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ヘタリア大帝国

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TURN132 一騎打ちその九

「私から見ましても」
「ですから。エイリスの料理は」
「では何を食べましょうか」
「携帯食にしましょうか」 
 いざという時に持ち込んでいるそれにしようかとだ、ベラルーシは提案した。
「どうでしょうか」
「そうですね、それでは」
「我々も」
 こう話してだ、そうして。
 二人は議会を後にした。しかしそのことにも誰も気付かないのだった。
 そして動画は明石に送った、その彼から枢軸諸国に議会の様子が伝わった。
 その動画を観てだ、秋山は日本にこう言ったのだった。
「勝てますね」
「はい、間違いなく」
 日本も秋山に確かな声で答える。
「敵がこれでは」
「確かにセーラ=ブリテン女王も前女王エリザ様もロレンス提督も立派です」
「そしてイギリスさんと妹さんも」
「エイリス軍は健在です、ですが」
「戦争は僅かな名将と軍だけでは出来ません」
「国家と国家の総力戦です」
 それ故にというのだ。
「エイリスは議会、とりわけ貴族院の力が強いですが」
「まさに国家の土台です」
 日本もこう言う。
「しかしその土台がですね」
「ここまで腐敗していては」
 それではというのだ。
「エイリスはもちません」
「その通りです、ですから」
「この戦争は勝ちます」
 確実にというのだ。
「負ける筈がありません」
「では後は」
「ロンドン侵攻です」
 秋山は言い切った。
「レーティア閣下からしてみれば第二次アシカ作戦です」
「その作戦の発動ですね」
「それを行います」 
「これがこの戦争で最後の戦いになりますね」
「間違いなく」
 そうなるともだ、秋山は言うのだった。
「エイリスは敗れ」
「私達が勝ちますね」
「ここまで腐敗した国家が勝てる筈がありません」
 今も貴族院を観ながらだ、秋山は日本に話す。
「何度も申し上げますが戦争は軍と将帥だけで行うものではないのですから」
「その国家の全てを注ぎ込むものだからこそ」
「エイリスが勝てる可能性は万に一つもありません」
 これは戦力差の話ではなかった、まさに。
「どれだけの国力を持っていても腐敗していては」
「何にもなりませんね」
「全く」
「その通りです、では」
「まずは艦艇の修理を行い」
 そしてだというのだ。
「パリに戦力を集結させ」
「ロンドン侵攻ですね」
「長きに渡って一兵も入ることが出来なかったロンドンがです」
「陥落ですか」
「そうです、そうなります」
「私達の手によって」
「世界帝国としてのエイリスも完全に終わります」
 このことも言う秋山だった。
「遂に」
「大きな戦いですね」
「人類の歴史の転換点です」
 そこまでの戦いだというのだ、次のロンドン侵攻戦は。
「ですから」
「夢の様です、生き残る為にはじめた戦いで」
「生き残れる可能性はないに等しかったです」
「しかし、私達は生き残れるのですね」
「そうです、私達は勝つのです」
 この長い戦争にだというのだ。 
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