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ヘタリア大帝国

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TURN131 二度破られるものその四

「その戦い方は勇敢でしかも理に適っている」
「正統派の名将ですね」
「性格からきているな」
「そうです、しかしそれが何か」
「戦い方は一つじゃない」
 東郷はここで言うのだった。
「色々ある」
「といいますと」
「何も艦隊と艦隊がぶつかる必要はない」
「それが戦闘では」
「違う、艦隊以外にもある」
「ではそれは一体」
「周りに幾らでもあるだろう」
 ここでこう言う東郷だった、いつもの口調で。
「見えるだろう」
「?一体」
「石だ」
 東郷は言う。
「石を使う」
「石、では」
「わかったな、これで」
「はい、そういうことですか」
「マジノ線は元々アルデンヌのアステロイド帯の横にあった」
 アルデンヌのアステロイド帯は艦隊では突破出来ないと思われていた、それでそこを避けて来る敵軍への備えだったのだ。
 その為マジノ線の傍にはアルデンヌの端にある隕石が多く漂っている、東郷はその隕石達を見つつ秋山に言ったのだ。
「だからだ」
「ここは、ですね」
「エイリス軍に隕石をぶつける」
 数えきれないだけあるそれをだというのだ。
「ではいいな」
「わかりました、それでは」
秋山も頷く、そして。
 東郷はゴローンにもだ、こう言った。
「頼みたいことがあるが」
「ああ、何だ?」
「魔術でダミーの艦隊を出せるか」
 頼むのはこのことだった。
「姿だけでいい、実体や攻撃力はなくていい」
「ただ見せるだけかよ」
「それでいてレーダーに反応があればいい」
「そうした艦隊を出せばいいんだな」
「出せるだけ出せばいいか」
「そうしてくれ」
 まさにだ、数があればいいというのだ。
「それで我が軍の後方から迫る感じでエイリス軍の前に出してくれ」
「わかったぜ、じゃあ今からやるな」
「成功すればボーナスが出る」
 東郷はゴローンにこのことを約束した。
「一年分のな」
「一年分か」
「そうだ、それだけ出す」
「それだけあったらアキバでも好きなだけゲームやグッズが買えるな」
「買いたいものはあるな、色々と」
「ああ、勿論だ」
「なら頑張ってもらう」
 東郷は目を輝かせるゴローンにさらに言う、そしてだった。 
 各艦隊の工兵達に隕石にエンジンと簡易だがコントロール機能を付けさせた、そのうえでゴローンが出した幻影の艦隊を前に出させたのだった。 
 その艦隊を見てだ、エイリス軍の将兵達がセーラに言った。
「セーラ様、敵が出てきました」
「枢軸軍の大軍です」
「レーダーに反応は」
 セーラはダミーの可能性を考えた、それでこのことを問うたのだ。
「ありますか?」
「はい、あります」
「百個艦隊程です」
「わかりました、それでは」
 規模も聞いた、そしてだった。
 全軍に攻撃命令を出した、エイリス軍は陣を保ったままセーラの指示の下全軍に攻撃を開始した。そうして幻影の艦隊を倒していく。
 攻撃を受けた幻影達は次々と爆発していく、日本はその爆発を見て言う。
「これも本物の様ですね」
「どうだ、俺の魔法は」
「はい、かなりのものです」
 日本も感嘆するまでのものだった、彼の魔法は。 
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