軍と関係修復を図り、3年式8センチ高角砲の大量投入で急場を凌いでいます。
18.4口径57粍の戦車砲は史実と同様1937年3月に竣工、大阪工廠が第1回試験を実施しますが。
94式37粍の戦車砲が極東ソ連軍の装甲車にも通用せず、95式軽戦車を撃破された教訓は身に沁みていました。
新型中戦車の開発に当たり甲案の軽量化、重量12頓程度に削減を要求した参謀本部も同様です。
技術本部と陸軍戦車学校の推す重量15頓、18.4口径57粍砲の試製中戦車で勝てない事は明白。
92式車載13粍機関砲の搭載と捜索連隊に配属の救済案に基き、97式軽装甲車と命名されました。
大阪砲兵工廠と陸軍技術本部、戦車学校の関係者は艦政本部の刷新に動いた海軍航空派と連携を模索。
大量の鋲で車体前面を接合する試作車と異なり、溶接構造で直線と平面のみで構成された車体を設計。
砲塔正面の装甲厚50mm、V型12気筒240馬力ディーゼル発動機を備える試製中戦車の開発に邁進します。
陸軍技術本部は機動90式野砲との連携も考慮、90式野砲を基に約38口径75粍の戦車砲を試作。
砲口初速668m/秒で発射された砲弾の貫通力を確認の後、泥縄式に試製中戦車への搭載が強行されました。
試作品は起重機の能力に拘らず全備重量18.8頓の為、従来の基準に照らせば重戦車の範疇に含まれますが。
ソ連軍が重戦車開発に邁進する事態を怖れ、97式中戦車の制式名称を選択しています。
翌1938年に陸軍は新開発、ソ連製46口径45粍の戦車砲を模倣した試製47.8口径47粍の戦車砲を試作。
鋲結合方式ですが比較的低価格で製造可能な量産型、97式軽装甲車に搭載の実用試験に合格します。
98式軽戦車の制式名称を得た後に製造費の更なる削減を図り、97式中戦車に倣った溶接構造の設計案を採用。
製造工程を極力省く為に車体を直線と平面で構成する工夫も凝らし、95式軽戦車を凌駕する量産が計画されました。
1939年に陸軍首脳は極東ソ連軍の増強を睨み、数で劣る戦車の質的強化を模索。
航空機用の液冷発動機2基を積み計600馬力を発揮、前面装甲150粍の試製重戦車が試作されました。
96式15糎榴弾砲と副砲2門を搭載し全備重量は約150頓の試案、多砲塔戦車ではありませんが。
砲弾装填機構を内蔵の巨大砲塔と連続射撃の実験は機動力、稼働率の懸念を拭えず見送られています。
陸軍技術本部は重戦車の実験を重視せず砲口初速810m/秒、48.5口径57粍の戦車砲を試作しますが。
既存砲弾の活用を図りますが砲身製造施設の複雑化、量産性の低下、単価上昇に直結します。
関係者は試製中戦車の開発方針を協議の末、海軍型7糎半野戦高射砲の搭載を前提に新規車両を設計。
傾斜式の舷側装甲と同様、ドイツ陸軍に学んだ避弾経始の観点から車体形状と装甲の傾斜角を改めました。
97式中戦車の後継者は全備重量30頓に達しますが、V型12気筒空冷ディーゼル発動機1基を搭載。
ドイツ製MZ65/95型ディーゼル機関と同様、気筒の大型化・排気量の増強を試みています。
発動機の開発担当者は整備性・冷却効率・信頼性を追求、新艦政本部の技術支援も得て過給器無しで最大400馬力。
1式中戦車は制式化から日が浅い為、充分な数が揃っておらず極東ソ連軍の戦車群に挑める段階ではありませんが。
88式7糎野戦高射砲の搭載を前提に肺活中の試製中戦車と共に、陸軍機甲部隊の期待を一身に担っています。
・97式軽装甲車
自重4.25㌧
92式車載13粍機関砲1門(実質13.2粍、砲身長1千粍、発射速度・約450発/分、弾頭重量51.7g、初速745m/秒)
空冷直列4気筒ディーゼル発動機1基、65馬力
装甲厚8~12㍉
時速42km
・97式中戦車
全備重量18.8㌧
38口径75㍉砲1門
空冷V型12気筒ディーゼル発動機1基、240馬力
車体前面装甲厚50㍉
時速38.8km
・98式軽戦車
全備重量15.8㌧
47.8口径47㍉砲1門
空冷V型12気筒ディーゼル発動機1基、170馬力
車体前面装甲厚25㍉
時速38km
・1式中戦車
全備重量30㌧
40口径76.2㍉砲1門
空冷V型4気筒ディーゼル発動機1基、400馬力
車体前面装甲厚75㍉
時速45km
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