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ヘタリア大帝国

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TURN133 隠された航路その二

「エイリスは実は世界の全ての星域とつながっていることをね」
「このロンドンは」
「中南米や中央アジア、アフリカともね」
「全ての星域とですか」
「ひょっとしたらだけれどな」
 ここでイギリスはセーラにこうした話をした。
「俺達国家は自国領なら何処でも行けるよな」
「はい、大使館であっても」
「そうだろ?経済圏でもな」
「その能力もですか」
「このことと関係あるのかもな」
 ロンドンが全ての星域とつながっていることとだというのだ。
「ひょっとしてな」
「そうした理由があったのですか」
「人間は瞬間移動は出来ないさ」
 ただし国家である彼等と一緒ならそれは可能だ。
「けれど国家は自国領なら出来る理由はな」
「そこにあったのですか」
「そうかも知れないな」
 こうセーラに話すのだった。
「ひょっとしたらだけれどな」
「そうですか」
「それで話を戻すな」
 イギリスは実際にそうした、ワープ航路の話にだ。
「このワープ航路、ロンドン中心のものがあるからな」
「これを使えば」
 セーラの目が光った、聡明な彼女だからすぐに察せたことだった。
「あらゆる星域に艦隊を送れますね」
「その通りです」
 イギリス妹も確かな顔で応える。
「いざという時は」
「では」
「そうよ、何故エイリスが今まで世界の盟主でいられたか」
 エリザが話す。
「この切り札があるからよ」
「そうでしたか」
「ああ、実際にこれを使ったこともあったんだよ」
 イギリスも話す。
「それでエイリスは危機を脱してきたんだ」
「では今は」
「ああ、使う時だ」
 まさにだ、今こそだというのだ。
「枢軸諸国の全星域に艦隊を送るぜ」
「それで後方を攪乱してですか」
「後方からの予備戦力の移動と補給を滞らせる」
 そうして戦うというのだ。
「こうしていけばいいさ」
「わかりました、それでは」
「オフランスにいる連中だけならロンドンにいる戦力でも戦える」
 守り抜けるというのだ。
「だからな」
「このワープロ航路を使って」
「勝つぜ」
 絶対にだというのだ。
「負けないんじゃなくてな」
「この航路はね、本当に知っている人間は少ないのよ」
 エリザが話してきた、今は。
「わかるわよね、全ての星域に行けるということはね」
「全ての星域からですね」
「そうよ、攻められるということよ」
 このことは表裏一体だった、攻めることが出来るということは攻められるということでもあるからである。厳然たる事実だ。
「だからこそ今までセーラちゃんにも話していなかったのよ」
「そうでしたか」
「若しもよ、このことをソビエトが知れば」
「カテーリン書記長がですか」
「わかるわよね」
「はい、すぐにロンドンに艦隊を送ってきて」
 しかも大艦隊をだ、ことの他貴族を嫌っている彼女ならばその彼等の巣窟であるロンドンに艦隊を贈らない筈がない。
「そしてですね」
「そうよ、ドクツも危険だけれどね」
「若しそのソビエトとドクツが手を結んで」
 このことは空想ではなかった、共通の敵がいるのなら。 
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