魔法少女リリカルなのは 世界を渡りあるく者
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第一章 ジュエルシードを巡って 〜海鳴 P・T事件〜
第四話 閃光との勝負
前書き
どうも四話です
こんにちは、高町なのはです。
今私は道場に着ています。
そして、
「ふぅ......」
「......」
二刀を持ったお兄ちゃんと一刀を持った蒼炎君が睨み合っています。空気が重いです。
なんでこんなことになったかというと.....
数分前
蒼炎は朝の道場へと足を運んだ。
そこには黙想をする恭弥の姿。
蒼炎は先日の失敗を思い出し、少しでもできることをしようと考え
「あの、稽古を見せていただいてもよろしいですか?」
と恭弥に聞いた。
「わかった」
と恭弥は言い、二刀を取る。そして形の稽古に入った。
しばらく見ていると、それは先日の少女のように、早さを重視していることが分かった。
ならば、
「手合わせお願いできませんか?」
と全力の闘気を込め、恭弥に聞いた
すると
相応の闘気と、剣気で返され、今に至る....
蒼炎は構えながらも、考えていた。
(俺の持っている剣の知識と技、出来るか試したいが.....)
何か違和感を感じていた。
だが、もう止められない。
睨み合いが続くなか、先に動くは恭弥。
なのはでは認識できない速さで動く。
だが
蒼炎は避けた。
半身になり避けながらも右手で持つ剣を振るう。
だがそれは避けられる
「これを避けるか。ならば、本気でいかせてもらうよ!」
望むところだ、と心の中で思いながらも技の準備をする
恭弥はまた真っ正面からみぎの剣を振るう。今度は避けず打ち合わせる。
恭弥は驚いた。
無理もない、振り下ろしたはずの剣が振り下ろす前の位置に戻っているのだから。
そして蒼炎の剣の位置は変わらず、そう変わってない
これが蒼炎の持つ奥義の一つ。鏡花
打ち合わせた剣同士を元の位置に戻す技。
だが相手も達人。すぐにもう一つの剣でこちらを狙う。
だがそれは蒼炎の剣があり得ない速度で動き、迎撃した。
奥義、瞬閃
体をフルに使い剣を素早く動かす。
鏡花と瞬閃は一セットであり、瞬閃は鏡花の隙を無くすための技
恭弥の目から迷いは消える。そこにあるのはただ、達人と闘えるという興奮
もう、言葉はいらない。
二人は剣を打ち合わせ続ける。一心不乱に競い合う。
戦いの中、蒼炎は思い出す。自身と剣の関係を
----剣を道具ではなく自身の腕とせよ----
その言葉とともに思い出す秘奥。
「剣人一体」
蒼炎は無意識に言う。暗示となる言葉を
剣と心を共にする。それが剣人一体である
この状態であれば、剣をどう扱えばどう負担がかかるか、何処にうち合わせればどうなるか、など様々な事が分かる。
恭弥は距離を離す。無意識に危険を感じたのだ。
だが、離れてもせいぜい3メートル。その程度は今の蒼炎にとってあってないようなものである。
蒼炎の姿が消えるー
否、認識できない速度で動いたのだ。
奥義、桜花
体全てを使い、異常な速度で動く歩法。
ただ、真っ直ぐしか進めない、体に負担がかかるという弱点はあるが。
姿が見えた時には剣先が恭弥の喉元にあった。
恭弥は剣を下げると
「参った」
そういった。
「それにしても凄いね。うちの門下生にならない?」
と恭弥さんが言ってくれたが断った。
俺の技はどういう流派かわからない上、殺すための技だ。そんなものを表で継承させようなんて思わない。
今日は休日。そして、温泉旅行に行く日だ。
家族で行くと言っていて、自分もその輪に入れていただいた。
いつか、必ずお礼をしよう、そう思いつつ月村やバニングス達も乗せた車は温泉へと向かう。
そこでまた一波乱あるなんて、誰が想像していただろうか。
俺は自分の部屋でぼっとしていた。時刻はもう夜の9時を回ろうとしている。
温泉に来てみたはいい物の、やっぱり同年代の女子しかいないとなると、孤立してしまう。
それにやりたいこともあったのだ。
アルティメイタムの仮想シュミレーター上で、俺は飛行しながらの戦闘訓練と、剣技体系の見直しをしていたのだ。
もう二度と同じ過ちは踏むまい、と。
なんでここまでするのかは正直わからない。
まあ、たぶん感謝しているんだろうなぁ。
俺がいまここにいるのはなのはのおかげでもある。
俺を拾ってくれて、学校でもよくしてくれる。俺にはもったいないな。
だからこそ、なのはが傷つくのはいやなのかもな。
だが、いやなことは二度起こる
(魔力反応!?)
アルティメイタムに確認するが、これは先日の少女と、なのはの反応だった。
どうやらなのははジュエルシードを見つけ、一人で行ってしまったようだ。
(今日訓練していたのがあだになったか)
もし、俺がなのは達とともに行動していれば、少なくともこの事態は回避できた。
俺は自分の犯したミスを呪いつつ、魔力が発しているところに向かった。
だが、もうそこには誰の姿も見えなかった。
しかしそれしきであきらめる蒼炎ではなかった。
<魔力残滓確認、追跡...完了。発見!>
アルティメイタムのサーチがヒットし、位置を確認する。
この位置から500m離れたところにいた。目視も可能。
なんか知らない人もいるが、なにやらこの間の少女の味方のようだ。
「打ち抜くぞ、アルティメイタム。魔力リミッター、Sランクまで解除」
俺はディバインバスターの構えをとる。
<魔力リミッター一部をリリース...完了>
狙いをつける。まあ正直牽制できればいいので、半分チャージできたところで
「ディバインバスター!」
放たれる魔力砲。
しかしそれは相手のシールドにより防御される。
俺と少女の目が合う。
「悪いが逃がさない。転送魔法を用意した瞬間に打ち抜かせてもらう」
この砲撃はそのための牽制だった。
少女は問う
「なにが目的ですか?」
向こうの隣ではこちらに対し敵意をばりばり向けているやつがいるが気にしない。
<蒼炎、あれはおそらく使い魔かと>
納得、ご主人様に攻撃されれば敵意向けるわな。
「純然な決闘を申し込む」
<な!?何を考えてるんですか蒼炎!!>
最初はいろいろ聞き出そうと思ったが、やめた。
理由は、あの少女の瞳がなんか、こうもやもやする感じだったから。
<そんな理由で!?>
「ああもうごちゃごちゃうるせえな!俺が決めたんだ、口出すなよ!!」
俺だって気持ちが良くわからないんだよ!
「それにな」
少女の目をより強く見る
「戦ってわかることもあるさ」
先制は使い魔が、こっちにつっこんでくる。
武器を持っていないことを見ると拳で戦うのか。
防御.....なんかいやな予感がするから回避だ!
上に飛んで躱す。そしてそのまま飛行魔法を使い、空を飛ぶ。
目指すは少女の元へ、一直線に飛ぶ。
勢いのままに斬りつけるも躱される。そして向こうもカウンターを決めようとする。
それを今度はこちらが躱す、そしてカウンター。
切る、避ける、切る、避ける.....
しばらくその応酬が繰り返されるが、それを破ったのはまた使い魔。
こちらに向かい、飛んできたので、片手を使い、防御。
<ラウンドシールド>
ガキィ
という音が鳴った。こちらは相手のデバイスを、剣で受け止めたからだ。
このまま魔力を放出して、この場を脱出しようとしたが
「バリアブレイク!!」
「んな!?」
使い魔が俺のシールドを破ろうとしてやがった!!
次第に俺のシールドにはひびが入り、もう持たないとわかった。
どうするか考えてる時に、浮かんだのはこの間の少女の高速移動。
あれだ
あれを使えばいい!
そこで俺は足下に魔法陣を展開。確か名前は....
ドゴーン!
バリアが崩れ、煙が舞う。
煙がはれるが
そこに蒼炎の姿は見えなかった。
〈ソニックムーブ、成功〉
俺が使ったのはこの前見た高速移動の魔法。
それを使い、瞬時に上に回避した。
「まさか私の魔法を使うなんて」
「だが、魔力消費が半端ないんでね、あんまり多用はしたくないな」
そう、コピーできると言っても理論が分からず無理やり発動しているので、消費魔力がすごいことになってる。
このまま戦ってもらちがあかない。仕方が無い、全力で行きますか。
「アルティメイタム、全力いくぞ」
〈リミットフルリリース。シーリングモードレディ」
ソードモードをシーリング状態にする。そして今放てる最強の魔法を用意する。
「んな.....どんな魔力量してるんだい」
流石に敵さんも驚いたようだ。まあこの魔力量だからな。
「いくぞ!」
〈ソニックカノン、ファイアー〉
ソニックカノンを牽制に打つ。避けられたが、まだ牽制は続く。
〈ドライブカノン、シュート!〉
ドライブカノン、こちらはなのはのディバインシューターを参考にしている。
速さよりもコントロールのしやすさを重視した魔法だ。
それにより、二人の動きを制限する。
ここだ
あの二人が絶対に避けられないタイミングを見つけた。
俺はソニックムーブで、近づき、一閃!
〈ディバインストライク〉
「ふっ!」
奥義、雪月花
本来この技は剣が壊れるほどの速さで切る、という技だが今回はデバイスを魔力で強化していたので、問題ない。
そして、それとディバインストライクとの合わせ技。
全開の魔力を込めた一撃は、辺り全てに行き渡る。純粋魔力なので、破壊はされていないが。
「俺の勝ちだな」
「いいえ、私たちの勝利です」
目の前に倒れていたのは犬。そして、
「そうか。使い魔が受けたのか」
魔力刃が喉元につけられていた。
まさか体を張って主人を守るか.....
「俺の負けか。なあ、一つお前の名前を教えてくれないか?俺は遠藤蒼炎だ」
この戦いは楽かった。それにこの少女はきっと強くなる。
「フェイト、フェイト・テスタロッサです」
「テスタロッサ...か。もし、そこの使い魔が起きたら伝えてくれ。あなたの忠義心は本物だ、心から尊敬する。と」
俺がそれを言い終わると、テスタロッサと犬は消えていた。おそらく転送したのだろう。
さてと、
〈リミットオン〉
これでよし。
「うっ、っ......」
体に痛みが走る。
アルティメイタムがリミットをかけろと言ったのはこういう事態を考慮してのことだった。
この身体では全力の魔力を受けきれないため、使えば痛みが走るのだ。
そして理由はもう一つある。
「これはしばらく戦えないな」
リンカーコアの異常なまでの収縮。
〈流石にな。でも後遺症は残らないぞ。今はゆっくり休めよ〉
俺のシーリングはなのはとは違う。あちらは一つの魔法に特化させた状態。こちらは魔力の出力限界を上げるものだ。
簡単に言えば、一種のブースターである。
無理やり一度に放てる魔力量の上限を超えたのだ、リスクがないわけがない。
でも、まあ
「この状態でもできることはあるな」
テスタロッサとなのはを勝負させれば、あるいは。
今日わかったのはいろいろある、特にあいつの本質は理解した。
だが、今は闇の中にいる。それを晴らせるのはなのは位だろう。
「なのはの近接戦闘、鍛えてやるか」
ならば俺はその援助をしようではないか。
そう思い、俺はその場を後にした
後書き
この主人公は誰かと付き合うことは無いと思います。現状は
無印は書きにくいな.....なんでかAs以降の構想はあるのに.....
というかアリサとすずかと絡ませられない。
ごめんなさい、私の未熟さ故です。
とりあえず、次はクロノがてで来ると思うよ?
ちなみに蒼炎のシーリングは言ってしまえばエクセリオンやブラスターと同じです。まあそれらよりは軽いものですが
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