ヘタリア大帝国
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TURN133 隠された航路その六
「可愛い女の子と遊びたいよね」
「そういえば御前のところの映画って絶対に戦争になったらな」
「うん、その国に入ったらだよね」
「そこの女の子と仲良くなるよな」
「そうしないとね」
どうしてもだとだ、イタリアは言う。
「気が済まないんだよね」
「そうだよな」
「フランス兄ちゃんのところの女の子ともね」
「いや、それはなかっただろ」
「あれっ、そうだったかな」
「御前この戦いのはじまりの時に俺のところに攻めて来てあっさり撃退されただろ」
「俺覚えてないけれど」
「ちゃんと覚えてろ、今やってる戦争だろ」
そのはじめの頃の戦争だ、その戦争だからだというのだ。
「負けてボロボロの俺にタコ殴りにされただろうが」
「あっ、思い出した」
ここでだ、イタリアははっとした顔になって言った。
「兄ちゃん物凄く強かったよ」
「本当によ、火事場泥棒みたいに来やがってな」
「というかそれで負けられたのですか」
この場には日本の提督達もいる、小澤がここで言うのだった。
「イタリアさん、ある意味凄いです」
「いや、だから兄ちゃん強かったんだよ」
「そうでしょうか」
「本当だよ、鬼の様だったんだよ」
「単にイタリアさんが弱かっただけじゃないのかい?」
南雲はいささか引いた苦笑いでイタリアに問うた。
「こう言ったら悪いけれどさ」
「何かその割に随分はっきりと言ってない?」
「そうとしか言えないからね」
だからだと返す南雲だった。
「ちょっとね」
「ううん、俺なんでいつもこう言われるんだろ」
「というか火事場泥棒みたいに攻め込むのは駄目だろ」
田中はこのことを指摘した。
「そりゃフランスさんも怒るだろ」
「しかもそれで返り討ちに遭うとは」
平良も呆れ顔で言う。
「イタリア殿、あまりでは」
「ううん、反省してるよ」
「しかしそれがイタリアさんらしいですね」
福原はそのイタリアを見て優しい微笑みだった。
「妙に愛嬌があるといいますか」
「ああ、こいつそんな奴だけれどな」
攻められたフランス自身もこう言う。
「妙に愛嬌があってな」
「憎めない」
「そうなんだね」
「そうなんだよ」
実際にそうだとだ、フランスは日本の提督達に話す。
「お馬鹿で弱いにも程があるんだけれどな」
「そういえばフランス殿はイギリス殿やドイツ殿、オーストリア殿には色々言われますが」
秋山もいる、その彼の指摘だ。
「イタリア殿には」
「何か言いにくいんだよ」
フランスも秋山に返して言う。
「不思議とな」
「その様ですね」
「悪い奴じゃないしな、愛嬌もあってな」
右手の人差し指でイタリアを指差しつつ日本の提督達に話す。
「長い付き合いもあるしな」
「だからですか」
「ああ、俺こいつ嫌いじゃないんだよ」
このことも話すフランスだった。
「結構面倒も見てきたっていうかな」
「そうなんだ、兄ちゃんにも色々とね」
「イタリアさんは放っておけませんから」
小澤が言う。
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